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【ラクしてきれいな家】① 床:ルンバが走れる家は、片づいた家

「片づけが得意です」と言うと、昔の私を知っている人は「どの口が」と思うかもしれない。何を隠そう、私は元・汚部屋住人である。

10代から20代半ばまで、床には服、テーブルにはDMや書けないボールペン、収納には年単位で開けてない箱、という部屋に住んでいた。探し物の時間に追われ、片づけは一大イベントだった。

だから今の家を見て「きれい好きなんですね」と言われると、少し恥ずかしい。私はきれい好きになったのではない。機械と仕組みで、散らからない・汚れない家にしているだけなのだ。

自分があとで困らないために

私はきれいな家は好きだけど、日がな一日掃除していたいわけじゃない。だから、根性ではなく構造を変えることにした。

まず、使わない物を捨てる。大きな物から小さな物まで容赦なく捨てる。そして、床に物を置かない。収納に物を詰め込みすぎない。見えるところに物を出しっぱなしにしない。1つ買ったら、1つ処分。ストックは1つまで。

これだけ聞くと立派な収納術っぽいが、実態はもっと切実だった。物が多すぎて収納からあふれ、無理に詰め込むと隙間がなくなる。出すとしまうのが億劫になる。床に物が雑多に放り置かれ、掃除ができず、探し物に時間を費やす。そんな部屋に人も呼べない。

物を減らせば、そのサイクルにハマらなくなる。当たり前なのだけど、実践は難しい。結婚、離婚、転居などで引っ越しのたびに大量の物を捨て、ようやく今の適正量に落ち着いたというのが正しい。

パソコンチェアはキャスター付き。観葉植物の鉢も動かしやすいよう、隠しキャスター付きの台に乗せている

世界のオータニが走れるかどうか

私の家の片づき具合は、ルンバが毎日走れるかどうかで判断している。床に服や紙袋やコードが転がっていたら、ルンバは働けない。つまり、ルンバが走れない家は、サッと掃除しにくい家ということだ。

私は毎日、自分で掃除機をかけるほど勤勉ではない。でもルンバのボタンを押すくらいはできる。ならば、ルンバが働ける家にすればいい。

床に物を置かない。ラグは敷かない。コードは浮かせるかまとめる。椅子はテーブルの上にあげられるか、すぐ動かせる重さや作りのものを選ぶ。家具は足付きにして、ホコリを溜めず、ルンバが通れるようにする。

リビングの足付き家具。ホコリが溜まらず、ルンバ様がスイスイと掃除してくれる

床が見えているだけで、部屋はかなり片づいて見えるし、実際に床に物がないと掃除は一気にラクになる。これは精神論ではなく、物理である。掃除の前に片づけなきゃ、という状態を作らない。掃除はルンバのボタンを押すだけ。私の場合、ここがいちばん効いた。

今は床拭き機能一体型のロボット掃除機が主流だが、私の家では床拭きロボのブラーバも現役だ。ルンバは毎日、ブラーバは週1~2回。これで床はかなりキレイになる。

ちなみに私のルンバは「大谷翔平」と名付けている。我が家は世界のオータニが掃除をしているのである。たまに「大谷翔平が助けを求めています!」とスマホに通知が来るのが楽しい。

「大谷翔平」ことルンバと、静かに床掃除するブラーバ。ともに6年ほど活躍する働き者。なぜか黒猫のあたる君は大谷翔平をよくいじめている
大谷翔平からはエラーやピンチのたびにメッセージが送られてくる

散らかさないために、余白を残す

収納は、全部埋めたら負けだと思っている。昔の私は、空いている場所を見ると「まだ入る」と思っていた。今は「空いているからこそ使いやすい」と思う。

棚も引き出しもクローゼットも、奥に手前にギューギューに詰め込むと、出し入れが面倒になる。戻すのが面倒になり、そのへんに置く。それが、家崩壊の序曲となる。

汚部屋への道は、だいたい小さな「あとで」で舗装されている。その道が固まり、長くなるとほんとに復旧が大変だ。なので「今やる」。そのため私は、パッと戻せる量、すなわち余白を少し残しておくようにしている。目標は8割収納だ。

8割収納の例。左はキッチンの上戸棚、右はTVボードの引き出し。ざっくり区切って、詰め込みすぎないことが、見やすい・出しやすい・戻しやすいにつながる

収納ボックスを揃えてラベルを貼るといった見た目の美しさより、戻す時のラクさを優先する。収納用品も、増やしすぎると逆に管理が面倒なので、必要以上に買わない。

家がきれいだと、気分がいい。でも、きれいな家を維持するために毎日がんばるのは、私のズボラ精神が許さない。だから、がんばらなくても保てる仕組みにする。ルンバが走れる床、詰め込まない収納、すぐ戻せる物量。

私の片づけは、美意識というより危機管理に近い。放っておくと自分が散らかすことを、私はよく知っている。だから先回りして、散らかりにくい家にしておくのだ。ラクしてきれいな家は、怠け者なりに考えた、生き延びるための生活技術である。

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ルンバが走れる家にしておくと、床だけでなく、冷蔵庫・キッチン・水回りも“がんばらずにきれいを保つ”方向へ整えやすくなります。

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