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滋賀県の和歌の出来るまで ~和歌の推敲記~

滋賀県の歌枕を入れた歌が募集されている、和歌形式でもいけそう、
と昨年でしたか、和歌友に知らされまして、近江国の歌枕で和歌を詠みました。

採用はされなかったようですが、こちらの投稿歌と推敲過程を公開します。

ご自身で和歌をお詠みになる方の参考や刺激としてはもちろん、
歌詠みさんでなくとも、いち歌人が歌を詠み、推敲する過程に触れてみたいという方はぜひお楽しみくださいませ。




滋賀県の和歌の出来るまで ~和歌の推敲記~

おおまかな推敲過程

・近江国の歌枕や先例を調べ、それぞれの本意ほいを把握する。
・完成度を気にせず歌を詠む、詠みまくる
・推敲と削除を繰り返す


第1段階

雲ならし志賀の山越え空さえてあなたは雪にかきくらしつゝ
春と見る思ひなしにもあはれなり雪の花ちる志賀の山越え
旅人のすげのを笠もうつろひて霞に暮るる志賀の山越え
咲きかをる枝に重ねて咲きにほひ夕暮れ霞む志賀の花園
飽かじなほ匂ひ続けよ桜花夕暮れ霞む志賀の山路に
行く舟の跡をのこして花盛り志賀の水面に春ぞ残れる
暮れ色にはやなりにけり桜花重なり匂ふ志賀の山越え
これぞこの花の心よ曙のひかりにまよふ志賀の山越え
散るほどのあはれに耐へぬここちして急ぎ過ぎぬる志賀の山越え
まだうすき影ににほひをおこすなり志賀の桜のあかつきの空
千鳥なく近江の海に波たちて声をあはする夕暮れの風
さび果つる八十やその港にさわぐかなたづのもろ声山おろしの風
行く末は近江の海と白波のなかれて砕け散る涙かな
漕ぐ舟の真帆に波分けゆく跡に春惜しまるるにほうみかな
鳰の海をわたる霞に波たちて志賀の浦路に消ゆる釣り舟
秋立ちぬながらの山のやまおろしに乙女が袖もひるがへりつつ
衣手に雪の花ちる海人あま小舟をぶね志賀の浦路を分くるばかりに
霞たつ春にあふさか山こえてまだ白妙の杉林かな
散る花は霞に消ゆる夕暮れに音に波する志賀の浦かな
月影はみるめなぎさの波のうへに消えゆく雪の志賀の浦かな
沖つ波こほりにけらし月影も冴えまさり映る鳰の海かな
月を待ち千鳥しば鳴く宵のまに志賀の浦みを風吹き渡る
ありときく春は逢坂山にきて杉の木立も色まさりけり
ゆふつげに鳴く音もうとし逢坂の関守かたきみちと思へば


第2段階

春と見る思ひなしにもあはれなり雪の花ちる志賀の山越え
旅人のすげのを笠もうつろひて霞に暮るる志賀の山越え
咲きかをる枝に重ねて咲きにほひ夕暮れ霞む志賀の花園
行く舟の跡をのこして花盛り志賀の水面に春ぞ残れる
散るほどのあはれに耐へぬここちして急ぎ過ぎぬる志賀の山越え
寂び果つる八十の港にさわぐかな鶴のもろ声山おろしの風
鳰の海をわたる霞に波たちて志賀の浦路に消ゆる釣り舟
秋立ちぬながらの山のやまおろしに乙女が袖もひるがへりつつ
衣手に雪の花ちる海人小舟志賀の浦路を分くるばかりに
霞たつ春にあふさか山こえてまだ白妙の杉林かな
散る花は霞に消ゆる夕暮れに音に波する志賀の浦かな


第3段階

旅人のすげのを笠もうつろひて霞に暮るる志賀の山越え
行く舟の跡をのこして花盛り志賀の水面に春ぞ残れる
散るほどのあはれに耐へぬここちして急ぎ過ぎぬる志賀の山越え
鳰の海わたる霞を先立てて志賀の浦路に消ゆる釣り舟
衣手に雪の花ちる海人小舟志賀の浦路を分くるばかりに
霞たつ春にあふさか山こえてまだ白妙の杉林かな
散る花は霞に消ゆる夕暮れに音に波する志賀の浦かな


投稿歌

旅人のすげの小笠をがさもうつろひて霞に暮るる志賀の山越え
行く舟の跡を色にて花盛り志賀の水面みなもに春ぞ浮かべる
散る花は霞に消ゆる夕暮れのおとに波する志賀の浦かな 梶間和歌

投稿直前まで一首中で「残す」「残る」がかぶっていることに気づかないなど、うっかりしておりましたが、ぎりぎりで修正、無事投稿しました。


和歌をお詠みになる方の参考になりましたら幸いです。


和歌の推敲記


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この記事を書いた人

photo by ミカアンドロイド

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