【つながる旅行記#444】こんぴらさんで『アフリカゾウの謎』を追求する変人【鼻】
前回は善通寺市から琴平町へサクッと移動し、金刀比羅宮(こんぴらさん)目指す途中の横道で琴陵宥常(ことおかひろつね)について知った。
では、また階段を上っていく作業に戻るとしますかね……。

おっ!? よく見たら大門がもう見えるぞ!?
実は意外と進んでいたのかも!


(金毘羅信仰を広める別働隊みたいなものらしい)




さて、階段ゾーンが終わったと思ったら、何やら結構な歩行ゾーンが始まった。
横にはこんぴらさんに寄付をした人の石柱が延々と連なっている。

どうやら寄付金額の記載もされているようだが、50万円のものもあれば200万円のものもあったりと、実に様々だ。
そして寄付者の住所も四国だけでなく北海道の人もいたり、これまた幅広い。

中には会社名や役職を記載したものもあった。
ある意味で、これは会社の宣伝にもなっているのかもだ。
しかも石なので相当長い期間残り続けるだろうし、有名観光地なら多くの参拝者の目に触れるはず。
そう考えると、これってテレビCMを打つより安上がりなのでは……!?
(いや、そういう目的で石柱を大量に増やしたりしたら、今はSNSで叩かれるか……)

そしてまた階段である。
なるほど、こんぴらさんまでの785段というのは、途中に結構な歩きゾーンを加えてのものだったんだな……。
とはいえ、ずっと階段よりは平地を挟んでくれた方が個人的に楽ではある。

さてさて、なかなか広い場所に出たので上に登る前に辺りを散策してみよう。

さっそく見えてきたのは巨大なプロペラだ。

どうやらこれは今治造船の自動車運搬船に使われていたプロペラらしい。
ここは海の神様を祀っているので、こういう物があってもおかしくはないのだ。
いやしかし、これをこんな山の上まで持ってくるのって相当な手間がかかったのでは……?

看板を見ると、19.2トンだそうだ。
この重さは大型輸送ヘリですら厳しそう。
うーむ……
これはもう未知の技術ですね!!(思考の放棄)

そして唐突に『アフリカ象』がいた。
さすがにこれは海と関係ないと思われるのだが、一体なぜアフリカゾウがこんぴらさんに……?
実はこのこんぴらさんが鎮座する山々は『象頭山』と呼ばれてきたようで、だからゾウの像が置いてある……っぽい??
なお、そう呼ばれた頃の山の姿は、歌川広重の『六十余州名所図会』の『 讃岐 象頭山遠望 』に描かれている。

「たしかにこれはゾウだわ」と思うと同時に、「胴体部分が禿げすぎだろ」という感想を抱くわけだが、実はかつての日本は禿山だらけだったのだ。
そういう事実がわかるのも浮世絵の良いところである。
そしてゾウといえば、自分は福岡市動植物園にて『アフリカゾウとアジアゾウの見分け方』を学んでいる。
よし、この像が本当にアフリカゾウなのかを検証してみようじゃないか……!


まずは耳だ。
アフリカゾウの耳はアジアゾウより明らかに大きい。
そういう意味では、これは耳の形の時点でどう考えてもアフリカゾウである。
だがしかし、鼻を見ると……?

こ、これは……突起が一つ!?
そう、これは明確にアジアゾウの特徴なのだ。

そして現地の写真がないのであれだが、アジアゾウの背中はなだらかで、アフリカゾウの背中はくぼみがある。
以下のブログにある横からの画像を見るに、どちらかといえばこの像はアジアゾウに近いといえるだろう。↓
つまりこれは……
なんなんですかね……?
ここで資料を追加しよう。
この像の奉納者である樽谷鹿太郎は、戦争中に処分されるなどして日本に動物がいなくなった時代に、個人で動物を輸入して『世界動物博覧会』という移動動物園を全国で興行した人だという。
そして、それについてのほぼ唯一と言っていいネット記事に当時の写真があるのだが、そこに写っているのはどう見てもアジアゾウなのである。↓
いやもちろん、この写真に写っているゾウはアジアゾウなのだが、別でアフリカゾウがいた可能性はある。
あるいは、「興行ではアジアゾウしか見せられなかったから、こんぴらさんではアフリカゾウを見せてあげたい」みたいな想いがあったのかも……?
そして別方面の可能性として、この像は昭和30年(1955年)に奉納されたのだが、制作当時はアフリカゾウの情報が足りていなかったのかもしれないのだ。
なにせ日本に初めてアフリカゾウがやってきたのは、1953年のサーカスが初めてと言われているのである。
銅像の制作期間を考えると、アフリカゾウの特徴である大きな耳だけでも像に反映できたのは凄いことなのかも?
(下記資料の情報が真実だとすると、やはりアフリカゾウは移動動物園にはいなかったことになるのだが……)
【Captive Elephants in Japan: Census and History】:
https://digitalcommons.wayne.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1114&context=elephant
※4ページあたりに記述あり
とはいえ、奉納者自身が『アフリカ象』という名前で奉納しているんだから、これはアフリカゾウなのだろう。
どういう経緯があったのかは情報が足りなすぎるが、こういうことに思いを馳せるのもまた一興……!

ではゾウについての謎の深掘りを終えたところで、また階段を上っていくとしようか。
運動だけでなく知識の補充もしつつ、このあとご利益も得られるのだから、参詣というのは最強のアクティビティなのかもしれない。
次回へ続く!!
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