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【つながる旅行記#432】バロック絵画の興味深い世界を味わい、どんどん時間が溶けていく【大塚国際美術館】

前回はラファエッロやレオナルド・ダ・ヴィンチの絵とともに、ピーテル・ブリューゲル(父)の良さを知った。

さてさて、ルネサンスを終えて、時代はバロックへと移る。

でもバロックってなんだろう。

壁にあった解説を読むと……?

バロック美術は大建築と、巨匠たちの絵画の時代である。

一般にバロックと呼ばれる17世紀から18世紀前半、ヨーロッパでは今日あるような国家体制が固まり、各民族を代表する美術が初めて誕生した。

それは、ルネサンスを基盤としつつ、さらに広く現実的な次元へと発展させたものである。
バロックにおける様式上の特質は、何よりも自然主義と力強い運動感やダイナミズムがあげられる。

理想化されたルネサンスとは対照的に、自然な表現を求め、光と影、情景やポーズ、材質感によってリアルな印象を与える。
しかも単なる写実ではなく、自然主義の意匠に寓意、象徴、諷刺などを偲ばせ、個性や情感を巧みに捉え、神話や宗教上の人物の苦悩や陶酔にも豊かな表情を授けたのである。

バロック美術とは

・・・

なるほどね!!!


(……? 🤔)


あっ、レンブラントの『夜警』だ!(サイズは約3.6m×4.4mと巨大)

バロックとは何なのかは置いといて、やっぱり知っている絵画に遭遇するとテンションが上がるね!

そしてなんだこの『』……いや、『』だろうか……?

調べてみると、これは実戦用武器というよりは地位を表す意味合いが強い、儀礼用の槍(パルチザン)だそうだ。


また、題名の『夜警』というのは通称であって、実際には『昼に副隊長が出勤するシーンを描いた絵』という事実が判明したとかなんとか。

どうやらニスが劣化して黒くなったことで、夜の絵だと思われるようになったそうだ。

へぇ……。(全然知らなかった)


さて、こちらもレンブラントの作で、題名は『トゥルプ博士の解剖学講義

いやはや、こんなにも写実的に解剖中の様子を描いている絵が存在したことに驚いた。(宗教画でもなく、肖像画でもないのに)

なお、これが描かれたのは1632年とのことで、この頃オランダの外科医師会では、年に1回犯罪者の遺体を使った公開解剖が行われていたようだ。

(日本で初めて許可を得て行われた人体解剖は1754年の山脇東洋によるものなので、100年以上の隔たりがある)


しかしもはや実写だろと思えてしまう仕上がりだが、当時の日本人がこういう絵画を見たときの反応はどんなものだったのだろうか……?

いや、思えばこうした写実の衝撃が、1771年に杉田玄白たちを動かしたのか。

解剖書であるターヘル・アナトミアの挿絵を見た杉田玄白が、思わず実物と照らし合わせたくなって刑場にまで向かったのは、その生々しい写実性の影響が大いにありそうだ。

こりゃ芸術の力が日本の医学に影響を与えたといえるのかも……!?


おや、システィーナ・ホールを上から眺められる場所があった。

ここは地下2階なので、地下3階のシスティーナ・ホールがこんな角度で楽しめるのだ。

というかこれ、本物のシスティーナ礼拝堂では見られない光景なのでは?

お得……!!

しかし規格外のサイズもそうだが、描き込み量も尋常じゃない。

ミケランジェロ凄すぎるだろ……。

これが表している物語は正直わからないが、それでも圧倒されている自分がいる。

これが日本で気軽に見に行けるのは本当にありがたいことだなと。


また展示に戻り、こちらはベラスケスが描いた有名な作品である『ラス・メニーナス(女官たち)』だ。(約3.2m×2.8m)

中央にいる少女が皇女マルガリータで、その周囲には女官たち。

そして左で絵筆を持っているのが画家のベラスケス本人とのこと。

だがそうなると『ベラスケスは巨大なキャンバスに何を描いてるの?』という話になってこないだろうか?


……その答えは、彼の後ろに見えるにあるのだ。

ベラスケスの右にある鏡の中に映るのは、国王夫妻だ。

つまりこれは、ベラスケスに描かれている最中の『国王夫妻の視点から見た景色』を描いているということらしい。

な……なんだか難解なことをしてるなベラスケス!!

そしてこちらもベラスケスの作品で、題名は『バッカスの勝利(酔っ払いたち)』である。

いやもうね、この絵はおっさんたちの表情が良すぎる……!

あいにく自分は酒耐性がなさすぎるのでこの中に加わるのは無理だが、こういう日常風景を感じる絵も良いものだ。

(まあこれも神話の一場面ではあるらしいのだが)


そして何やら不思議な雰囲気を纏っているこちらの絵は、フセペ・デ・リベーラによる『髭のある女(マッダレーナ・ヴェントゥーラの肖像)』である。

『髭のある女』……?

いやどう見てもこれは男……いや、確かに大きな乳房があるぞ!?

そう、この絵の中央に描かれているのは実在の人物であり、37歳の頃に突如あご髭と口ひげが生え始めた女性なのだ。(描かれたときの年齢は52歳)

隣にいる男性はこの女性の夫らしいのだが、妻に突然男のような髭が生えてきたときは、そりゃもう驚いたことだろう。

(なお考えられる要因としては、『後天性のアンドロゲン過剰症(PCOSまたはアンドロゲン産生腫瘍)によるホルモン異常』という話があるが、これが正しいのかは不明)


しかしこの絵が描かれた1631年には、ホルモンがどうのこうのなんて原因は想像もしないことだろうし、色々大変な思いもしたんだろうな……。

そして数多くの絵が世の中に存在する中で、これをチョイスする大塚国際美術館のセンスも凄い。

いや待てよ……?

大塚製薬ということを考えると、医学的な側面からこの絵をチョイスしている可能性があるのかも!?(たぶん深読み)


そんなわけで、興味深い絵画との出会いを味わいつつ、時刻は13時を回った。

入館から3時間が経ったというのに、いまだに地下2階にいるというのはまずい予感がしつつも、やはり選びぬかれた名画たちを素通りすることなどできず、時間がどんどん溶けていく。

正直自分は美術知識も全然持っていないし、美術の先生に「絵が下手だな」と言われたことを微妙に引きずっているような人間なのだが、大塚国際美術館はやっぱり他とは違うのかもしれない。


さあ、美術館の閉館まで残り4時間

果たして自分は地上2階までたどり着くことができるのか。


次回へ続く……!!


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