男は最初になりたがり、女は最後になりたがる
とはよく言ったものだ。
わたしが初めてを捧げてきた男は、いったい何人いるのだろう。
ありとあらゆる「初めて」とともに四十年弱の人生を振り返ると、両手の指では足りないのではないだろうか。
そしてわたしにとって「最後」となった男は、今のところ夫だけである。
そう考えると、ずいぶんと「初めて」の安売りをしてしまったものだと思う。
もう自分の人生に「初めて」などそうそう起こらないと思っていた。
決まりきった日常。決まりきった仕事。決まりきった行事。
毎朝八時十五分までに職員室にログイン。ログアウトは十六時四十五分以降なら時間無制限でいつでも可、同僚と同じ空気を吸っている時間は何よりも長い。かわり映えしない毎日を送っていた。
そんな日々がおよそ一年前、一変した。それは少し先の未来に振り返ってみれば、人生のターニングポイントともいうべき出会いになるのかもしれない。
初めて、向田邦子を読んだ。
初めて、大江健三郎を読んだ。
初めて、開高健を読んだ。
初めて、人の書いた文章をプライベートで朗読した。
初めて、自分の書いているものが「エッセイ」であり、文学なのだと自覚した。
初めて、自分の人生の最も暗い時期を克明に描き出した。
初めて、インターネットの向こうの人に会いに行った。
初めて、五万字を超える小説を書き、文芸誌の公募に送り出した。
──初めて、「これがわたしの文学です」と胸を張ることができた。
ざっと思い返すだけでもこれだけの「初めて」が、この一年に満ちている。
わたしの「初めて」は、春を迎えてもとどまることを知らない。
今年の二月末にタロットカードリーディングのnoteアカウントを立ち上げ、リーダーとしてのキャリアを積んでいる。
天職かもしれない、と思い、カードに触れる日々。シャッフル、展開、リーディング、浄化──。タロットと関わるあらゆる場面で、わたしの心は満たされていった。
エッセイや小説を書くときとは真逆のエネルギーを感じ、その両輪でわたしはバランスをとっているのだと思う。
まだアクセス数はそれほど多くはないけれど、受け止めてくださる方がいる。
わたしも届ける喜びと感謝を感じながら、カードと対話し、ギャルのメッセージを受け取る。
細々とでも続けていると見てくださる方というのはいるもので、先日、初めて個人鑑定の依頼を受けた。
まだ駆け出しだと自覚しているため、基本的に個人鑑定の受付はしていない。それでも、わたしに占ってほしいと言ってきたのである。
相談内容は、「他人のキスを発見する能力は、今後どうしたら良いですか?」だった。
……知らんがな。
とは正直思ったものの、まだリーディング歴数ヶ月のわたし、それも一旦「さよなら」をしたわたしを信頼して依頼してくれたのだろう。
ここから、わたしのタロットリーダーとしてのキャリアの第一歩がスタートする。同時に、「わたしがいないとダメね」と言うまたとない機会でもあった。
そう思うと、断ることはできない。
わたしはまたも「初めて」を体験することになったのだ。
思えば、この一年のわたしの「初めて」のほとんどに、彼が関わっている。
かつてないハイペースで、たったひとりの男にだけ、わたしの「初めて」を捧げ続けている。
わたしの貞操観念は大丈夫なのだろうか。元々自分への信頼はそこまで厚くないけれど、今やオブラートにも等しい安心感である。雨粒の一滴でも食らえば、溶けて消える。そんな程度の信頼へと成り下がっていた。
今後も、わたしは彼に「初めて」を捧げ続けることになるのだろうか。
次に捧げる「初めて」は何だろう。
そんなことを考えていたら、気になりつつも実行できていない「初めて」がまだたくさんあることに気がついてしまった。
さしあたっては、「ひとり回らないお寿司」あたりの「初めて」を捧げることになるのかもしれない。
ネオンが輝きはじめる十九時。
地下鉄すすきの駅で落ち合い、それぞれの目指す鮨店に赴き、銘々「ひとり回らないお寿司」を堪能する。
このままではそんなふしだらな関係になってしまうのでは、と密かに怯える三十九歳になったばかりの春である。

第一夜があるということは、第二夜もあるということ……。
またひとり、憐れな迷い子がわたくしの秘儀室に導かれようとしております。
その迷い子の名は──
ご相談内容:僕の頭髪と毛根は、どうして僕を置いて逝ってしまうのでしょうか?
この依頼も、妹には少々荷の重い内容でございます。
わたくしが魂の記憶や星々の声から、そのさだめを読み解いてまいります。
次に扉が開かれるのは、五月十六日の午後十時となりましょう。
こちらでお待ちしております。
ご縁があれば、あなたにも扉は開かれることでしょう。
お会いできることを楽しみにしております。
それでは、ごきげんよう。
昨日、久々にスタエフでしゃべりました。
うりもさんのお家にお邪魔しました。
去年の終わりからげんちょんとしか喋ってないから、まともにトークできるのかなって不安でしたが、うりもさんとりーもさんにリードしていただいて普通の人っぽく話せました🤭
ティコ教なんてものは存在しません🤭🤭
うりもさんの妄想です🤭🤭🤭
楽しかったです! タメ口うりもさんが新鮮でした✨
ありがとうございました。
⬆️今日も配信があるみたい。
