苦しむ成人ギフテッドたちへ
今回はドロップアウト気味の成人ギフテッドたちに向けて苦しい状態から抜け出るための言葉を紡いでいきたいと思います。本記事での『ギフテッド』とは支援が必要な人という位置づけでの『ギフテッド』になります。
【心の話】苦しい状態から抜け出すために必要なこと
僕は、苦しい状態から抜け出す心の状態には2つあると思っていて、その一つは
①自責・自罰からも他責からも解放された状態
です
ギフテッドが孤立してしまう理由として
・(2Eなどの)発達特性が平均とのズレが大きい
・周囲との視座のズレがある
・他者の悪意を察して(妄想して)しんどい
などがあります
周囲と馴染めないこと
周囲から受け入れてもらえないこと
によって
過度に自分を責めてしまう
その逆に
自分を理解できない人たちに
攻撃的な対応を取ってしまう
こともあります
後者は特にIQテストを受けた時に
高い値が出てしまった人や
高学歴の人間が陥りやすいです
また、ギフテッドは思い込みの激しさから
親からの言葉で強い呪縛に囚われてしまう時があります
孤立して精神的に苦しみ
ドロップアウトしてしまった時に
親のせいや社会のせいにして
苦しみの原因を外に求め続けることで
結果的に自分の人生を動かせなくなってしまいます
僕自身もドロップアウトしたことに関しては
母の影響が大きかったと考えていますが
その現実を受け入れるというか肯定することが
スタートラインに立つためには必要だった
と考えています
自分が悪い・誰々が悪いという思考から
解放されるということは
自分が苦しい状況に陥った原因を
客観視できるようになるために必要なステップ
であり
それにより原因と向き合いながら
解決策を模索していくことができるようになります
僕が苦しんでいた時期と現在が決定的に違うのは
noteをはじめとしてギフテッドに関する情報が増え
『自分が苦しんだのは、自分の努力不足でも
自分に問題があった訳でもない』
ということに気付きやすくなっていることです
ギフテッドの人たちは
周囲に理解されない・受け入れられないことで
自分が悪いと考えてしまいやすかったり
また『より善い状態を目指そうとする性質』により
周囲と衝突したり傷つけてしまうことにより
自分を責めてしまう状況に陥りがちですが
誰々が悪いという思考から解放されることが
苦しい状況から抜け出すためには大事ですね
苦しい状態から抜け出す思考状態のもう一つは
似たようなニュアンスに感じるかもしれませんが
②どちらが正しい・間違っているという思考からの解放
です
ギフテッドの人たちが抱きがちな心理として
・絶対的に正しい真理を探そうとする
・人はどう生きるべきか、どうあるべきかを自分に問う
ところがあります
要するに『哲学』にハマりやすい訳です
自責的なタイプは自分自身の言動に対しても
筋が通っているか?矛盾がないか?
を突き詰めようとして苦しみます
ある程度大人になると
社会は理想通りには動かないことや
人間とは矛盾を抱えながら生きるものであることを
受け入れられるようになるのですが
特に青年期には
自身や社会が矛盾を抱えながら生きていることに
葛藤や怒りを覚えてしまうことがよくあります
どうあるべきか、最善を追求する性質が
どちらが正しくてどちらが間違っているという
白黒思考に陥らせ
相手の矛盾点を指摘してしまうことで
対人関係も健全に育むことが難しくなります
現実の社会では、多くの人が「正しさ」よりも、
・自分の感情が納得するか
・誰が言ったか
・一般的な世間イメージ
を重視して動いているため
それとは違う意見を表明することは
いい結果を生みにくいです。
複数の選択肢が現れた時に
どちらがより善い選択かを追求できることは
本来は長所ではあるのですが
その結果
○○すべきである
○○しなければならない
と自分にも周囲にも強要して
苦しめることになりがちです
この状況から抜け出すためには
・多くの問題には、唯一の絶対解が存在する訳ではない
・どのメリット・デメリットを重視するかで何が正しいかは変わる
・つまりは人によって正解は変わる
ということに気がつくことが必要です
どちらが正しいか・間違っているかから解放されて
自分がどうしたいのか?周囲の人はどうしたいのか?
を尊重できるようになると
対人関係は改善されていきます
自分の考えが正しいかどうかは他者との『対話』を通してでしか分からない
これは哲学者のヤスパースの考え方に近いです
何が正しいのか?というのは
自分の内側を探索しただけでは分からなくて
自分の見つけた答えを言語化して伝えて
他者の理解が得られることで証明されます
他者からのフィードバックを受けることにより
自分の考えに足りていない視点が追加されて
より正しいと思える方向へ
軌道修正することが可能になります
そして適切なフィードバックをもらうためには
その相手との人間的な信頼関係が必要になります
この人にフィードバックをすれば
より善い方向へ軌道修正してくれるという
信頼関係が必要なのですね
『自分が正しい、あなたは間違っている。
○○すべきである』と声高に叫んでも
そうした信頼関係を築くことはできません
適切なフィードバックがもらえない状態だと
自分自身の抱える認知の歪みを
修正できないままになってしまいます
他者と信頼関係を築くことによって
自身の考えを柔軟に変えていくこと
自分はどうしたいのか?
相手はどうしたいのか?
を尊重しつつも
より善い状態へと進んでいけるようになること
何が正しいか?間違っているか?
という思考から解放されることで
相互尊重コミュニケーションができるようになり
周囲から受け入れられて生きるのが楽になっていきます
自身のIQ検査で高い値が出たことに縛られて
自分のことを理解できない周囲を呪おうとせず
自分から周囲を理解しようとすることも大事ですね
他者と良好なコミュニケーションが
取れるようになってはじめて
自身の能力が生かせるようになるのです
これまでは【心の話】でしたが
ここを整えることはスタートラインに過ぎません
【体の話】苦しい状態から抜け出すために必要なこと
僕自身、精神病院に長期入院し
27歳無職奨学金借金500万円の状況から
障害者雇用を経て再起してきましたが
『人生に一発逆転はない』と強く思います
目指すべき先(社会復帰)が1000歩先にあるとして
そのゴールの遠さに絶望しながらも
一歩ずつ前進していける人は少ないと思います
情報が溢れている現代社会では
どこかに一発逆転できる道があるのではないか?を
模索してしまいがちです
これは投資にも通じるのですが
長期積立インデックス投資が投資の最適解ですが
それは非常に地味でつまらないものです
一発逆転のギャンブル投資(投機)への
誘惑が常に付きまといますし
SNSではそうした情報に溢れていますが
地道な積み上げの方が勝率が高いのです
成長して苦しい状況から抜け出すには
・理論よりも実践を重視し、よい行動を習慣化すること
・行動し、出た結果を反省し、次の行動で改善していくことを地道に積み上げる(PDCAならぬDCAPサイクルを回す)
ことが大事です
たとえば『ありがとう』は幸せを呼ぶ言葉
という理論を知っていることと
実際に周囲の人に感謝の気持ちを自然に伝えられること
は天と地ほどの開きがあります
こうした良い行動を『習慣化』していくには
意識を地道に変化させていくことが必要です
ここでは心を整えると同時に整えていくべき事を
5つ挙げていきます
③助けを求められるようになる
④栄養状態を整える
⑤睡眠を整える
⑥体を鍛える
⑦経済状態を整える
③助けを求められるようになる
成人したら『自立』しなければならない
と考える人は多いと思いますが
『自立』というのは
人に頼らずに生きられることではありません
・困った時に助けを求められること
・誰に助けを求めたらいいかを知っていること
・助けてもらった時に感謝の気持ちを伝えられること
・助けてもらった恩に報いられるよう努力できること
・人を助けようとすること(利他的に生きること)
です
ドロップアウトした時には
自力ではどうしようもない壁に
絶望的な気持ちになります
ですが
歯を喰いしばって努力していると
どこからか助けが入って
その壁を乗り越えられることがあります
人は何かをした時にいい結果が得られると
その行動を次も取ろうという動機が強化されます
ここに挙げたことを実践できると
助けてくれた人にとって『いい結果』になるため
より多くの助けを得られるようになります
福祉サービス・生活保護・障害年金・親の助け
こうした援助を受けながらも
自分を甘やかさずに努力していると
その姿勢がさらなる援助を呼び
事態が好転していくことがあります
④栄養状態を整える
ギフテッドの発達特性のズレは
神経伝達物質や代謝機能が
標準とズレていることに起因している場合があり
体に何かしらの脆弱性を抱えていることがあります
こうした特性は
栄養状態の改善で状況が良くなることがあります
現代は栄養学の進歩によって
『体にいい食べ物は人それぞれ違う』
ことが明らかになってきました
高額な検査を受ければ
それが何かは分かるのですが
ドロップアウトして経済的に厳しい状況では
それも難しいので
・自分が何を食べた時に調子がいいか?
・何を食べた時に調子が悪くなるか?
・時折無性に食べたくなる食べ物は何か?
を地道に検証していくことが大事です
また
・タンパク質を摂ることを意識する
(人間の生命活動のあらゆる素材となる)
・糖や脂質は中毒性があるため体が欲しているかに関しては切り分けが必要
・食事により腸内環境を整えることが大事
という点も注意してください
僕を例に挙げると
昔から自覚があったのが
『ビタミンB群を含む食べ物(豚肉など)を欲すること』
でした
分子栄養学独学ガチ勢の奥さんに
(医者に家庭教師を依頼されたことがある)
健康診断の血液検査の結果を見てもらっても
その傾向が見て取れたらしく
今はサプリメントでビタミンB群を補給しています
⑤睡眠を整える
充分な睡眠を取れるようになると
精神状態にいい影響を与えます
睡眠不足は脳のキャパを圧迫し
頭が回りにくくなってしまいます
寝具をいいものに変えるなどして
睡眠の質を改善するのもいい手です
食事・睡眠が整うと
心も回復していきます
⑥体を鍛える
僕自身もドロップアウトした時に
体力がどん底に落ちることを経験しています
体を鍛えないと何もできないと考え
トレーニングに励みました
強い精神は強い肉体に宿ると言うように
体を鍛えることは心にもいい影響を与えます
また、ドロップアウトした時には
短時間勤務からでもいいので
体が鍛えられる仕事を選ぶのも有効ですね
⑦経済状態を整える
親が頼れない状況だと経済面を整えるのは
非常に厳しいのですが
生活保護や障害年金を受給して
経済面が安定してくると
心にいい影響を与えます
『貧すれば鈍する』の格言もあるように
日々の支払いに追われることは
脳のキャパを圧迫することになり
よく考えずに行動して失敗することが増えます
経済面が整えば
自身を成長させることや
仕事に取り組むことに集中しやすくなり
より経済的な安定を得られるサイクルに入ります
食事や睡眠を整えようとすると
どうしてもお金がかかりやすくなりますから
これらを整えることは
『言うは易し 行うは難し』です
これらを整えていくことは
地道な地道な積み上げの繰り返しが必要ですね
僕の場合はドロップアウトした時に
大手スーパーマーケットに障がい者雇用で入れたのは
良かったと思います
・体がある程度鍛えられる
・栄養学の知識が得られる
・一定の収入が得られる
小売業はブラックな業界のイメージがありますが
僕の勤めている大手スーパーでは
サービス残業をしたら懲戒処分を受ける程度には
ホワイトな会社ですね
最後に
苦しい状況に陥った時でも
心や体を整えることで
抜け出すことができる確率が高まります
人生に一発逆転はなく
地道にコツコツ積み上げていくことが必要です
同世代の人たちとの距離を離されて焦りますが
人の成長は重い物体を押して加速させるのと似ています
必死で押しても全然前に進みませんが
ずっと力を加え続けていくと
徐々にスピードが加速していき
事態が好転していきます
一生懸命頑張っていると
手伝ってくれる人が現れやすくなりますから
絶望せずに前を向いて生きて欲しいと思います
今回はここまで!
ではまた!
本記事の続編です↓ 2026年7月3日
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ドロップアウト状態からの社会復帰の記録全7回
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