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人間は、なぜ目の前の情報をほとんど見落とすのか

初めに

こんにちは。☀️
灯の旅人です。

灯の研究所、新研究の第2回です。

前回は、記事を公開したことと、読者に存在を知られたことは同じではない、という話をしました。

記事は確かにnoteの中に存在しています。

タイムラインにも表示されているかもしれません。

フォロワーの画面へ流れていることもあります。

それでも、その記事が読者の中に「見つけた記事」として残っているとは限りません。

今回は、

人間は、なぜ目の前の情報をほとんど見落とすのか。

noteのタイムラインを眺める読者の視点から、観測していきます。

今回の研究全体については、こちらの入口記事で紹介しています。

研究案内|人は、なぜその人をフォローするのか

前回の記事はこちらです。

第1回|毎日書いているのに、なぜ存在を知られないのか

▶ マガジン全体のまとめが此方です




noteを開いた人は、すべての記事を読もうとしていない

発信者は、自分の記事を公開すると、その記事を中心に画面を見ます。

タイトルはどう見えるだろう。

見出し画像は目立っているだろうか。

文章は最後まで読まれるだろうか。

けれど、読者は旅人の記事を読むためだけに、noteを開いているとは限りません。

いつも読んでいる人の記事を探しているかもしれません。

通知を確認しに来ただけかもしれません。

自分の記事へ付いたスキやコメントを見に来たのかもしれません。

昼休みや移動中に、ほんの数分だけ眺めていることもあります。

その画面の中へ、旅人の記事が流れてきます。

発信者から見れば、時間をかけて書いた大切な記事です。

しかし読者から見れば、その瞬間に並んでいる数多くの記事の一つです。

ここには、かなり大きな視点の違いがあります。



読者は、一つずつ内容を確認しているわけではない

noteのタイムラインには、さまざまな記事が流れています。

仕事について書かれた記事。

創作や小説。

AIについての話。

日記やエッセイ。

ゲーム、旅行、写真、料理。

読者は、それらを上から順番に一つずつ開き、内容を比較しているわけではありません。

多くの場合は画面を流しながら、

「これは知っている人だ」

「今は読みたい気分ではない」

「少し気になる」

「自分には関係なさそうだ」

と、短い時間で判断しています。

記事が目の前へ表示されていても、その一瞬で読む候補に入らなければ、そのまま次の記事へ流れていきます。

つまり、

画面に表示されたことと、読者が記事へ気づいたことは同じではありません。

さらに言えば、

記事へ気づいたことと、読みたいと思ったことも同じではありません。

この違いを知らないまま数字だけを見ると、旅人はこう考えてしまいます。

記事の内容が悪かったのだろうか。

文章が下手だったのだろうか。

自分の発信には価値がないのだろうか。

けれど、読者がタイトルや見出し画像をほとんど認識しないまま通り過ぎていたなら、内容を評価されたわけではありません。

まだ評価される場所まで到達していないのです。

……読まれて低評価だったのではなく、読まれる前に消えていた可能性がある(´・ω・`)


人は、今の自分に必要なものを探している

読者は、何も考えずにタイムラインを見ているようで、実際にはそのときの気分や悩みを抱えています。

仕事について悩んでいる人は、働き方や転職の記事へ目が向きます。

創作が進まない人は、文章の書き方や創作活動の記事が気になります。

フォロワーが増えずに悩んでいる人は、note運営や発信に関する記事へ立ち止まります。

ゲームをしたい気分の人は、ゲームの記事を探します。

同じタイムラインを見ていても、その人が何を考えているかによって、目に入る記事は変わります。

記事の数が急に増えたわけではありません。

それまで流していた情報の中から、

今の自分と関係があるもの

を見つけているのです。

だから、記事を書くときに重要なのは、内容が正しいかどうかだけではありません。

読者が一瞬見たときに、

「これは自分に関係がありそうだ」

と思えるかどうかです。


発信者が書いたテーマと、読者が感じる悩みは違う

たとえば、旅人が認知について記事を書いたとします。

発信者側では、

「人間が情報をどのように受け取るかについて書いた記事」

と考えています。

しかし読者が普段から、

「認知について勉強したい」

と思っているとは限りません。

読者が抱えているのは、

毎日書いているのに読まれない。

記事を出しても反応が少ない。

フォロワーが増えない。

自分が何を発信する人なのか伝わらない。

といった、もっと身近な悩みかもしれません。

そのため、

認知について考えてみた

というタイトルよりも、

毎日書いているのに、なぜ存在を知られないのか

の方が、自分との関係を見つけやすくなります。

内容は同じ方向を向いていても、入口となる言葉が違えば、読者の受け取り方は変わります。

これは、派手なタイトルを付ければいいという話ではありません。

読者を驚かせる言葉を使ったり、不安を煽ったりする必要もありません。

大切なのは、

この記事は、どのような人の、どのような悩みについて書いているのか。

が伝わることです。

発信者が語りたいテーマではなく、読者が抱えている言葉から入口を作る。

それだけでも、記事はタイムラインの風景から、一つの候補へ変わります。


読者にとって、知らない人の記事は後回しになりやすい

もう一つ、noteでは大きな違いがあります。

それは、

知っている発信者か、知らない発信者か

という違いです。

同じようなタイトルの記事が二つ並んでいたとします。

一つは、以前にも読んだことがある人の記事。

もう一つは、名前もアイコンも見たことがない人の記事。

読者が必ず知っている人を選ぶわけではありません。

しかし、以前に読んだことがある人には、

「この人の記事なら読みやすそう」

「以前の記事が面白かった」

「よく見かける人だ」

という、小さな判断材料があります。

知らない人の記事には、まだその材料がありません。

記事の中身を開けば、とても良い内容かもしれません。

けれど、開く前の段階では、その価値を知る方法がないのです。

そのため読者は、すでに少し知っている人や、今の悩みと強く結びついている記事を優先しやすくなります。

ここでも、記事の内容が悪いから見落とされたわけではありません。

読む理由が、まだ読者の中に作られていないのです。



記事を見つけてもらう入口は、一つではない

記事を読者へ届ける方法を考えると、ついタイムラインだけを見てしまいます。

けれど実際には、読者が発信者を知る入口はいくつもあります。

検索から記事を見つける。

ほかの人の紹介から訪れる。

コメント欄で名前を見る。

共同マガジンで見かける。

企画へ参加している姿を見る。

誰かの記事へ付けたスキからプロフィールへ来る。

一つの記事を読んだあと、ほかの記事も見る。

最初に見つけた記事では読まなくても、別の場所で何度か見かけるうちに名前を覚えることもあります。

だから、記事一つの反応だけを見て、

「届かなかった」

と決めることはできません。

その記事がすぐ読まれなかったとしても、名前やアイコンがわずかに記憶へ残っている可能性があります。

後日、別の記事を見かけたときに、

「この人、前にも見た気がする」

へ変わるかもしれません。

発信者が他者の中へ生まれる過程は、一度の記事だけで完結するものではないのです。


見落とされないために、投稿数だけを増やす必要はない

見落とされる記事を減らそうとすると、

もっと投稿しなければ。

一日に何本も出さなければ。

長い記事を書き続けなければ。

と考えてしまうかもしれません。

確かに、記事が増えれば見つかる入口も増えます。

しかし、ただ記事数だけを増やしても、

誰へ向けた記事なのか。

何について書く人なのか。

どのような悩みを扱っているのか。

が毎回大きく変われば、読者の中で一つの発信者像につながらないことがあります。

必要なのは、同じ記事を何度も書くことではありません。

さまざまなテーマを書く中でも、

旅人は何を観測している人なのか

という軸が見えることです。

ゲームについて書くときも。

AIについて書くときも。

創作や人間の感情について書くときも。

その奥に、

「人が何を感じ、どのように世界を受け取るのか」

という共通点があれば、別々の記事が一人の発信者へつながっていきます。

読者は記事を一つずつ覚えるだけではありません。

記事を通して、

「この人は、こういうことを考えている人だ」

と理解していくのです。


今回の観測結果

noteを開いた読者は、そこに並ぶすべての記事を読もうとしているわけではありません。

知っている人の記事。

今の悩みに近い記事。

自分に関係があると感じた記事。

短い時間の中で、それらを優先して選んでいます。

そのため、記事がタイムラインへ表示されていても、読者がその存在へ気づいたとは限りません。

さらに、気づいても読む理由が見つからなければ、そのまま通り過ぎていきます。

今回の観測から見えてきたのは、

記事が見落とされるのは、価値がないからとは限らない。
読者が、自分との関係をまだ見つけられていない可能性がある。

ということです。

では読者は、タイトルや見出し画像、発信者の名前から、何を受け取り、

「これは自分のための記事かもしれない」

と判断しているのでしょうか。

次回は、

人は、何を見て「これは自分に関係がある」と判断するのか

を観測します。

第3回は、以下のリンクです。


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