世界文学を巡る旅〈13〉読書ノート: J. D. サリンジャー / サマセット・モーム
今回の記事は、現在読んでいる小説3冊の記録です。
『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモアー序章ー』
J.D. サリンジャー・著
野崎 孝・井上謙治 訳 (新潮文庫)
バディにとって、グラス家にとって、そして私たちにとって伝説となったシーモア・グラスは、どんな人物だったのか?
サリンジャーの分身とも言われるバディの語りに存分に浸れる作品です。
ちなみに、私はこの一節で吹き出してしまいました。
やっとこの話を終えた。と言うより、話のほうがわたしを見放したのかもしれない。
わたしは、どんな場合でも結末の所へ来ると、いつも心が掛けてしまう。あのチェーホフいじめのうるさ型サマセット・モームが発端、展開、結末と呼んだものがあるというだけで、わたしは子供の頃から、どれだけ短編小説を破り捨てたであろうか?
『The Catcher In The Rye』の主人公、ホールデンにとっても、サマセット・モームは「電話をかけたい気持ちになれないタイプの人」らしいですね。笑
「シーモアー序章ー」最後のバディの回想について、私は今のところ、私なりにこう解釈することにしています。
人生は、”聖なる場所”を求めて旅することではないと。
『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年』
J.D. サリンジャー・著
金原瑞人 訳 (新潮文庫)
サリンジャーの伝記が映画化された『ライ麦畑の反逆児』という作品を観て、またホールデン・コールフィールドに纏わる物語を読みたくなりました。
グラス家シリーズに属する『ハプワーズ』は、まだ読まずにとっておくつもりです。
『月と六ペンス』
サマセット・モーム 著
金原瑞人 訳 (新潮文庫)
バディやホールデンにあれこれと言われているモーム先生の長編です。『雨』で痛い目を見た( ? )はずなのに、また手にとってしまいました…
絵を描くためならどんなことでもするという、主人公の天才画家の生き方にとても興味が湧いたからです。
オンラインで注文したところ、中古で購入したはずなのに新品同様のコンディションの本が到着。
誰ですか?読まないで売ったのは…!
さっそく読み始めます。
話の方向性がなかなか見えてきません。
ここまでの話はすべて本筋には関係ない。
ええ、そうでしょうとも。
電車の中でも、公演の幕間にも、くたくたの夜も、せっせと辛抱強く読み続けました。
するとどうでしょう、バディが言及していた「発端」の部分を乗り越えたあたりから、急に続きが気になり出したのです…!
ところであのラストのくだりですけど、本筋はいったい何処へ…
