クリームソーダで眠れない
クリームソーダという飲み物には不思議な力がある。
コーヒーなら「どうぞ」と言われた瞬間に飲み始めるし、水に至っては運ばれてきたことすら意識していない。
クリームソーダだけは違う。
店員さんがテーブルへ置いた瞬間、飲み物ではなく昭和へトリップするアートになる。
緑色のソーダの上には、雲みたいに白いアイスクリームが浮かび、そのてっぺんには赤いさくらんぼが一本の旗みたいに刺さっている。
子どもの頃から何度も見てきた景色なのに、いまだに「おお」と思ってしまう。
50歳近いのに「おお」である。
少し情けない気もするけれど、クリームソーダの前では年齢というものがあまり役に立たない。
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