周囲の音が気になるときに。自分だけの「5秒」でゴルフは変わる
『静けさの中で精度は上がる』
静かな場所に行かなくても、ゴルフは少し落ち着いていく。
大切なのは、外の音を消すことではなく、自分の中に小さな静けさをつくることなのかもしれません。
隣の打席の音が、頭に入り込んでくる
週末の夕方、練習場は混んでいます。
左右の打席から、絶え間なくボールを打つ音が響いてくる。
パシッ、パシッ、ドシン、パシッ——。
リズムはバラバラなのに、どこか急かされるような感じがあります。
気がつくと、自分のテンポまで少し速くなっている。
ちゃんと構えようとしているのに、なぜか手が先に動き出す。
打ったボールは右へ抜けて、人工芝の先へ力なく転がっていく。
「あ、また早打ちした」
そう思いながら、次のボールをすぐにセットしてしまう。
その繰り返し。
周りが気になると、自分のリズムが崩れる。
ゴルフって、そういう繊細なところがあるスポーツです。
見られると打てなくなります
初心者の方がよく言う言葉があります。
「今日、混んでいて待っている人がいるとダメですね。
なんか全然当たらなくて」
その気持ち、すごくよくわかります。
後ろに人がいる。
隣の打席の人がテンポよく打っている。
自分だけモタモタしているような気がする。
そうなると、まだ準備ができていないのに、体だけが先に動こうとしてしまうんですよね。
当たらなかった理由は、混んでいたことだけではなかったのかもしれません。
周りの音や雰囲気に引っ張られて、自分のテンポを失ってしまった。
でも、その感覚はとてもリアルです。
「混んでいる日は練習にならない」
そんなふうに感じてしまう日もあると思います。
でも私は、混んでいる日にこそ学べることがあると思っています。
それは、自分の内側に静けさをつくれるかどうか。
周りに流されず、自分の一球に戻ってこられるかどうか。
そこに、ゴルフの大切な気づきがある気がします。
私が「早打ち」を治せなかった頃の話
私自身、競技に出始めた頃、早打ちがなかなか直りませんでした。
同伴プレーヤーのルーティンが速い人だと、自分まで急いでしまう。
相手がパッと構えて、パッと打つと、なぜかこちらも急がないといけないような気がしてくる。
アドレスが決まる前に、もうバックスイングが始まっている。
当然、結果はよくありません。
「自分のリズムで打とう」
頭ではわかっているのに、体が周りに合わせようとしてしまう。
あの頃の私は、打つ前からすでに自分の一球を手放していたのかもしれません。
そんな時期に試したのが、構えたあとに深く息を吐くことでした。
クラブを構える。
目線をボールに落とす。
そして、ふっと息を吐く。
たった5秒です。
でもその5秒が、自分の中に「静けさの場所」をつくってくれました。
生徒さんが変わった、その5秒
レッスンに来てくださっている30代の女性にも、同じようなことがありました。
明るくて、練習への意欲も高い方です。
でも打席に立つと、どこか急いでいるように見えました。
構えるまでは丁寧。
けれど、構えた瞬間から打つまでがとても早い。
あるレッスンで、こんなお願いをしました。
「構えるまでは今まで通り丁寧に。構えたら、息を吐きながら頭を空にしてから動き出してみましょう」
最初は少し不思議そうな顔をされました。
「これ、意味ありますか?」
そんな表情です。
でも、実際にやってみると——打ったボールが、いつもと少し違う音を立てて飛んでいきました。
「あ」
彼女が小さく声を出しました。
「なんか、違う感じがしました」
そうなんです。
体が落ち着いた瞬間、クラブが正直に動いてくれたんです。
力で合わせにいくのではなく、自然に動き出せる感じ。
その日から、彼女の練習には小さな「間」が生まれました。
『静けさの中で精度は上がる』
この言葉を読むと、静かな場所で練習しなければいけないように感じるかもしれません。
でも、私はそうではないと思っています。
環境の静けさではなく、自分の内側の静けさ。
周りがうるさくても、打席が混んでいても、同伴者のプレーが速くても。
自分の中に、一瞬だけ止まれる場所をつくる。
それだけで、体の動きは少し変わってきます。
精度が上がるというのは、ただ技術が磨かれるということだけではありません。
自分のスイングが、ちゃんと自分のものになる。
そんな感覚に近いのだと思います。
急いで打った一球と、静かな間を置いてから打った一球。
手に残る感触は、きっと違います。
今日からひとつだけ試してほしいこと
毎球打つ前に、構えたら息をゆっくり吐いてみてください。
深呼吸じゃなくて大丈夫です。
ふっと一息、吐くだけ。
その一拍が、体の余分な力を少し抜いてくれます。
「なんか間が空いて恥ずかしい」
最初はそう感じるかもしれません。
でも大丈夫です。
周りは、こちらが思っているほど見ていません。
ゴルフ場にも練習場にも、案外みんな自分のことで精一杯です。
私もそうです。隣の人のスイングより、自分の右に曲がるボールで頭がいっぱいです。
だからこそ、自分のリズムを取り戻すことを大切にしていい。
夜の打席に、静かな一球を
照明が灯り始めた練習場。
昼間の喧騒が少し落ち着き、打球音がひとつひとつ丁寧に聞こえてくる時間。
クラブをいったん下げて、静かに息を吐く。
目線をボールに落とす。
グリップの感触を確かめる。
それから、ゆっくりとバックスイングを始める。
急がなくていい。
次の一球を、少しだけ丁寧に。
少しだけ、自分のリズムで。
静けさは、練習場のどこかにあるのではなく、自分の中につくれるものなのかもしれません。
練習中に「周りが気になるな」と感じた時、
あなたはどうやって自分のリズムを取り戻していますか?
「私はこんな工夫をしてるよ」
「いつもここで焦っちゃう!」など、
あなたのエピソードをぜひコメントで教えてくださいね。

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