【つながる旅行記#434】カオスな絵に導かれつつ、再現された『ゴヤの家』に入る【大塚国際美術館】
前回はバロックの多様性溢れる絵画に包まれつつ、さすがに14時を過ぎてお腹が空いてきた。

空きっ腹で鑑賞していると、自分が知っている作品を発見!
これはヒエロニムス・ボスの『快楽の園』である。
美術系番組で見たときにかなりの衝撃を受けた作品なのだが、大塚国際美術館にもあったか……!
前回のルーベンスの絵と同じく、こちらも3枚のパネルからなる三連祭壇画なのだが、左が『エデンの園』、中央が『快楽の園』、そして右が『地獄』を表しているらしい。



そして自分がこの絵に惹かれた理由は、めちゃくちゃカオスだからだ。
そのカオス加減、じっくり見ていこう……!



うん、こんな地獄は絶対行きたくないね!!
だがしかし、実は他も普通にカオスなのである……!




いや〜〜!!
(何考えてたらこんな絵が描けるんだろう……?)
なお、この中央の絵は『快楽の園』なわけだが、これは別に『天国』というわけではないのだ。
解説によると『エデンの園で生まれた人間たちは、快楽の園という現世で堕落を味わい、最終的に地獄に落ちる』という筋書きではないかとのこと。
ほぉ……。
でもこの絵、本当にいくらでも眺めていられるよな……。
んっ!?

ぱ、パネルが自動的に閉じ始めた!?

そして現れたのは、2枚のパネルによる『天地創造』という作品。
いやはや、こんなところにも絵を仕込んでいるとは、ヒエロニムス・ボスもなかなかのサービス精神を持っているようだ。
そしてこれを可動式にしてしっかり見せてくれる大塚国際美術館も、やってくれるね……!

さて、こちらはマティアス・グリューネヴァルトによる『イーゼンハイムの祭壇画』だ。
解説によると、聖アントニウスがエジプトの砂漠で見た幻覚の絵らしい。
そして左面に描かれた異形の存在は、病の化身だとか。




なんだかよく見るとコミカルな存在もいるような気がするが、患者たちはこういう存在に打ち勝ち、救済されることを祈るらしいですよ……!
しかしこんな風に病を擬人化した表現は海外にもあるんだな。
(ある種の妖怪みたいな雰囲気を感じる)
そしてお次はフランシスコ・デ・ゴヤのエリアに入った。
スペイン最大の画家と謳われるゴヤだが、なんだか扱いの良さを感じるような……?



(『裸のマハ』もすぐ横にある)


(マリア・テレーサ・デ・ボルボンが成長した姿)
なんだか自分の知っているゴヤのイメージは、もっと暗い感じだったのだが、こういう肖像画なんかも描いている人だったんだな。
と、そんなことを考えていると、『ゴヤの家』というエリアを発見。

いやなんだか雰囲気が怖い!
そして暗い!!
でも自分がゴヤに抱いてたイメージってまさにこんな感じ!



おぉ……!
やっぱりゴヤのエリアはなんだかやけに凝ってるぞ……!
そして見つけた。
自分にゴヤの暗いイメージを固定化させた作品を。

わ……『我が子を食らうサトゥルヌス』!!
そう、これも美術系の番組で見て、強烈に頭に刻み込まれた作品なのだ。
そして一番気になるのは、なんで我が子を食らっとるんだということである。
これは農耕神であるサトゥルヌスが、大地母神ガイアの「お前は将来、成長した子どもに殺されるよ」という予言に恐れを抱き、5人の子どもを次々に飲みこんでいったことに由来するという。
……いやまさかの『5人飲んでた』という事実に衝撃を隠せないわけだが、その後の話もすごい。
5人の子どもがサトゥルヌスに飲まれてしまったとき、実は母親は6人目を身ごもっていた。
子どもがまたサトゥルヌスに飲まれたらたまらないと思った母親は、大きな石を身代わりにすることで、サトゥルヌスをごまかすことに成功。
その後、無事に誕生した6人目の子どもであるユピテルは、なんやかんやでサトゥルヌスに催吐薬を飲ませる。
すると、サトゥルヌスのお腹の中から、ちゃっかり体内で成長していた5人が吐き出されました!
5人の兄妹たちはユピテルの活躍に感謝し、ここから旧世代と新世代の神々の、宇宙を揺るがす大戦争が始まる……!!
なんだか最後にスケールがとんでもないことになったが、どうやらこれは神々の話だったらしい。
そしてゴヤの絵だと確実に命を失ってそうに見えた子どもだが、神らしいのでたぶん大丈夫である。(腹の中でくっついたのだろう)
このあとユピテルくんが大活躍することで、無事に再生&成長した姿でサトゥルヌスから吐き出されることだろう。
よかった……犠牲になった子どもはいなかったのか……!
(なおユピテルは、ゼウスとも呼ばれる)

いやしかし、こんな絵が飾ってある家にいたら気が滅入りそうである。
まあでも実際のゴヤの家がこうだったわけじゃ……ないよね??

1階の食堂、および2階のサロンの漆喰壁に、そのムードから「黒い絵」と呼ばれることになる14点、延べ26メートルに及ぶ大壁面が激しいタッチの油絵具で描かれた。
ゴヤ没後の1870年代に壁面からカンヴァスに移され、現在はプラド美術館の所蔵となっている。
ま、まさかの本物は漆喰の壁に描かれていた……!?
そう、これらの絵画は壁に描かれていたものをキャンバスに移したものなのだ。
つまり当時のゴヤは、まさにこの再現された部屋のような状態で過ごしていたのである。
うーむ……当時のゴヤの精神状態はかなりまずかったのかもしれない。
部屋の雰囲気も相まって、これは記憶に残る展示だな……。

というわけで!
こちらがお昼ご飯の『阿波尾鶏チキンカツ丼』です!!
「ゴヤの家を見たあとに飯を食うなよ」とツッコまれそうだが、お腹が空いてたら何の問題もないから!!

あとついでに『本日のスイーツ』まで頼んでしまったよ!
しょっぱいのと甘いので、最高の組み合わせだね!!

まあ今は12月なので外で食べる気はしないが、もしこれが春だったら、暖かい日差しと新鮮な空気の中で食事を楽しめるんだな。
そして美術館で食事をするって、なんだか特別感があって良いよね……!
そんなこんなで美術館の雰囲気に浸りつつ、かなり遅い昼ごはんでお腹を満たして、しばし足を休める自分なのだった。
気付けばもう時刻は15時だ。
果たして自分は、閉館する17時までに全ての展示を見ることができるのか。
次回へ続く!!
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