【つながる旅行記#428】圧巻のシスティーナ・ホールと、ヤンさんの謎【大塚国際美術館】
前回は美術館が開館するまでの間、ちょっとだけ散歩をすることにした。

まあ最終的に、ちょっとした散歩とは思えない距離になったわけだが、急いで今日のメインコンテンツである大塚国際美術館に向かうとしよう。






とまあそんなわけで、どうにか戻ってきました!!
なんだか世界各国の国旗がはためいていて、何かの国際機関かと思ってしまったが、ここが大塚国際美術館の入口である。

では、自分は前売り券を持っているのでさっさと中へ。
どうやら長いエスカレーターに乗って美術館に向かうようだ。
(ちょっとだけ九州国立博物館を思い出す)

そして、
まず最初に入った部屋がこちら……!!



ひゃあ……(絶句)
これはバチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂を再現した、『システィーナ・ホール』だ。
正面には壁全体に広がる『最後の審判』。
そして天井にも、尋常ではない量の旧約聖書の物語が描かれている。








なにやらよく見たら変な場面もいっぱいあるぞ!?
いや、これらも聖書を見ればもちろん元ネタがあるのだ。
つまり聖書を知っている人間にとっては、壁と天井に名場面集がこれでもかと描かれているわけだね……!

なお本家のシスティーナ礼拝堂は、教皇を選挙で決める『コンクラーベ』の会場となっているそうだ。
いやもう、こんな絵に囲まれながらの選挙とかドッキドキである。
(神に見られてる感が凄すぎて、不正なんてできないな……)
ちなみに、「コンクラーベで、根くら〜べ☆」なんてギャグが浮かぶ人もいるかもだが、『コンクラーベ』という用語ができた由来は明確に『根比べ』要素があるので、あながち間違っているわけでもない。
時は遡って1268年。
イタリアのビテルボで行われた教皇選挙にて、次の教皇が3年経っても決まらなかった結果、市民は「いい加減にしろ!」と枢機卿たちを宮殿に閉じ込めた。
そして次の教皇が決まるまでパンと水しか供給せず、選挙が長引くにつれてその供給も減らしていくという兵糧攻め作戦に出る。
それでも決まらないので、果ては宮殿の屋根まで剥がして雨ざらし状態にするのだが、全然折れない枢機卿たち。
やがて3人の犠牲者が出たことで、ようやく均衡が崩れて次の教皇が決まるのだった……。
いやもう枢機卿たちの我慢強さが尋常ではない。
犠牲者が出るレベルで紛糾する選挙って凄い話だな……。
ではここで美術館らしく、技術的な解説もあったのでご紹介しよう。
以下の『デルフォイの巫女』は15メートル上に描かれているのだが、自分の目線に持ってくるとこんな感じに見える。↓

さて、なんだかちょっと上半身がたくましく見えるんじゃないだろうか?
だがこれはミケランジェロが遠近法やら短縮法やら明暗法を巧みに用いて、下から見るとちょうどいいように描かれているのだ!!

ほらね!!
………。
なんとなくわかる……ような……?
いや、足を見るとわかるぞ!!


下から見上げた時はなんだかシュッとしている気がする!!
1500年頃にこんな技法を発見していたとは、流石はミケランジェロだ。

いやしかし、システィーナ・ホールだけでどんだけ時間を使っているんだという話だ。
もう10分くらいこの空間に浸っている自分がいる。
3100円の元が取れそうな美術館であることはこの展示から既に読み取れた。
こりゃどんどん見ていかないと!!


さてさて、なんだか祭壇みたいなものが置いてある部屋があった。
どうやらここはエル・グレコのゾーンらしい。
名前は聞いたことがある気がするが……とりあえず見ていこう。


こちらの『聖アンデレと聖フランチェスコ』を見ると、なんだか背の高さがすんごいことになっている。
これも先程のデルフォイの巫女のように、下から見上げられたときにちょうどよくなるように描いているのかな……と思ったら、どうも違うらしい。
なにやら円熟期のエル・グレコは、写実的であることよりも、精神性や宗教性を表現することを目指したようなのだ。
解説板曰く、『見る者の魂も聖人の姿を通って天国へと運ばれる』とのこと。

………。
うん!!

おっ、知っている作品が来たぞ!
これはヨハネス・フェルメールの『牛乳を注ぐ女』だ!

でも『フェルメール、ヤン』ってどういうことだろう?
(ヤンさんとの共作なのかな……?)


また『ヤン』だと!?
……いや、カタカナにするからおかしいのかもしれない。
おもむろに中央右の記載を見てみると、
『Jan Vermeer (Johannes van der Meer)』と書いてある。
(ジャン・バーメアー……?)
いやいや、これで『ヤン・フェルメール』と読むのだ。
そしてどうやら、Jan(ヤン)はJohannes(ヨハネス)のことらしい。
いやまったく意味がわからんわけだが、要するに『慎ちゃん』と読んでるけど、正式には『慎一郎』みたいな感じだという。
へぇ……。



そしてこれまた有名な作品を発見!
これは『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』である。
なぜ自分が知っているのかといえば、『当時超高級品だったラピスラズリを砕いて青い色を作った』という話を何かの番組で聞いたからだ。
(凡人の記憶のフックは、大概そういう俗っぽい話で構成されている)

しかし元の絵のひび割れまでしっかり再現しているのは凄まじいな……。
あ、そういえばまったく説明していなかったが、大塚国際美術館にあるのは全てが『陶板名画』なのだ。
大塚グループの一つである大塚オーミ陶業株式会社の特許技術を活用し、『経年劣化しない陶板で、世界中の名画を原寸大再現して一堂に展示しよう』という壮大な試みを行っているのが、大塚国際美術館である。
(なお一つ一つに尋常じゃない手間がかかってます……!)↓
世界の名画の色が経年劣化で失われていく中で、陶板名画は色褪せることがない。
そして手間がかかっているとはいえ本物ではないので、写真も撮っていいし、近づいてもOK!!
(真贋なんて判定できない自分みたいな人間は、世界中の名画が原寸大で見られる時点で、こっちのほうが良いのでは……?)
そんなわけで、まだまだ序の口にも程がある大塚国際美術館。
なにせこの日の画像は約1000枚に及ぶのだ。
この美術館、普通ではない……!!

果たして自分の足は壊れずにいられるのか。
そして閉館時間までに全部見られるのか。
次回へ続く……!!
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