【北アルプスの秘境】雲ノ平|山頂より心に残った、日本最後の秘境
静かな稜線を歩く時間が好きです。
これまで、たくさんの山頂に立ってきました。
けれど、「また行きたい場所は?」と聞かれたら、真っ先に思い浮かぶのは山頂ではありません。
日本最後の秘境と呼ばれる、雲ノ平です。
何日も歩かなければ辿り着けない広大な高原。
そこには、山頂とは少し違う時間が流れていました。

雲ノ平とは?
雲ノ平は、北アルプス最深部に広がる高原です。
周囲を水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳・薬師岳といった名峰に囲まれ、日本でも有数の山岳地帯にあります。
車ではもちろん行けません。どこから歩き始めても何日もかかる場所。そのため、「日本最後の秘境」と呼ばれています。

山頂ではなく、この場所を目指して歩いた
多くの登山では、山頂が目的になります。
しかし雲ノ平は少し違いました。今回の山旅では、「雲ノ平へ行く」それ自体が一番の目的でした。
何時間も歩き、いくつもの峠を越え、ようやく目の前に広がった景色。
遠くから見ると、本当に平らな台地の上に山荘がぽつんと建っています。その景色を見た瞬間、言葉が出ませんでした。山頂に立った時とは少し違う、「ここまで歩いてきて良かった」という感覚。目的地そのものが山頂ではなくても、それは確かな達成感でした。

歩いた人だけが知っている静けさ
雲ノ平には観光地のような賑わいはありません。ここまで来るには何日も歩かなければならないからです。
だからこそ流れる時間もゆっくりです。
木道を歩く音。風に揺れる草。遠くで聞こえる沢の音。
ときどき立ち止まっても、誰にも急かされることはありません。
山頂で写真を撮ってすぐ下山するような山歩きとは違う、「その場所で過ごす時間」そのものが贅沢に感じました。

雲ノ平山荘という存在
雲ノ平の中心に建つ雲ノ平山荘も印象的でした。
何日も歩いた先で見える建物には、街では感じることのない安心感があります。
宿泊する人も、通過する人も、ここで一度立ち止まり、山旅の時間を楽しんでいました。

この先にはさらに秘境が続く
雲ノ平まで来ても、旅は終わりません。
ここからさらに歩くと、高天原温泉があります。日本でも屈指の到達困難な秘湯です。
▶ 【北アルプス】高天原温泉|1日で行けない秘湯・行き方と実際の山行記録
さらに、赤牛岳や水晶岳、黒部最深部へと縦走が続いていきます。
▶ 実際に歩いた70km縦走の記録はこちら
▶ 私が北アルプスで歩いて良かった5コース|絶景・岩稜・最深部まで実体験で紹介
また歩きたくなる理由
雲ノ平は、一度訪れれば満足する場所ではありません。
雲ノ平を中心に、どの方向へ歩くかで全く違う山旅になります。新穂高から入るか、折立から入るか。高天原へ下りるか、水晶岳へ向かうか。組み合わせの数だけ、違う景色と出会えます。
それに、天気が違えば高原の表情もまるで変わります。晴れた日の薬師岳の大きさ、ガスが流れる木道の静けさ、どちらも雲ノ平でしか見られない景色です。
そして何より、「あの静かな時間をもう一度歩きたい」と思わせてくれる。その気持ちが、また重いザックを背負って北アルプスの奥へ向かわせるのだと思います。
おわりに
雲ノ平で感じた静けさは、距離や標高差とは別のところに残っています。
歩いた数字はいつか忘れてしまうかもしれません。それでも、あの木道の先に広がっていた景色だけは、きっと忘れないと思います。
この記事は「秘境を歩く」マガジンに収録しています。
山を越えてたどり着く秘境駅、秘境温泉、吊り橋、ダム。このマガジンでは、山奥にひっそりと残る特別な場所への山旅をまとめています。
目指すのは必ずしも山頂ではありません。自分の足でしか辿り着けない目的地を、アクセス方法・ルートの難易度・現地で感じた魅力とともに記録しています。
「いつか行ってみたい」そんな秘境への旅の参考になれば嬉しいです。
▼ 秘境を歩く|山行記録マガジン
いいなと思ったら応援しよう!
ここまで読んでくださりありがとうございます。
チップは、次の山へ歩き続けるためのエネルギーになります。
無理のない形で応援していただけたら嬉しいです。