『属人化には属人化で殴るしかない』? ROSCAFE PM知恵袋「正解がない中で、どう決める?どう乗り越える?」で考えたこと(2026年4月15日)

株式会社ナニカソン設立前の活動の記事です。新体制「ナニカソン・新規事業ユニット」のコンテンツとして引き継いでまいります。
おつかれさまです。W2ナニカソンです。
ROSCAFE PM知恵袋「正解がない中で、どう決める?どう乗り越える?」に参加してきました。ごく限られた範囲にはなりますが、そこでの気づきや手触りをお伝えいたします。
オープン社内報として、取り組み・思いを社内外に発信!
PM知恵袋…という形式
参加者巻き込み型でベストアンサーを決めていくイベントです。
以前、同じROSCAFEのOSTに参加させていただき、そこで紹介されていたイベントでしたが、OST自体がとてもよい場だったので深く考えずに勢いで参加ボタンを押してしまっていたものです。そう、軽率に!
会場に行ったら、前回のOSTでご一緒した記憶がある方の姿もチラホラあり安心。しかし「魔人」という名前が強過ぎるらしく、全体的に、こちらが覚えている以上に向こうが覚えている感がすごかったです。
PM知恵袋への挑み方(あそび方?)
PM知恵袋は、要するにベストアンサーをめぐる解決合戦です。
いや、たぶんこの解釈は違います、違うというか、誤解を招きます。ただ、違うのですが、そうでもあるとも言えます。ゲーム仕立てにすることで色々な狙いがあるようなので、むしろこの解釈でもよいかもしれません。
お断り
これは一度体験してみた内容から、いち参加者が記憶だけで書き起こしている輪郭です。そもそも、おそらく開催回を重ねるごとにルール自体もブラッシュアップされていくものでもあると思います。
ですから、ここで書いているものは、物凄く厳正なPM知恵袋の公式ルールではなくて、だいぶフワッとした「こんなかんじだったよ」レベルとあらかじめご認識ください。
ステップ1.お悩み相談
最初にお悩み相談が出ます。ただし、相談者は必死で相談しているのですが、なにせ悩みの中にいるので必ずしも適切に自分の悩みの本質を話していないかもしれません。そもそも、判断に必要になる背景事情をきれいに説明してくれるわけでもないし、なにを伝えなきゃいけないのかもわかっていないところがあります。……というテイにふさわしいぐらいの、ゆるっとした、でも生々しいお悩み相談が表示されます。生々しいのは、ある程度実話ベースのことが多い絡みたいです。
ステップ2.チームで検討
時間内に、チームの知恵を絞って、この迷える相談者に一筋の光明を示さなくてはなりません。しかし、開始後一定時間経過するまでは、質問などができません。なので、チーム内でどう解決策を出すか、作戦を立てます。ここでのやり方はおそらくいろいろあって、やっていくうちにもっとよいやり方に気づくみたいな側面もありそうです。
意識する必要があるのは、一定時間経過すると、一定のルール下での質問が許されるということです。その枠をうまく生かして仮説を強化し、本当の困りごとがあるならそこに迫り、ベストアンサーを探すことになります。
ステップ3.2種類の質問枠を最大1回ずつ
質問可能な時間帯になると、任意のタイミングで、ShortとLong2回の質問タイムを得られます。質問者が机にやって来て、その時間の間だけ掘り下げる質問などに答えてくれるのです。
この時間を有効に使って仮説を掘り下げたり裏付けしたり。
ただ、まあ、Longの方すらそこまで長くはないです。エレベーターピッチだと時間の中でいかに伝えられるか、になりますが、これは時間の中でいかに引き出せるか、がポイント。
また、このとき他のチームも質問のタイミングを狙っていて、早い者勝ちで占有されてしまうので、初動が遅すぎるとそもそも質問できずに終わるリスクもあります。

「判断が遅い!」
は、とにかく悪手なので、時間も気にしつつ、整わなくてもアドリブで食らいつくみたいな判断も必要です。というか、あまり想定しすぎて練りすぎるほうがドツボにハマるかもしれないですね。
回答をまとめる
ここまでの検討やヒントを元に、質問への回答をまとめます。ここ、どのくらいアウトプットルールが決まっていたか、危ういですが、基本、目の前の模造紙に書いてしまうみたいなやり方をしているチームばかりでした。
ただ、どうまとめるか自体は結構フリーフォーマット。検討時にガンガン付箋を貼ったり図にしていた者から、まとめだけは口頭でねじ込むチームもあったかもしれません。
参加者の慣れ具合などでさじ加減があるみたいですが、理想としてはちゃんと時間内にまとめる時間も逆算して織り込みつつ、仕上げようぜ! ということのようでしたね。
(1回目はあえてそのあたりがゆるめで、色々考えられていた感じ…)
より、しっかり知りたい方は
主催側の方の記事があります。
「概要」のあたりがルールブック的な部分をカバーしてます。今回はメダルはなかったような気もする。
この日の実践
レポート書くまでに時間が経ちすぎて、若干うろ覚えです。なんとなくこんなかんじだったんだな、位に、気楽にお読みいただければと思います。
ケース1.「いい人」が築く「要望の墓場」
まず、質問文の形でお題が投げられます。
皆のために「相談してね!」と要望を受け付けてたら、いつしか墓守みたいな存在になりはてていた、哀しくも優しい「いい人」PMの物語のようですね。(雑なのか雑じゃないのか、よくわからないまとめ)

チームも即席ですが、試行錯誤しながらワチャワチャ。

たしか、
バックログのようなシステムでのアプローチ
場づくりによる情報共有←私たちが出したもの
みたいな定石の答えをぶっちぎって、
「本当に、いい人でいたいの?」
のキラークエスチョンが織り交ざった回答が、質問者にぶっ刺さったと記憶しております。
理由としては、
「どの提案もよいけど、自分がまだ試していない…というか、気づいてなかった提案・視点だったから」
ということでした。
よく考えたら、
障害対応でも「すでに試したこと」って、真っ先に聴きますなぁ…
と、あらためて大事なことに気づかせていただきました。
ケース2.横たわる属人化の問題
2問目は、参加者の中から募集されました。ここでササッと悩みをぶつけられたらよかったんですけど、今、とっさに言葉にできない悩みが(色々な意味で)いつも以上にカオスでなんだかうまく言えないんですよね。というか、それがプロダクト開発の悩みか、プロジェクトマネージャまたはプロダクトマネージャの悩みかと言われたら、言葉に詰まるようなところもありましてね。
そして、ある方から飛び出してきたのがこれ!

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞむかしの 香ににほひける
勢いで百人一首を引用してみましたが、さすが勢いです。全然違う…!
文字だけ読むと「よくあるアレ」なんですが、「よくあるアレ」だからこそ、実際になにが起きているのか知らないと「うっすいアンサー」しか出てこない罠がありますよね。これは大変だ!
そして、短時間の中で今度は1回目よりは結構戦略を練って質問をぶつけたのですが、内容が内容のため、どうしても解釈の解像度が上がり切らなかった印象もありました。「そういう現場」にいたことがあるか、エンジニアか、そうでないか、というあたりでも結構差が出ていたように思います。
実際のところ、こちらの方が1回目より、咀嚼して話自体は引き出せたのではないかなとは思うのです。参加中は夢中でしたのでそう確信していたわけでもないですけど。
でも、1回目と比べても、この話し合いは混迷を極めました。
(き、決まらん! なんでだ!)
全然まとまりません。1回目は、チームで合意して一応の仮説をまとめるに至ったのに。
時間切れ寸前になっても、結論が出る気配はありませんでした。
なにも回答を出せないほどの負け回答もなかろう!
合意度が低くても、とにかく、なにか回答は出そう!
そう自分を追い込んで、ひらめき100%でとっさに走り書いたのがこれ。

厳密にはちょい時間オーバー気味だったと思います、すみません。
「属人化には属人化」
ちょっとわかりにくいですが、おそらく「目には目を」の構文が頭にありましたね。
1回目の発表時に発表者だったので、本当は他の方に機会を譲るのがセオリーです。しかし時間切れ+とっさにこれを書いてしまったので、2回目も自分が発表するしかない。当然、ほとんど考える時間もありません。
ただ。
ひらめいたからには、たぶん本当は脳の中には、もう必要な筋書きができているはずなのです。言語化が追い付いてないだけ。私は脳の処理を、おおむねそのようにとらえています。
大まかな方向性だけ確信しておけば、たぶん大丈夫。
というか、どのみち発表することは避けられない!
(なんだ、このひりひりするライブ感!)
他のチームからは、
AI使ったら…どうだろう!
例えばほら、こんな風にね!
のような、トレンドめいた話があったような気がします。それぞれに、この時間内に真剣に場の知恵を結集した、見過ごせない答えだとは感じたはず。
ただ、「発表順」って、場をある程度左右しますよね。
私たちのチームには、他のチームの結果を聴きながら、答えを微調整するギリギリのチャンスがありました。そして、それぞれの回答を聴いているうちに、自分の中で、じわじわ確信するものがありました。
限られた時間で知り得た課題の状況から、私自身がたどり着いた答えは、
「単なるAI活用だけで、この状況は打破できない」
という、確信に満ちた仮説でした。
質問者に状況をフカボリしている中で、
「AIでできることなら、ある程度すでに実践していそうだ」
と感じていたのもありました。
このあたりは、1問目の構造と重なるところもある考え方ですね。
ちなみにこの場の「ゲーム(ルール)」はよくできていて、発表順もチームの決断、行動によってある程度制御する余地がありました。「考えられてるなぁ」と、参加していて随所でワクワクさせられたものです。
それとは別に。私自身の経験則から、
「AI? たぶん、そうじゃない」
そんな気持ちがムクムク膨れ上がって来ていました。
もちろん、ゲーム上の答えを決めるのは、相談を持ち掛けた質問者です。私ではない。だからこんな確信にはルール上は大した意味はない。まあ、でも、だとしたら少なくとも「自分にとって嘘じゃない回答を伝える」これはじつはあまりにも明文化されていない、コミュニケーションと信頼の根幹にかかわるルールなのかもしれません。
というわけで、もう我ながらムチャクチャだなと思いながら、思いのたけをぶつけました。復元はできませんが、だいたいどんな思いを語ったかふりかえります。
実際には、必ずしもこの通りのことは話していません。特に中盤以降は、おそらく、ここまで踏み込んで言ってなかった気もします。言葉選びとしても、必ずしもこんな言い方していません。ただ、今記憶を掘り起こしつつ、あらためて言語化しなおしたらこうなりました。だいぶ強火です。
正直に明かせば、私たちのチームは一見わかりやすい回答には時間内にまったくたどり着けませんでした
でもそれが逆説的に、これは「そういう問題」なのだと気づくことになりました
つまり、ご相談のケースは、「もう燃えている」に近い状況ではないか、ということです、すくなくとも1つなにかすれば解決する段階ではない程度にはとっ散らかっています
であれば、もはや「平和な解決策で」「綺麗に」なんとかしようしても無理です
綺麗な手順で解決できるのは、そもそも「その程度には片付いている状況」の時だけです
「とりあえず思いつく」AI活用やツール活用は、この範囲からとびぬけられることは、ほぼありません
だから、AIとか、仕組みづくりでの「やったった感」に色気を出すのは今はやめましょう、できるようになってからでいいです
じゃあどうするか? 中途半端な理想に振り回されず、泥臭くやるしかありません!
そこでお伝えしたいのが「属人化」には「属人化」です
起きている問題は「属人化」の末路とも言えます、だったら対策も「属人化」をぶつけるのです
言語化しきれない、いわば「属人化」した経験則で、一つひとつ腐らず地道に根気よく叩き潰すのが早道です
つまり、それ(=「属人化」の腕力で殴る)ができる百戦錬磨の「いいエンジニア」を探してください
見つかったらなにをおいても最優先で、とにかく、なにがなんでも確保してください
使える全資源(予算とかの相談はできるって言ってた!)はその「人」に全注入し、よい関係を築いてください!
いつか落ち着いたら、自然と平時の解決策が通用するようになります!
どうやってそういう人に出会うのか? という疑問が当然あると思いますが、こればかりはスペックだけではわかりません
100%確実な方法も私は知りません(たぶんそんなものはない)
しいていえば、過去にヤバい現場を「逃げずに」「なんとかした」経験がある人を探す→実際に対話して、そもそもどう会話が続くか、信頼関係が築けそうか判断する、しかないです
最後は嗅覚が要ります、普遍的な解決策は出せません
ただ、そういうエンジニアは「相手が腹をくくっているか」を見抜くので、まず腹くくってください
いや、うん、ここまで言ってなかったと思いますよ。言ってなかったよねぇ…? 書けば書くほど「いいのかこんな回答で…」とも思いますが、やっぱり、何度考えても今の私から出せる回答は、こうなるなぁ。
ちなみに、私はこういう、いわゆる解決できる「いいエンジニア」の共通特性は、
「根気がある」
「執念深い」
「(あるラインを越えない限り)手段を選ばない」
「変なプライドを持たず、使えるものは使う」
だと思っています。
で、肝心の結果ですが。
なまじほぼアドリブだった分、嘘が混ざる余地が少なく、より魂がこもったところもあったのでしょう。ベストアンサーに選んでいただきました。
いや、いいのか…?
回答者さんがベストだと言うなら、よしとしよう!
「属人化」という命題と共に歩む
まさに、これよりも前に参加したOSTでも盛り上がった「属人化」。
じつはこれ、今私の中でもじっくり向き合いたい命題の一つとして、すごくホットだったのです。そのことを、再認識させていただく場にもなりました。
「見える化」「言語化」「属人化」…さも、手放しでよいことだったり、逆に忌避し、排するものであったりするように簡単に扱われがちな言葉ですが、私はそこに最近とても強い違和感を感じています。
「見える化」「言語化」できることなんて、そもそも最大まで取り組んでもきっと本当に大切な世界のほんの一部です。もちろん、それらは人間が便宜上最良の選択をする上では、とても大切です。「見える化」「言語化」は必要ですし、そこで得られた知見を軸に、本当に「属人化」を排することができたなら、それは未来に継承できる概念にはなり得ます。
でも、それがどれほど万能かと言われれば、怪しいものだと思います。頼り切るには危うい程わずかです。人間が解き明かすことができるものなんて、「その程度」とでもいうべきなのではないでしょうか。
その、頼りないけれど確実に手に入れた「手掛かり」を元に、結局は「言葉にしきれない」「誰も知らない」未知のなにかに、ずっとずっと対処していかなくてはなりません。
だから、場が混沌としたら、最後は自分を、あるいは誰かを信頼して、「属人化」した力で藪を切り開くしかないのですよ。だからこそ、常に、自分自身の脳の進化とと相談し、他者と話し合いながらなんとか進んでゆく。
その方法が、こういう学びのコミュニティなのだよなあ、と思います。
(W2ナニカソン・ワクワク魔人S)

