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【ムダが嫌い】②仕事術:元・汚部屋住人からの超整理法

恥ずかしながら、私は20代半ばまで汚部屋住人だった。30歳近くになるまで、仕事机の上も資料が山積みで、出力したカンプを探すだけで何分もムダにしていた。資料が地層になっているから、何日前のカンプだとこのあたり?という発掘法だったから。

たった数分。でも、それが一日に15分あり、1年243日仕事するとして、3645分=60.75時間。何年も続いたら、人生どれだけの時間を探し物に使うのか。そう思うと、怖くなった。きっかけのひとつは、野口悠紀雄さんの『「超」整理法』を読んだことだった。

封筒ひとつで、仕事は止まらなくなった

当時の私は、取材や出張でオフィスを不在にすることが多かった。さらに、娘を出産して復職してからは、18時に会社を出なくてはならなかった。不夜城の広告制作会社では当時ありえない勤務スタイルだ。自分の机の上に資料が埋もれていると、私がいない間にデザイナーが急に必要になった資料を見られない。実際、それで迷惑をかけたこともあった。

そこで、紙の資料を案件ごとに封筒で管理するようになった。

やり方は、案件ごとにA4封筒を用意し、右側のベロにマジックで案件名を書く。封筒を立てて置くと、その案件名が手前から見える。さらに、A4で出力したその案件のスケジュールを封筒の表面にテープで貼る。封筒を手に取るだけで、進行状況がひと目でわかる。

当時の封筒を再現。封筒はB4サイズ、ベロの右肩に案件名、表面にA4出力したスケジュールを貼っていた

動いている案件の封筒は、一番手に取りやすい棚に置く。お客さんから電話がかかってきたら、すぐに取り出せるようにする。取り出した封筒は、自分に近い左側へ置く。よく動いている案件ほど近くにあり、あまり動かない案件は自然と遠くなる。案件が終わったら下の棚に移し、3カ月ほど経ったら処分する。

このやり方にしてから、私が取材先にいても、出張中でも、退社後でも、必要があればデザイナーが私の資料を見られるようになった。私が出先でその資料の情報が必要になった時も、電話で聞けるようになった。

封筒からiCloudへ、仕組みは変わっても目的は同じ

会社で動いている案件全体のスケジュールは、デザイナーごとに管理している。誰が、どの案件を、いつまでに進めるのか。そこが見えていないと、仕事全体が詰まるからだ。

一方で、自分が関わる仕事のToDoは、以前は手帳や、封筒に貼った案件ごとのスケジュールで管理していた。今は、全体スケジュールを見ながら、まだ終わっていないタスクに関するメールやSlackを未読にして、漏れを防いでいる。未読は、私にとって「まだ終わっていない」の印だ。完了したら既読にする。単純だけれど、忘れにくい。

封筒管理の考え方は、今のデータ管理にもそのまま残っている。iCloudには、ここ10年ほどの仕事データをすべて格納している。大きくはクライアントごとのフォルダに分けていて、今なら主に4社分。そのクライアントフォルダの中に、現在動いている案件名のフォルダと「済み」フォルダを作る。アクティブな案件フォルダはショートカットを作ってデスクトップに置く。案件が終わったら、フォルダ本体を「済み」に移し、ショートカットは削除する。

紙の封筒が、クラウド上のフォルダに変わっただけだ。動いているものは手前に置く。終わったものは奥に送る。道具は変わっても、考え方は同じだ。

動いている案件はPCのデスクトップ画面に、案件フォルダのショートカットを置く。案件が終われば案件フォルダを「済み」フォルダへ移し、ショートカットは削除

一方で、メールはあえて細かく分けていない。スレッド別や案件別のフォルダは作らず、基本的には受信箱にすべて入れている。なぜなら、1通のメールに2つの案件のことが書かれていることもあるし、案件未満の打診の段階では分類先のフォルダが作りにくいからだ。

メールを探す時は、送信者/日付/件名でソート(並べ替え)する。あるいは本文中のフレーズで検索する。私の仕事では、そのほうが早い。

整理整頓のゴールは「時間の余白」

今でこそ、仕事場も家も片付いていてモノが少ないが、もともと整理整頓好きだったわけではない。探し物で時間をロスすること、何度も同じルーティンを繰り返すこと、自分がいないだけで仕事が止まること。こういうムダを排除していったら、結果的に汚部屋&汚机から脱出できた。

封筒、棚、手帳、メール、Slack、クラウド。使う道具は変わっても、目的はずっと同じだ。
探さない。迷わない。止めない。
そうして私が欲しかったもの。それはムダな時間を余白時間に変えることだった。

余白があれば、急なトラブルにすぐ動ける。予定外の打ち合わせに行ける。急ぎの企画を考えられる。資料探しと称して銀座をぶらつくこともできる。

余白は、ただの空き時間ではない。
急な仕事にも、こそっとカフェにも動ける、私の機動力なのだ。

今は完全リモートワークで、自宅リビングを仕事場にしている。それを機に完全ペーパーレス化。今でこそ片付いてるけど、元汚部屋住人です

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仕事も片づけも、才能や気合いより、“止めない・詰まらせない・戻しやすくする”仕組みが大事だと思っています。ムダを減らす考え方、信頼資産の積み上げ方、そして元・汚部屋住人が今たどり着いた家の仕組みについてはこちらにも書いています。


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