頑張りすぎない人ほど、ゴルフは長く続いていく
『続けるコツは、頑張りすぎないこと』
努力をやめるという話ではありません。
明日もまたクラブを握れる余白を、今日の自分に残しておくということです。
夜の練習場、ボールだけが黙々と飛んでいく
仕事終わりの練習場は、昼間とは違う顔をしています。
照明に照らされたネットが夜の中にぼんやり浮かび、あちこちの打席から「カキン」と乾いた音が重なっていく。
隣の人は軽やかに球を飛ばしているのに、自分は何十球打っても、思うような音が出ない。
グリップを握る手には、いつもより少し強く力が入っています。
汗ばんだ革の感触に、焦りまでにじんでいるような夜です。
時計を見ると、閉店まであと一時間。
「もう少しだけ」
「次こそ、いい球を」
そう思いながら、気づけば体が重くなっている。
そんな経験は、きっと私だけではないと思います。
「頑張っているのに、上達しない」という苦しさ
「毎日練習しているのに、何も変わらない気がします」
レッスンをしていると、肩を落としてそう話す方に出会います。
始めたばかりの頃ほど、周りの変化がまぶしく見えるものです。
自分だけが取り残されているようで、休むことまで怖くなってしまう。
でも、焦るのは、それだけゴルフに真剣な証拠です。
ただ、真剣であることと、頑張りすぎることは、同じではありません。
恥ずかしながら、私も燃え尽きかけたことがあります
20代の頃、私はツアープロを目指して研修生をしていました。
キャディーの仕事を終え、コースを9ホール回り、そのあと練習場で少ない日でも300球、多い日は1200球。
休みの日には引っ越しや日雇いの仕事をして、その後にまたクラブを握っていました。
当時の私は、休むことを「逃げること」のように感じていたのだと思います。
体が重くても、痛みがあっても、「プロテストまでもうひと頑張り」と自分を急かしていました。
ある日、コースでドライバーを振った瞬間、体の中で「プチッ」と音がしました。
背中から肩に強い痛みが走り、検査をすると肩の靱帯を傷めていました。
しばらくゴルフができない体になりました。
好きで始めたはずのゴルフが、いつの間にか義務になっていたのです。
そして正直に言えば、「もういつゴルフができるか分からない」と分かった瞬間、ショックと同時に、少しだけホッとした自分もいました。
これで休める。
普通の暮らしに戻れる。
そんな気持ちが浮かんだことに、自分でも驚きました。
それ以来、私の中には「無理をしない」というルールがあります。
Kさんが見せてくれた、細く長く続ける強さ
Kさんは、習い始めたときから「毎週火曜日の同じ時間に来る」と決めていました。それ以外の日は、なるべくゴルフのことを考えない。自主練習もほとんどしません。
最初は、かなりゆっくりでした。
コースデビューまでにも時間がかかり、急に球が飛ぶようになったわけでもありません。
それでも、火曜日になるとKさんは来ました。
雨の日も、少し疲れている日も、無理のない範囲でクラブを振る。1年、2年と続けるうちに、スイングには少しずつ迷いが減っていきました。
今では80台で回ることもあります。
一方で、最初の数か月だけ週に何度も練習し、疲れてしばらく離れ、また一からやり直す方もいます。
その姿を見比べるたび、私は思います。
強いのは、一度にたくさん頑張れる人ではなく、無理なく続ける人なのだと。
今日の言葉の意味
『続けるコツは、頑張りすぎないこと』
これは、努力をしなくていいという意味ではありません。
頑張りすぎた反動で、クラブを握るのが嫌になってしまうことこそが、本当は一番怖いことなのだと思います。
上達は、一日の練習量よりも、長く付き合い続けられるかどうかで決まる部分が大きいのです。
短期間で急に伸びる人もいますが、それ以上に、何年もかけてゆっくり積み上げてきた人のスイングには、独特の安定感があります。
焦らず続けてきた時間そのものが、技術になっているように感じます。
今日から試せる、たった一つのこと
できる限り習慣化することです。
「100球打つ」ではなく、「30分だけ」
「納得するまで」ではなく、「いい感触が1球出たら終わり」
少し物足りないくらいで帰る日があってもいいのです。
できれば、曜日と時間も決めてみてください。「火曜の夜は30分だけ」と決めたほうが、ゴルフは生活の中に静かに根づいていきます。
静かな帰り道に
練習場を出ると、夜風が火照った体をゆっくり冷ましてくれます。
バッグを担いだ肩の重みも、無理をしなかった日はどこか心地いい。駐車場に響く足音が、来たときより少し軽く聞こえます。
細くても、途切れずに続いた時間は、いつか自分を支える感覚になります。
次にクラブを握る日が、少し楽しみになる。
それくらいの終わり方で、ちょうどいいのだと思います。
今日のあなたは、少し頑張りすぎていませんか。
ゴルフを長く楽しむために、どんな「無理をしないルール」を作れそうでしょうか。

いいなと思ったら応援しよう!
応援ありがとうございます😊