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18番の笑顔は、10番の配分から

『結果より、配分で差がつく』

いい結果を出そうと頑張るより、力や集中をどこで使うか。
その配分が、後半の景色を変えてくれることがあります。


昼休憩を終えて、10番ホールへ向かう午後

朝露の消えた芝は少し乾き、太陽の光を強く跳ね返しています。

カートの座席には昼の熱が残り、冷たい飲み物を口にすると、体の中へすっと染み込んでいきます。

スコアカードを見ると、前半はまずまず。

足もまだ動く。肩にも、それほど疲れは感じない。

「よし、後半はもう少し飛ばしていこう」

そんな気持ちになるのは、とても自然なことだと思います。

私も何度もあります。


「もっと飛ばしたい」気持ちは悪くない

休憩を挟んで元気が戻ると、10番ホールから急にアクセルを踏みたくなります。

ティーショットを思いきり振り、次のショットではピンを狙う。
待ち時間があれば、素振りを何度も繰り返す。

そのときは、まだ疲れている感覚がありません。

むしろ「今日は最後までいけそうだ」と思っています。

ところが、14番、15番あたりになると、少しずつ景色が変わってきます。

歩幅が小さくなり、クラブを取りに戻ることさえ面倒に感じる。
アドレスに入っても息が整わず、グリップを握る手にも力が入ってしまいます。

そして17番ホール。

「あと少しだから頑張ろう」と思うほど、体が言うことを聞かない。

振り遅れて右へ飛び、取り返そうとした次の一打は、今度は左へ。

元気だったはずの後半が、気づけば我慢の時間になっていました。


体力には自信があったはずなのに

若いころの私は、新聞配達や引っ越し、建築現場のアルバイトを経験し、キャディーの仕事でも毎日のようにコースを歩いていました。

体力には、それなりに自信がありました。

それでも夏場のラウンドでは、16番ホール付近から足の踏ん張りが利かなくなります。

自分では元気なつもりなのに、スイング中に体が横へ流れ、振り遅れたボールが右へ飛んでいく。

何度も経験しているので、分かっているはずでした。

それなのに毎回、ミスをしてから「あ、まただ」と気づくのです。

後半のスタートから少し力を残していれば、避けられたミスもあったと思います。


後半に崩れていたFさん

以前レッスンしていたFさんも、前半はいいのに、後半になると崩れることに悩んでいました。

話を聞くと、前半のナイスショットで気分が良くなり、後半も同じ勢いで振り続けていたことが分かりました。

そこで、昼休憩を終えたら一度だけ深呼吸をして、

「後半は8割でいこう」

と心の中で言ってから、10番ホールへ向かうことを提案しました。

数ラウンド後、Fさんは笑いながら言いました。

「後半、思ったより淡々と回れました」

飛距離は少し落ちましたが、大きなミスが減り、トータルスコアはむしろ良くなっていました。

力を抑えたから良くなったというより、18ホール分の力を、最後まで丁寧に使えたのだと思います。


最後まで続けるための配分

『結果より、配分で差がつく』という言葉は、
力を出し惜しみするという意味ではありません。

体力も集中力も、前半と後半に分けて使う。

会心の一打を増やすことより、
最終ホールまで同じようなテンポで歩き、
構え、振れることのほうが、
ラウンド全体を支えてくれることがあります。


今日から試せることは二つです

一つ目は、喉が渇く前に、少しずつ飲み物を口にすること。

私は夏場、水と塩の両方を用意し、(スポーツドリンク)調整してもいい
カートに戻るたびに一口飲むようにしています。

二つ目は、10番ホールへ向かう前に、長く息を吐くこと。

そして「後半は7割くらいでいこう」と心の中でつぶやきます。

全力を出さないというより、振り終わったあとに少し余裕が残る強さです。

前半と同じように動けないことを、悪いことだと思わなくても大丈夫です。

最初から変化を想定しておけば、疲れが出始めても慌てずに済みます。


最終ホール、まだ余力のある足取り

夕方の最終ホール。

傾いた光がフェアウェイに長い影をつくり、少し涼しくなった風が、汗ばんだ頬を通り過ぎていきます。

完璧な一日ではなくても、仲間と笑いながらグリーンへ歩けたら、それも十分にいいゴルフです。

前半で残した小さな余力が、最終ホールの笑顔につながります。


今日のラウンド、あなたはどのホールから少し余力を残してみますか。


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