【静岡・深南部】黒法師岳〜丸盆岳|寸又峡から47.6km周回・過去最高クラスの笹原絶景
静かな笹原を歩く時間が好きです。
今回歩いたのは、寸又峡から黒法師岳と丸盆岳をつなぐ深南部のロング周回。
沢口山から蕎麦粒山、三ツ合山、房小山を越え、
バラ谷ノ頭から丸盆岳へ。
狙っていたのは、“一番条件の良いタイミング”で丸盆岳を歩くことでした。
結果として、自分の中では過去最高クラスと思える景色に出会うことができました。
はじめに
黒法師岳〜丸盆岳周辺は、南アルプス深南部を代表する笹原の稜線です。
長い距離、不明瞭な区間、急斜面。
簡単なルートではありませんが、その分だけ静けさと景色の密度が濃い山域でもあります。
今回は、寸又峡から時計回りで周回。
房小山〜バラ谷ノ頭間でテント泊をしながら、丸盆岳を最も条件の良い時間帯で歩くことを目的に行動しました。
この記事では、
寸又峡周回ルートの実際の様子
水場状況
迷いやすいポイント
バラ谷ノ頭〜丸盆岳の景色
時計回りで歩いた感想
などをまとめています。
これから深南部ゴールデンルートを歩きたい方の参考になれば嬉しいです。
今回は“丸盆岳を最高条件で歩く”ことを優先して時計回りを選択しました。
以前歩いた半時計回りでは、また違った難しさや景色が印象的でした。
▶ 半時計回りで歩いた記録はこちら
山行概要
山名: 黒法師岳・丸盆岳・蕎麦粒山・前黒法師岳 ほか
山域: 南アルプス深南部(大間川分水嶺周辺)
日付: 2026年5月16日〜17日
天候: 2日間とも晴れベース(朝は空気が澄み、展望良好)
コース
1日目
寸又峡 → 沢口山 → 蕎麦粒山 → 三ツ合山 → 房小山(テント泊)
2日目
房小山 → バラ谷ノ頭 → 黒法師岳 → 丸盆岳ピストン → 二ツ山 → 前黒法師岳 → 寸又峡
行動データ
距離:47.6km
累積標高:4,478m
行動時間:22時間53分
体力度
★★★★★(ロング縦走経験者向け)
目安としては、
長時間行動に慣れている
不明瞭ルート経験あり
笹漕ぎや急斜面に抵抗が少ない
方向けのルートだと思います。
一般的には2泊3日で歩かれることも多いコースです。
コース全体図

※寸又峡から沢口山、蕎麦粒山、三ツ合山、房小山、黒法師岳、丸盆岳、前黒法師岳をつなぐ時計回り周回ルート。
黒法師岳を中心に深南部の主要稜線を大きくつなぐような行程でした。
この山を選んだ理由
静岡の山を線でつなぐように歩いていると、
自然と何度も戻ってきたくなる場所があります。
自分にとって、バラ谷ノ頭から丸盆岳周辺の笹原は、まさにそういう場所でした。
今回の目的は、
深南部シーズン初期を歩きたかった
ヒル本格化前に入っておきたかった
五樽沢コルやバラ谷周辺の水場状況を見たかった
以前から「次は時計回りで歩きたい」と思っていた
そして何より、“最高条件の丸盆岳”を見たかった
というもの。
景色を見る山行というより、
「条件を合わせに行く山行」に近かった気がします。
コースの様子と感想
寸又峡〜沢口山
まだ暗い寸又峡をスタート。
朝の深南部独特の空気感が心地よく、
久しぶりのロング周回に気持ちが高まります。
沢口山までの登山道は比較的整備されていて歩きやすい印象。
沢口山からは朝日岳や大無間山が大きく見え、
これから歩く深南部の広がりにテンションが上がりました。
天水〜蕎麦粒山
この日、特に印象的だったのが天水からの景色。
これから歩く稜線が一望でき、
「あそこまで全部歩いていくんだな」と思うとワクワクしました。

シロヤシオやミツバツツジも咲き始め。
新緑の柔らかい緑に花の色が混ざり、この時期らしい景色でした。

蕎麦粒山からは富士山も綺麗に見えていて、
大無間山の大きな存在感も印象的でした。
三ツ合山〜房小山
三ツ合山を過ぎると、一気に深南部らしい空気になります。
痩せ尾根。
急斜面。
岩場。
そして広い笹原。
房小山〜バラ谷ノ頭周辺は、鹿道も多くルート判断が必要でした。
ただ、その“簡単ではない感じ”も深南部の魅力だと思っています。
房小山まで進めた時点で、今回の行程としては最低ラインクリア。
その後は無理をせず、静かに泊まれそうな場所を探しながら歩きました。

テント泊の夜
テントを張り、
さけるチーズとチキンで乾杯。
ほろよいを飲みながら眺める深南部の夕方は、本当に贅沢な時間でした。
夜中に目が覚めると、空には満天の星。
静かな笹原に風の音だけが流れていて、
「ああ、深南部に来たな」と改めて感じました。
バラ谷ノ頭〜丸盆岳
2日目は、日の出前に出発。
狙い通り、ちょうど良いタイミングでバラ谷ノ頭へ到着できました。
朝日が当たり始めた笹原。
浮かび上がる富士山。
奥に見える恵那山。
そして黒法師岳から丸盆岳へ続く、美しい稜線。
この時間帯の景色は、本当に素晴らしかったです。

過去最高クラスだった丸盆岳
黒法師岳を越え、丸盆岳方面へ。
振り返るたびに足が止まる。
笹原の向こうに重なる深南部の山々。
遠くには白山。
笊ヶ岳の稜線。
大無間山の大きな存在感。
空気も非常に澄んでいて、
「今まで歩いた中でも一番良いかもしれない」と思える丸盆岳でした。
初めて登ったのは東尾根から。
※初めて丸盆岳へ登った時の東尾根ルート記録はこちら
深南部を好きになるきっかけの一つになった山行です。
→「丸盆岳東尾根を直登|寸又峡から2泊3日“激薮+残雪”核心周回」
思い出の多い山ですが、今回また一つ強く記憶に残る景色が増えました。

コース状況・注意点(2026年5月時点)
沢口山までは比較的整備良好
沢口山以降は不明瞭区間あり
五樽沢コルの水場は細めだが利用可能
三ツ合山周辺は痩せ尾根・急登あり
房小山〜バラ谷ノ頭は笹原と鹿道が多くルート注意
バラ谷ノ頭周辺には比較的平坦地あり
バラ谷ノ頭〜黒法師岳は急斜面多め
黒法師岳〜丸盆岳は笹漕ぎ区間あり
黒法師岳北側斜面は崩壊進行中
黒法師岳から前黒法師岳方面への下降は尾根判断注意
1812mピーク付近は東側を巻くと比較的歩きやすい印象
二ツ山周辺は派生尾根多数
前黒法師岳登山口周辺は急斜面
GPS前提でも、ルートファインディング能力は必要だと思います。
振り返り
この周回を歩くのは8年ぶりでした。
当時はYAMAP記録も少なく、
紙地図とコンパスを頼りに歩いていたルート。
今はGPSが普及し、
呼び方も「深南部ゴールデンルート」として広がっている。
山そのものは変わらなくても、
歩かれ方は少しずつ変わっていくんだなと感じました。
それでも、バラ谷ノ頭から眺める笹原と深南部の稜線は、やっぱり特別でした。
静かな稜線を歩いていると、
「また戻ってきたいな」と自然に思ってしまう。
深南部は、自分にとってそういう場所なんだと思います。
関連記事
▶ 深南部ゴールデンルート 半時計回り周回記録
同じ稜線でも、歩く向きが変わると難しさも景色もかなり変わります。
▶ 丸盆岳東尾根から歩いた時の記録
あの静かな笹原と稜線は、今でも特に印象に残っています。
→「丸盆岳東尾根を直登|寸又峡から2泊3日“激薮+残雪”核心周回」
おわりに
静岡の山を中心に、
毎週末、稜線を歩いています。
派手な山よりも、
静かな山・深い山・条件を読む山行が好きです。
▶ マガジン「一座ずつ、山行記録」
▶ 2026年5月のまとめはこちら
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