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「優秀な候補者がいない」は嘘? 採用要件の見直しで隠れた逸材を見つけるために

こんにちは。株式会社スマートバンクでマーケティング責任者をしている土屋です。

今回は、私が担当したマーケティング職の採用活動を通じて感じた「本当に見るべき採用要件とは何か?」についてお話ししたいと思います。

結論から言うと、「採用要件にマッチした人材がいない!」のではなく、「優秀な人材を見抜けていなかった」ことに気づいたプロセスの話です。

この記事でわかること:
なぜ採用要件を見直す必要があったのか
スキルではなく“行動特性”を見るとはどういうことか
実際にどういう人を採用し、どんな成果が出たのか


マーケチーム2人では限界。マーケ採用を始めた背景

これまでスマートバンクのマーケティングチームは、私を含めて2名で運営してきました。

左:土屋 右:村田さん

スマートバンクが運営するワンバンク(旧B/43)は大きく分けて3つの事業があります。

  • 2人で利用するペアカード(チャージ式Visaカード)

  • 1人で利用するマイカード(チャージ式Visaカード)

  • AI家計簿アプリ

それぞれの事業の当月のユーザー獲得を追いつつ、中長期的にオーガニックDLを増やしていくための認知獲得も並行して取り組んでいました。

主な業務としては下記になるのですが、この業務を3事業分担当し、さらに私は3事業のマーケ責任者というポジションでした。

  • 運用型広告(Instagram/TikTok/Googleなど)

    • 自社配信・広告代理店配信

  • SEM

    • リスティング広告出稿・SEO施策(オウンドメディア運営など)

  • リーチ施策

    • インフルエンサータイアップ

    • TikTokショートドラマ

    • WEBCM

  • プロダクトチームとの連携

  • LTV/CACの集計とモニタリング

など

村田さんにもかなりの範囲を担当してもらっていましたが、全く手が回っておらず、1施策あたりの精度が低くなったりすることもありました。

2024年11月に発表した、シリーズB資金調達もあり、事業領域の拡大や利用者規模の急拡大を受け、「さすがに2人では厳しい…」という状態になり、2024年7月ごろからマーケ人材の採用を本格的にスタートしました。


スカウト送信とカジュアル面談に心が折れそうになる日々、それでもやりきった

最初に着手したのはスカウト送信。
ひたすら送りまくりました。
実績まとめ(2024年7月〜12月)

※YOUTRUST・ビズリーチ・wantedlyでのスカウト数
※2回目以降の送信(手動配信のみ)も含む

ちなみにYOUTRUST社の企業別2024年スカウト送信数で弊社が第3位にランクインしました。

私もかなりスカウト数は送っていた方ですが、スマートバンクでは各職種が採用を頑張る!という空気感だったので、Slackで色んな人から「今日はn件スカウト送ったー」「カジュアル面談決まりました!」という報告が流れてきたので、「自分もポジティブな報告を投稿したい!」という前向きな気持で日々取り組むことができました。

特にスカウト送信を一緒に手伝ってくれた、ビジネス本部長の赤池さんにはめちゃくちゃ感謝してます🙏
一緒に毎日スカウトを送ってくれたことで、心が折れることなくやり切ることができました。

そんな素敵な赤池さんが書いた最近の記事はこちら


toCアプリマーケ経験者、いなさすぎ問題

カジュアル面談を繰り返す中で見えてきたのは、「アプリマーケの経験がある人の圧倒的な少なさ」でした。

  • toCサービス × アプリマーケ の経験者自体が超希少

  • さらに事業会社でのマーケ経験まで加わると、まさに伝説級

これは個人的な感覚ですが、日本国内でtoCスタートアップの数自体が減っているような気がしています。

実際、海外のトップVCのtoC領域への投資額が大幅に減少しているという情報もあり、こうしたグローバルな傾向を踏まえると、日本でもtoCスタートアップの新規立ち上げが減少し、結果としてtoCサービスに関わったことがある人材が少なくなっているのもしれません。
(参考)

弊社PMの稲垣さんも同じことを言っていたので、職種にかかわらずtoCサービス経験者が少なくなっていそうです。

アプリマーケターの集いなどで、「マーケメンバーの採用どうしてますか?」という話になると、「いろんなチャネルでアプローチしてるけど、なぜかアプリマーケ経験者にはほぼ出会えないんですよね・・・」という話題でめっちゃ盛り上がります。

事業会社でアプリマーケの経験がある方は「そもそも市場に存在している母数が非常に少ない」ことを思い知らされました。


採用要件の理想が高すぎる…現実とのギャップに気づいた瞬間

スマートバンクのマーケティング領域は非常に広く、広告出稿・インフルエンサーマーケ・分析・プロダクト連携など多岐にわたります。

そのため、当初定義した採用要件は自然と「全部できる人」を求める内容になってしまっていました。

採用要件は下記。
改めて見るとかなりエグいなと思います。

📜 募集条件

必要な経験・スキル

  • toC向けアプリサービスのデジタルマーケティング業務のご経験(3年以上)

  • 事業会社(自社サービス)のマーケティング業務のご経験

  • SNS運用型広告(Instagram/TikTokなど)出稿のご経験

  • 広告パフォーマンスレポート作成(主にSKAN関連)のご経験

  • インフルエンサーマーケティング施策の企画立案/実施のご経験

  • マーケティング領域における施策を自ら立て、当事者を巻き込みながらPDCAを回したご経験

歓迎する経験・スキル

  • CAC・LTVの数値を元にROASを算出し、媒体ごとの予算の再配分や出稿方針全体の意思決定を行ったご経験

  • SQLによるデータ抽出/分析のご経験

  • チームマネジメントのご経験

  • 社内外の幅広い関係者と連携しながらプロジェクトをリードしたご経験

  • 事業目標に沿ったマーケティング戦略立案のご経験

  • マスマーケティング(オン/オフライン)のご経験

ざっくりいうと、『toCアプリサービスにおいて、マーケティング施策を通じたグロース経験があり、インフルエンサーマーケも得意で、あわよくばオフラインマスマーケの経験や分析もバキバキにできて、組織をまたいで戦略立案から実行までを一気通貫で推進できる人』

社内メンバーにリファラルで紹介をお願いした際、友人の方に「これが採用要件だけど、こんな感じのマーケの人いるかな?」と聞いてもらったところ、「こんなスキルセットの人、かなり稀だと思う・・・」というフィードバックをもらい、出現確率がかなり低い、レジェンド級の要件になってしまっていたことに改めて気づきました。

実際の友人の方からの反応

最初は、「広告出稿がメインだけど、インフルエンサーマーケも担当してもらうかもしれないから歓迎スキルに入れておこう」ぐらいで考えていました。

しかし、候補者や紹介者にとっては、「こんなに色々できなければいけないの?」という印象になり、知人に対してもカジュアル面談すら勧めにくい採用要件になってしまっていたのです。


採用要件、本当にこれでいいのか?

カジュアル面談のときに「話してみてすごく魅力的な方だったけど、toC・アプリマーケ経験がないから難しいかも・・・」という方が数人いらっしゃったことで、自分の中である疑問が浮かびました。

「本当にtoC・アプリマーケ経験は必要なのか?」

このことから「求めるスキルの人がいない」のではなく、「活躍できそうな人材の定義がうまくできていないのでは?」という考えに至りました。

つまり、わかりやすいスキルベースの要件にこだわるあまり、結果を導き出すためのベーススキルである【行動特性(コンピテンシー)】を見逃していたのではないかということです。


「教えられること」と「見極めるべきこと」を分けて考える

そこで、改めて採用要件を見直しまし、本当に必要なことを絞りました。
その結果、これまでの必須要件で不要・必要が下記です。

  • アプリマーケの経験 → ❌(必須ではない)

  • 広告パフォーマンスレポート作成(主にSKAN関連)のご経験 → ❌(必須ではない)

  • インフルエンサーマーケの経験 → ❌(必須ではない)

  • toCマーケ経験 → ❌(必須はないが重視したい)

  • 事業会社でのマーケ経験 → ✅(ここは残した)

アプリマーケ経験を任意にした理由
自分自身がアプリ計測や広告運用で苦労した経験があり、同じ経験をしてほしくないという思いから“必須”としていた部分。でも、それって「自分が一定教えたら済むこと」なのでは?と判断。
「アプリマーケ経験」と書いてあるだけで、自分は対象外と思ってしまうのでこちらは、採用要件からは削除しました。

toCマーケ経験を任意にした理由
同じ判断軸として、toCサービスのマーケ経験も教えたら済むことなのでは?ということで、toCサービスマーケを経験しているに越したことはないが、toBマーケ経験者の方でも、目標に対しての考え、抽象的な課題の具体化と打ち手の精度が高いなどの経験があればtoCマーケで活躍する方もいるのでは?と判断しました。

逆に重視したこと

  • 事業会社において数字責任を持ち、施策の意思決定と結果検証までを一貫して取り組んできた

  • 事業貢献に強く意識を持っている

  • グロースの一手段としてデジタルマーケティングを使いこなせる

  • 学習意欲が高い

私の強いこだわりとしては、事業感がある人をマーケメンバーとして採用したいと思っています。

スタートアップ企業においては、ほとんどの会社が赤字であり、そのコストのTOP2が人件費とマーケ費である場合が多く、とくにマーケ費は使い方を間違うと、一瞬にして会社のランウェイが短くなり資金繰りが危うくなるぐらいの影響力があると思っています。

「マーケティングが好きな人」ではなく、「事業を伸ばすことが好きな人」で「マーケ施策が好き・得意な人」を採用したい。
だからこそ、上記の観点を重視するようになりました。

さらにもう一つ重要視したのが 学習意欲でした

  • 新しい領域に入ったときにどう学ぶか

  • どれぐらいのスピードでキャッチアップできるか

この観点を持つことで、過去に新しい領域にチャレンジして一定成果を出すことができる人は、今の時点で必要なスキルを持っていなくてもすぐに習得できる再現性があるのではないかと思いました。

アプリ・toCサービスのマーケ経験が【必須ではない】という判断ができるようになり、toBマーケ経験者とも積極的にお話をさせていただきました。


スカウト対象を広げた結果、出会えた逸材

スカウトの幅を広げ、カジュアル面談を積極的に実施したことで、最終的に2名の方を採用できました。

  • 事業責任者 × toCマーケ(EC)経験者

  • toBマーケター × プロダクトグロースチームのリード経験者

最初は「本当にアプリ・toCマーケ経験がなくても大丈夫なのか…?」という不安もありましたが、結果は大成功。

今では想像以上に活躍していただいています。


スキルよりも、行動特性を見極める

私が今回強く感じたのは、スキルセットではなくコンピテンシー(行動特性)を見るべきということです。

実際、Web・アプリ、toB・toCのマーケ施策の違いは大きいですが、その垣根を超えて活躍する人材はいます。

求めるスキルがあるに越したことはないですが、それだけで成果を出すことができる人物かどうかということはわかりません。

一方で、以下のような行動特性はなかなか身につかなかったり、取得するのに相当な時間がいるものだったりするので、行動特性が高いレベルで習得されている方のほうが貴重であり・重要であると思いました。

求める行動特性(コンピテンシー)まとめ

採用担当者として自戒を込めて伝えたいこと

新しく人材を採用したい!となったときに、「こういった人がウチにきてくれたらいいな」という人物像があると思うのですが、リファラルとかの繋がりが無い場合、そういった人はほぼ採用できないと思ったほうがよいです。

ど真ん中の採用要件ではないが、「どういった人だったら自社で活躍してくれそうか?」ということを考えて採用アクションをしたほうが、成果につながりやすいと思いました。

「市場にそういった人材がいない」「年収帯があわない」「転職エージェントが紹介してくれない」など、採用できない理由は色々ありますが、まず最初に採用担当として見直すところはないかということを考えて行動することが重要だと思ったので自戒を込めてブログを書きました。


最後に:一緒に働く仲間、まだまだ募集中!

それにしても最近入社したRyoさんとRyuさんが素晴らしすぎる結果を出してくれているので、優秀な人と一緒に働くのはめちゃくちゃ楽しいです。

Ryoさんのブログはこちら

Ryuさんのブログはこちら

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