【つながる旅行記#430】すさまじい『受胎告知』ラッシュを見つつ、お気に入りを探す【大塚国際美術館】
前回は大塚国際美術館の地下3階ゾーン(中世・古代)を2時間かけて見た。
さて、良さげなカフェをスルーしてたどり着いたのは、ルネサンスの展示だ。


まずは2.6m×3mの『受胎告知と二聖人』(シモーネ・マルティーニ)がお出迎えである。
なお、このシーンは大天使ガブリエルが聖母マリアのもとに舞い降りたシーンなわけだが、解説によると「マリアは当惑しつつ上半身をひねり、恥じらっている」らしい。

(は、恥じらってるか……?)
なんだか個人的にはめっちゃ訝しんでいるというか、嫌悪感すら抱いてそうな表情に思えるわけだが、まあでもこの頃の表情の描き方はこんな感じだったのかも……?


……いや、やはり聖母たるもの、人間に寄せすぎた表現なんてさせようものなら信者からクレームが入るという事情があるのかもしれない。
こりゃ宗教画界隈も楽じゃなさそうである……。
※(すべて妄想です)

さて、こちらはフィリッポ・リッピの『受胎告知』。
相変わらずマリアの表情はよくわからないが、こっちはガブリエルが微笑んでいるような。

そしてここから怒涛の『受胎告知』ラッシュが始まる……!!





いや多いな『受胎告知』!!
まあ聖書においてはめっちゃ大事なシーンだから、人々に教えるために絵も大量に描かれたんだろうけども!
次は!?

はっ……!
自分でも知っているこの作品は……!

そう、こちらはあのレオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』だ。
本物は1m×2mのサイズだったのか……!


そして既に只者ではない雰囲気を放つ聖母マリアだが、お腹に巻いた金色の布は、聖母の純潔を表すレオナルド固有の記号らしい。(わかるわけがない)
だが彼がまだ20歳くらいの頃に描いたこの作品でも、自身のオリジナリティを入れ込もうというスタンスを持っていたということはわかる。
やはり伸びる人間は若い頃から違うってこと……!?

ではここで、個人的に気になった『受胎告知』を3つ発表しよう!!
絵画鑑賞の方法には色々あるが、「自分がなぜか惹かれるもの」を探すのも楽しいからね!
まず1つ目は、『受胎告知』(フェデリコ・バロッチ)!!

見てくださいよ、この柔らかな微笑みを浮かべる聖母マリアを……!

いやまあ、明らかに他が無表情すぎる反動で気に入ったとしか思えないわけだが、自分の部屋に置くならこれだよね!(置けない)
では2つ目!『受胎告知』(ロレンツォ・ロット)!!

これはもう異色すぎて目が離せない!
なにせ今までの受胎告知は横並びで聖母マリアと大天使ガブリエルが描かれているものばかりだったのだが、こちらはまさかの前後の配置なのだ。
そして天使のボウリングのような謎ポーズよ!!

更にその上を見ると、まさかの神が!?

何やらビームを放ちそうなポーズをとっている神だが、どうやらこれは猫を追い払っているらしい。

そう、昔は絵画の中に描かれた猫は『悪の象徴』とされており、だからこそ神はそれを遠ざけようとしているのだ。
そしてそんな中で、聖母マリアはというと……!?

何だそのポーズは!?
なんだか大変そうな神や天使は放置して、絵を鑑賞する私たちの方に「こりゃ大変☆」とばかりに心情を伝えてくれている聖母マリア。
あ、あまりにも他の受胎告知と違いすぎる……!!
(でもそこに惹かれる)

そして最後は『受胎告知』(ティントレット)!!

まずひと目でわかるように、今までに見てきた静かに天使と対峙する描写は欠片もない。
天使は凄まじい勢いで家屋に侵入してきており、マリアはその様を見て明らかな驚愕の動作をとっているのだ。


ちなみに、絵の左の方にいるのはマリアの夫である聖ヨセフらしい。

そしてこの絵が描かれた背景には、宗教改革が関わっているそうな。
プロテスタント側が聖母マリアの聖性を否定した結果、カトリック協会側は「聖母懐胎は明確な神の意志!!」ということを伝えるために、このような勢いが凄い絵にすることで『神の意志』を強調したという。

なおこちらの絵のサイズは、4.2m×5.4mである。
是非とも実物を見に行って、聖母マリアと同じような驚きを体感してほしい……!
というわけで、これでも全部紹介しきれていないという圧倒的ボリュームな、大塚国際美術館の『受胎告知』シリーズでした。
でも受胎告知は今まで特に興味がなかった題材だというのに、こうして実物大の陶板画と対峙すると非常に興味深い対象に変わったのを感じる。
やっぱり実物大で鑑賞するのって大事だわ……!!
しかしルネサンスの展示は始まったばかり。
そう、ここからは誰もが知る有名絵画たちが大量に押し寄せてくるのである。
次回へ続く!!
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