見出し画像

待ち時間に、人柄はにじむ。スコアより大切なゴルフのやさしさ

『人柄は待ち時間に表れる』

待たされる時間は、少し心がざわつきます。
でもその時間にこそ、その人らしさが静かに出るのかもしれません。


コースに漂う、あの焦りの空気

朝のコースに出ると、空気が少し違います。

芝の上にはまだ朝露が残っていて、スパイクで踏み込むたびに、濡れた土のやわらかさが足元に伝わってくる。

遠くから聞こえる小鳥の声。
クラブがボールを捉える乾いた音。
緑と空の境界線が、朝の光の中でくっきりと輝いている。

そんな気持ちのいい朝でも、前の組がなかなか進まないことがあります。

ティーイングエリアで立ち止まり、つい腕時計に目がいく。

「まだ動かないのかな」
そう心の中でつぶやいて、また時計を見る。

その焦り、よく分かります。

せっかくの休日。
自然の中で気持ちよくゴルフを楽しみたいのに、待ち時間が続くと、少しだけ現実に引き戻されるような気持ちになりますよね。


正直に言うと、私も待つのが苦手でした

いいリズムでプレーできていたのに、茶店を過ぎたあたりからコースが混み始める。

待っては打つ。
また待つ。
そして、また打つ。

その繰り返しになると、だんだんリズムが崩れていく。
若いころは特に、そのリズムの崩れをスコアが悪くなる原因にしていました。

「待たされたから調子が狂った」
「流れが悪くなった」
「このペースじゃ集中できない」

そんなふうに、心のどこかで言い訳にしていたと思います。

ゴルフは自然相手のスポーツです。

スタート時間によって、風も違う。
光の向きも違う。
気温も、芝の状態も変わる。

そこに待ち時間まで加わると、イライラしてしまう気持ちは本当によく分かります。


生徒さんに教わったこと

以前、ある女性の生徒さんとラウンドレッスンで回ったときのことです。

前の組が詰まって、ティーイングエリアで10分近く待つ場面がありました。

私は内心、少し焦っていました。

リズムが悪くならないかな。
体が冷えないかな。
次の一打、大丈夫かな。

そんなことを考えていたとき、その生徒さんがにこっと笑いながらサーモスを取り出しました。

「コーヒー、飲みますか?」

そう声をかけてくれたんです。

そして、遠くの木を見ながら、

「あの木、きれいですね」

と、ゆったりした声で言いました。

誰かが笑うと、一緒に笑う。
空を見上げる。
景色を楽しむ。

待たされている状況は、私たち全員同じでした。

でも彼女は、その時間を嫌なものにしなかった。

そのあとのドライバーは、その日いちばん気持ちのいい一打でした。

「待ち時間が、ちょっと楽しみになってきました」

彼女がそう言ったとき、私は本当にすごいなと思いました。

レッスンする立場の私が、むしろ教わっていたんです。

待ち時間をどう過ごせば、場が心地よくなるのか。
自分だけでなく、一緒にいる人の気持ちまで軽くできるのか。

その姿に、静かに心を打たれました。


人柄は待ち時間に表れる

スコアとは関係のない、あの静かな時間。
ピリピリしても、時計を何度見ても、前の組のペースは変わりません。

でも、そんなときに仲間へひと言かけたり、場の空気をやわらげたりできる人は、やっぱり素敵に見えます。

焦って時計を見るより、

「最近どうですか?」
「さっきのショット、よかったですね」
「今日は風が気持ちいいですね」

そんなひと言があるだけで、空気は少しほぐれます。

そして不思議なことに、相手だけでなく、自分の気持ちも落ち着いていく。
ゴルフの上手さって、スコアだけではないと思うんです。

一緒に回っていて、
「またこの人とゴルフに行きたいな」
そう思ってもらえること。

その人の振る舞いや温かさが、コース全体の雰囲気を作ることがあります。待ち時間には、その人らしさがにじむ。

『人柄は待ち時間に表れる』
この言葉は、私にとってゴルフの大切な教えのひとつになりました。


今日から一つだけ試してみてください

次のラウンドで、前の組が詰まって待ち時間が生まれたら。
一緒に回っている誰かに、なんでもいいので、ひと言声をかけてみてください。

天気のこと。
さっきのショットのこと。
芝の感触のこと。
最近のゴルフのこと。

内容は、なんでも大丈夫です。

たったひと言が場をほぐして、自分の体からも余分な力を抜いてくれることがあります。

技術より先に、気持ちを整える。
その一歩は、誰でも今日からできます。


待つことができる人は、やさしい

夕暮れのコースに、橙色の光が差し込む。

仲間と静かに言葉を交わしながら、風がフェアウェイをそっと渡っていく。次のホールへ向かう足取りが、少しだけ軽くなっている。

待ち時間も、ゴルフの一部。

そう思えるようになったとき、コースはもっと広く、もっとやさしく感じられるようになります。

スコアだけを追いかけていたころには見えなかった景色が、少しずつ見えてくる。

待てる人は、ゴルフの時間をやさしくできる人なのかもしれません。
今日もきっと、どこかのコースで誰かが、場の空気をやわらかくしている。る。


あなたはゴルフの待ち時間に、ふっと心が和らいだ経験はありますか?

茶店での会話でも、きれいな景色でも構いません。
よければ、あなたの思い出をコメントで教えてください。


いいなと思ったら応援しよう!

トモティー|大人から始める、やさしいゴルフ⛳️ 応援ありがとうございます😊