レパートリーが尽きなくなる。私にとっての調味料「塩+α」の "α"
こちらの動画にまとめていたように、
わたしの低温蒸し料理生活では
蒸す下ごしらえで、「味付け」ではなく「塩+α」をベースに「味を引き出す」をしていたら、
「レパートリーがない…」と悩むことが、すっかりなくなってきている気がします。
「塩+α」?レパートリーが尽きなくなる?
というのは、冒頭に貼った動画や、以下の記事で説明済のため
ここでは「α」素材(の中でも、スパイスではなくシード系)を、私がどうして選んで日々使っているか(栄養・味わい・食感など)をより詳しく記載。
上記の目次も適宜ご活用いただきながら、ご自身の低温蒸し料理生活を楽しむ上での、何かのきっかけにしていただけたら幸いです。
普段使っている「+α」素材一覧
まず前提。
「あまり馴染みのない材料もありますが、どのように食材を選んでいますか?」
のようなことを聞かれることが多々ありますが、
さまざまな問題意識(※)を踏まえて「より負担の少ないもの」を選び、
その中で「より効率よく栄養がとれ」「より満足感が得られる」かどうか
というのを基準にしています。

この背景には、様々な理由(※)から【オイル・砂糖・小麦・動物性原材料不使用】の食生活を選んでいることがあるのですが、
その中で、冒頭の基準を最優先に考え、試行錯誤を重ねる中で見つけてきたものが、レシピ・普段の生活で使っている食材です。
(※)環境問題や(社会全体・自分の)健康課題、食糧問題などを踏まえ、「生産〜食後の心身の状態」のどこかで感じる違和感や問題意識。

ひとりおひとり、好みや大切にしたいもの、置かれている状況は異なると思いますが、
まずはひとつの選択肢として、これらの食材を実際に使ってみることで、これまでとは違った気づきを得られるかもしれません。
そのうえで、ご自身でも情報を集めながら試していく中で、より心地よく食べられるものが見つかることが、
日々の食事や体調の変化、そして暮らしの変化にもつながっていくのでは、と思っています。

ここから
「最低限あると、私流低温蒸し料理が尽きなくなる」という「+α素材」(シード系)の
栄養価(エビデンス付き)
味わい
食感
などをまとめていきます。
各素材の解説の最後に、その+α素材を使ったレシピ一覧ページをのせていますが、
長尺動画でまとめていたように、まずは「"蒸す"下ごしらえ」の中で使う(蒸した後、「塩+α」で和えておく)という使い方が一番の基本になるので、
そこから取り入れ始めるのがスムーズです。
よく頂く質問は、本記事の一番下へ
① ヘンプシード

たんぱく質・良質な脂質を豊富に含み、鉄・カルシウムなどのミネラルや、食物繊維の摂取源にも。
必須アミノ酸を含み、脂質に関しては不飽和脂肪酸(オメガ6・オメガ3)
がバランスよく含まれる、という報告もある素材です。
参考文献:
Hossain, L., Whitney, K., & Simsek, S. (2026). Hemp seed as an emerging source of nutritious functional ingredients. Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 66(5), 933-949.
Karabulut, G., Feng, H., & Yemiş, O. (2022). Physicochemical and antioxidant properties of industrial hemp seed protein isolate treated by high-intensity ultrasound. Plant Foods for Human Nutrition, 77(4), 577-583.
アーモンドやカシューなどのナッツ系の香ばしさがありつつ、ヘンプシードならではの深みが。
塩、そして蒸し野菜の旨み・甘みと混ざると、その深みにバリエーションが出て、楽しみが尽きなくなるのが魅力の一つ。
ヘンプシードを使ったレシピ一覧:
② ココナッツファイン

食物繊維や良質な脂質(エネルギーとして利用されやすいものなど)を豊富に含むココナッツ。
参考文献:
Samarajeewa, U. (2024). Coconut: Nutritional and Industrial. Nut Consumption and its Usefulness in the Modern World, 63.
Shakeela, H., & Mohan, K. (2024). Unlocking a nutritional treasure: health benefits and sustainable applications of spent coconut meal. Sustainable Food Technology, 2(3), 497-505.
Duranova, H., Kuzelova, L., Fialkova, V., Simora, V., Kovacikova, E., Joanidis, P., ... & Gabriny, L. (2025). Coconut-sourced MCT oil: its potential health benefits beyond traditional coconut oil. Phytochemistry Reviews, 24(1), 659-700.
ココナッツミルクやココナッツフラワー、ココナッツフレークなど、世の中には色々な製品がありますが、
「+α素材として和え物に使いやすい(吸水し過ぎず、大きすぎず、馴染みやすい)のが、ココナッツファイン」という印象。
蒸し野菜等+塩と合わせて使うと、いわゆる「ココナッツ」という感じはなく、
チーズのような塩気や旨み、深みが広がります。
ココナッツファインを使ったレシピ一覧:
③ パンプキンシード(パウダー)

たんぱく質と良質な脂質(不飽和脂肪酸が中心)を多く含み、ミネラル(マグネシウムや亜鉛など)も補える素材。
参考文献:
Devi, N. M., Prasad, R. V., & Sagarika, N. (2018). A review on health benefits and nutritional composition of pumpkin seeds. International journal of chemical studies, 6(3), 1154-1157.
Habib, A., Biswas, S., Siddique, A. H., Manirujjaman, M., Uddin, B., Hasan, S., ... & Asaduzzaman, M. (2015). Nutritional and lipid composition analysis of pumpkin seed (Cucurbita maxima Linn.). J Nutr Food Sci, 5(4), 374.
市販でよくあるものは、緑のもの(殻から出されたもの)ですが、自宅でかぼちゃを丸ごと蒸して出るのは、殻付き。
殻はそのままでは食べにくく、かといって捨ててしまうのはもったいないので、
殻付きのまま天日干し→そのまま煎ってパウダーにすると( → 動画 )
驚くぐらいの香ばしさが嬉しい(&おかず・おやつ問わず使いやすい)「パンプキンシードパウダー」に変身。
+α素材として蒸し野菜と和えると、一口食べて思わずほころびるような、香ばしさ・味わい深さが広がります。
パンプキンシードを使ったレシピ一覧:
④ ホワイト / ブラックチアシード

食物繊維と良質な脂質(オメガ3脂肪酸)を豊富に含み、たんぱく質も補える素材。
参考文献:
Ali, N. M., Yeap, S. K., Ho, W. Y., Beh, B. K., Tan, S. W., & Tan, S. G. (2012). The promising future of chia, Salvia hispanica L. Journal of Biomedicine and Biotechnology, 2012, 171956.
Grancieri, M., Martino, H. S. D., & Gonzalez de Mejia, E. (2019). Chia seed (Salvia hispanica L.) as a source of proteins and bioactive peptides with health benefits: A review. Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety, 18(2), 480-499.
一般的には「チアプディング」として、水分と混ぜてとろみをつけ、プリンのように楽しむレシピが多い印象ですが、
蒸し野菜・塩と組み合わせて和え物にするのが、わたしの生活ではなじみ深い使い方。
チアシードならではの甘み・まろやかさがあり、蒸し野菜の旨み・甘み、塩気と合わさると、その味わい深さは圧巻もの。
蒸し野菜の水分を吸ってゼリー状になるため、和え物にしてから時間が経つほど、食感が変わっていくのも楽しみの一つです。
チアシードを使ったレシピ一覧:
⑤ ピーナッツバター(100%ピーナッツタイプ)

⇩の記事に(エビデンス付きで)まとめていたように、
たんぱく質と良質な脂質(不飽和脂肪酸が中心)を豊富に含む素材。
"出会い" から、使い続けている理由
参考文献もこちらで:
蒸し野菜・塩と合わせた時の、この上ない濃厚さと香ばしさは
まさに「おかずなのにおやつを食べているような贅沢感」を味わえるような仕上がりで
その魅力に感動しているお声が、一番多く届くほど。

ローストピーナッツや
ピーナッツパウダーもいい
ピーナッツバターを使ったレシピ一覧:
⑥ フラックスシード(パウダー)

「アマニオイル」の元になるタネ(亜麻仁 / 亜麻の実)で、
良質な脂質(特に、オメガ3脂肪酸)と食物繊維が豊富で、たんぱく質も含む素材。
参考文献:
Ganorkar, P. M., & Jain, R. K. (2013). Flaxseed--a nutritional punch. International Food Research Journal, 20(2).
Katare, C., Saxena, S., Agrawal, S., Prasad, G. B. K. S., & Bisen, P. S. (2012). Flax seed: a potential medicinal food. J Nutr Food Sci, 2(1), 120-7.
オイルの状態だと酸化しやすく、独特な香りが気になる印象だったものの、
(オイルではなく、シードの状態で)和え物などのおかずに入れると、鰹節のような香ばしさが広がり
おやつに加えれば、甘みを支え・深めるものとして、大事な役割を果たしてくれると発見。
それ以降はオイルではなく、シードそのものから広がる味わい・料理の展開を楽しみながら、無理なく栄養を摂取できるようになっています。

(塩+フラックスシード)の和え物
しずくのような形や、つぶつぶとした食感を楽しみたい時には、そのまま

スパイスカレーの隠し味に
より料理に馴染ませたい、(すりごまのように)香しい風味を強めたいときは、ミルでパウダーにして楽しむなど
用途や気分で、使い方を変えられるのも魅力。
チアシードと同じように、水分を含んで膨らみ、ゼリー状になるため、
時間とともに変わっていく食感にも、楽しみが広がります。
フラックスシードを使ったレシピ一覧:
⑦ ひまわりシード

たんぱく質・良質な脂質(不飽和脂肪酸)・ビタミンE・ミネラルなどを含む素材の一つ。
参考文献:
Puraikalan, Y., & Scott, M. (2023). Sunflower seeds (Helianthus Annuus) and health benefits: A review. Recent Progress in Nutrition, 3(3), 1-5.
Vasudha, C., & Sarla, L. (2021). Nutritional quality analysis of sunflower seed cake (SSC). The Pharma Innovation Journal, 10(4), 720-728.
蒸し野菜・塩と合わせると、ほんのり乳製品のようなまろやかさと
アーモンドやカシューのようなナッツ系の香ばしさをプラスしてくれます。
そして、ローストピーナッツのような、かりかりとした食感もあるので、「+α素材」として使うことで、柔らかめの蒸し野菜とのコントラストができ、
食感からくる満足感を高めてくれるのも、嬉しい点。
ひまわりシードを使ったレシピ一覧:
⑧ きな粉

たんぱく質や食物繊維に加え、カリウムや鉄などのミネラルも含む大豆。
参考文献:
Lozovoy, M. A. B., Bahls, L. D., Morimoto, H. K., Matsuo, T., & Dichi, I. (2012). Blood pressure decrease with ingestion of a soya product (kinako) or fish oil in women with the metabolic syndrome: role of adiponectin and nitric oxide. British journal of nutrition, 108(8), 1435-1442.
上原哲, & ウエハラサトシ. (2018). 日本食品成分表 (2017) から見た日常の食品中の栄養成分の分布. 香川短期大学紀要/香川短期大学 編, 46, 157-200.
より香ばしく、保存しやすい粉末にされたきな粉は
私の日常では、おやつよりもおかずに「+α素材」として使われることが多い印象。
合わせる蒸し野菜の種類によっても、その香ばしさや深みが変わるので
楽しみが尽きることは、まずなくなります。(他の+α素材でも同様)
きな粉を使ったレシピ一覧:
⑨ 白 / 黒/ 金いり(すり)ごま

不飽和脂肪酸(オレイン酸:オメガ9、リノール酸:オメガ6)を主に、たんぱく質、ミネラル(カルシウム・鉄など)etc…を含む素材の一つ。
参考文献:
Abbas, S., Sharif, M. K., Sibt-e-Abbas, M., Fikre Teferra, T., Sultan, M. T., & Anwar, M. J. (2022). Nutritional and therapeutic potential of sesame seeds. Journal of Food Quality, 2022(1), 6163753.
Anilakumar, K. R., Pal, A., Khanum, F., & Bawa, A. S. (2010). Nutritional, medicinal and industrial uses of sesame (Sesamum indicum L.) seeds-an overview. Agriculturae Conspectus Scientificus, 75(4), 159-168.
(白・黒・金など)色によって風味が違ったり、仕上がりの印象も変わったりするので、
気分や体調、用途によって使い分けが広がるのが、楽しい素材。
特に金ごまは、蒸し野菜にほんのひとつまみ加えるだけで、ごま油で炒めたような、あぶったような、スモークしたような…香ばしいというかなんとも深い味わいが出る印象。(語彙力が足りず、悔しくなるほどです…)
そして、蒸し玉ねぎや蒸しカブなど、水分が多めの蒸し野菜と合わせると
ほど良くなじんで、かつ贅沢な仕上がりにしてくれるのが
⑩ 白/黒/金練りごま

こちらも、いり/すりごまと並べながら、その時々で使い分けすると、
同じ「ごま」でも、全く違う料理として楽しめる、という魅力があるなと思っています。
ごまを使ったレシピ一覧:
⑪ ポップアマランサス

穀類の中でも栄養価の高さで注目される食材であるアマランサスは、
たんぱく質・鉄・マグネシウム・葉酸・カルシウム・食物繊維などを含むそう。
「ポップ」というのは、ポップ調理のポップ(ポップ "コーン" の "アマランサス" バージョン)で、
水溶性ビタミンを含めた栄養価を損ねにくい、手軽な加工法と報告されます。
参考文献:
小西洋太郎, & コニシヨウタロウ. (2016). アマランサスの食品栄養学的研究から見えてくるもの. 生活科学研究誌, 14, 1-11.
三宅妙子, 奥崎政美, 山口文芳, & 菅原龍幸. (1997). 食用アマランサスの食品成分の事例的分析 野菜として. 日本食生活学会誌, 8(2), 52-55.
こんな感じで驚くほど栄養価が高いのはもちろんですが、
なにより作る時の、ぽんぽん爆ぜるわくわく感、そして映画館やテーマパークに漂うような、香ばしい香りがまず嬉しい点。
「+α素材」として、蒸し野菜と合わせると、ナッツ系とはまた違った香ばしさと深み
そして、時間とともに「さくさく→ぷちぷち→もちもち」へと変わっていく食感も楽しめます。
※準備中のレシピ本にて
作り方などを掲載予定
⑫ 松葉パウダー

身近にある「松」の木の葉っぱで作るパウダー。
松葉は、タンパク質やアミノ酸、ポリフェノールが含まれるという報告があり、
グルタミン酸(旨みに関わるアミノ酸の一つ)・ケルセチン(抗酸化作用が報告される)も確認されているもの。
また、松葉に関する書籍からは、松葉を食生活に取り入れ、体調を整えるものとして、古くから活用されてきた背景がうかがえます。
参考文献:
Jeon, Y. H., Seo, J. E., Kim, J. H., Lee, Y. J., & Choi, S. W. (2021). Quantitative changes of flavonol glycosides from pine needles by cultivar, harvest season, and thermal process. Preventive nutrition and food science, 26(1), 100.
Huhn, G., & Schulz, H. (1996). Contents of free amino acids in Scots pine needles from field sites with different levels of nitrogen deposition. New Phytologist, 134(1), 95-101.
Näsholm, T., & Ericsson, A. (1990). Seasonal changes in amino acids, protein and total nitrogen in needles of fertilized Scots pine trees. Tree Physiology, 6(3), 267-281.
高嶋 雄三郎.(2022). 松葉健康法. ヒカルランド.
「ご飯を炊くときに混ぜ込んだり、味噌やたまり醤油などの調味料に入れておいたりすることで、混ぜたものに旨みや栄養をプラスする」
という使い方が、一般的にはよく見られますが、
「+α素材」としてまずは和え物に使うと、蒸し野菜の旨み・甘みと混ざって
より深い旨みがプラスされる印象。(鰹節だしを入れたような風味を感じることも)
※準備中のレシピ本にて
作り方・活用例などを掲載予定
FAQ
塩+αはどれくらい入れる?
どう組み合わせる?
何から始めたら…?
など、よく頂く質問への回答は、以下にまとめています:
あいり
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