【ARMY目線】NewJeansとナムさんと「涙の防弾会食」
始まりはYahoo!寄稿記事
最近、HYBE子レーベルのADORとNewJeansとの裁判が進展したため、関連ニュースを読んでいた結果、AIからもその手の記事がおススメされるようになってしまいました。
その中で気になったのがこれ。
Xでつぶやいたら、わりと憤慨しているARMYが多く、この記事を寄稿したエキスパートの松谷氏には、以前から意見を問題視する見方があったことを知りました。ごめん知らずに触っちゃった(/ω\)
興味深いが何点か残念……
— 音色 (@thracia776_bts) March 24, 2025
・問題はK-POPの構造的矛盾ではなく、タンパリングと契約軽視
・BTSの軍白期を牽引したのはセブチ
🔗https://t.co/PP7bnp0YtB
あと、ナムさんを巻き込まないで欲しい。
「NewJeans vs ADOR」紛争が向かう先──期待される第三者の仲裁(松谷創一郎)https://t.co/D4MInGdLlA
仲裁への期待と反発
ARMYがどこに反発したかというと(私もしましたが)、この記事の文末に「RMにNewJeansとADOR間の仲裁を期待したい」という意の記述があった点だと思うんですよね。何でやねん。

記事内容を追うだけでは、どういう根拠で仲裁を期待されているのかわからなかったので、単に「ニュジおじ(NewJeansファン)なのかな」と思っていたのですが、たまたまXでのARMYとのやり取りを見かけました。

「過去に言及していた」はどの発言を指しているのでしょうか。
元記事にも「RMは、かねてからアイドルの働き方についてメッセージを発してきた」とあるのですが、ナムさんがK-POPの働き方改革みたいな話をしたことがあったのでしょうか。
興味があったので読みに行ってみました。
ナムさんは何を語ったのか
実際にナムさんの発言が引用されているのは、別の記事でした。
記事内にリンクされていたのがこちら。前後編みたいな作りになっており、これが後編。
ナムさん発言が引用されていたのがこちら。これが前編です。
「K-POPやアイドルというシステム自体が、とにかくひとを成熟させない。ずっとなにかを撮らないといけないし、ずっとなにかをしないといけないから。これでは、成長する時間がない」
RMが一石を投じたのは、こうしたプロダクション主導のK-POPグループのシステムや、それによって生じる過密スケジュールでメンバーが疲弊していく構造的問題だと捉えられる。
原発言はこちら
引用文は日本語字幕から。文脈理解のため、長めに引用しています。
喋り言葉ですが、要約せずにそのまま載せます。句読点など、記号と改行だけ補っています。
僕は音楽を始めてBTSになったことが――世の中に何かを伝えたくて、何かを込めたくて始めたんですが、正直「ON」の後からは、僕はどうすればいいのかわからなかったんです。
でもコロナという言い訳もできて「Dynamite」「Butter」「Permission to Dance」「Life Goes On」をやりながら、僕はこう思っていました。なんかチームが確実に変わったなと。
認めないといけないし、変わったんだけど、 僕が思うにBTSが「ON」や「Dynamite」までは僕たちチームが 僕の手の上にいた感じだったんですが 、「Butter」や 「Permission to Dance」を やりながら僕は――僕たちがどんなチームなのか よくわからなくなってきて。
僕はいつも何か……歌詞を主に書くのもそうですし、どんな話やメッセージを投げかけるのかがすごく僕にとって重要ですし、僕が生きていく意味なんですけど、そういうのがなくなった気がしたんです。
なので何を話せばいいのかもわからないし、とにかくBTSは他のチームとはいろんな面で違うと思ってきたし、こういう部分に関しても――でも問題は K-POPというのもそうですし、アイドルというシステム自体が人を熟成させてはくれないみたいです。
何かを撮り続けないといけないし、何かをし続けないといけないから、朝出てきて、ヘアメイクしたりいろいろしていると、自分が成長する時間がないんです。
単純に実力的なものじゃなくて、僕が人間として10年前とはかなり変わったんですけど、自分でたくさん考えて裏で一人の時間を過ごしてから、そういったものが熟成されて、自分のものとして出てこなければならないのに――昔はこういうのを両立できていたんですけど、今は10年という時間を BTSとして過ごしてきてみたら、一緒に物理的なスケジュールをこなしながら自分が熟成することができないんです。
僕が世の中に対してやりたいことがあって、今僕たちがこの全盛期を迎えた時点で、世の中にどんな形であろうと機能するべきだと思うんですが何をすべきかはわからなくて、でも何か見せ続けていかなければならなくて
――だから、僕が考える隙を与えてくれないんです。
我に返って、僕がどんな人でBTSがどんなチームで、僕はなぜここにいてメンバーが僕にとってどんな人で、それから僕たちがこれからどうやって進んでいくべきなのか、頭の中で認識してインタビューして 歌詞を書きたいんですが、いつからかわからなくなったんです。
僕たちがどんなチームなのか、これからどうするべきなのか、全くわからないという気持ちが大きかったです。僕たちのチームがどこに向かっていくべきなのか、全くわからないという。
私の意見
松谷氏は、前提となっているナムさんの発言への理解が、私と異なるのではないかと思いました。
防弾会食発言を振り返ると、ナムさんが語っているのは
「物理的なスケジュールをこなす中で、自分の成長や思考の熟成を両立できないこと」
「世の中に貢献したいという気持ちはあるものの、何をすべきかわからず、常に追い立てられるようなプレッシャーとの間で板挟みであること」
「アイドルとして1つの目標地点に辿り着いた後、方向の変化やアイデンティティの模索を受け入れるための時間が必要なこと」
であるように受け取れます。
これは、K-POPの働き方改革を意図した発言ではないと思われます。
この文脈でナムさんが述べているのは、「アイドルシステムそのものへの構造的批判」ではなく、「自分たちが置かれた特殊な状況への疲労と葛藤」を表現した内省的な吐露ではないでしょうか。
この時、兵役問題は政府も絡んで紛糾していました。先の展開に言及できない状態で、最大限複雑な胸の内を打ち明けてくれていたと思います。
前後編の記事を両方を読んだ限りでは、ナムさんの発言の背景にある、当時のグローバルアイコンとしての重圧や兵役問題などが考慮されておらず、「アイドルシステム全体への批判」という範囲に切り取られ、矮小化されて受け取られているように感じられました。
論拠と反論まとめ
仲裁の期待を表明した松谷氏の論拠:
①RMは業界全体の未来を講ずる公共的な知性を有しているから
②RMは「アイドル」という形式の文化について過去に言及していたから
私の意見:
①知性や過去発言の有無は、具体的な紛争解決能力には直結しないし、関与の理由にはならない。そのため、ナムさんの個人的な影響力を過大評価し、問題解決の責任を押し付けているように映る。
②NewJeansの紛争はADORとの契約問題によるものだが、ナムさんの過去発言はそうではない。そのため、文脈が繋がっていないように感じられ、論理性が疑われる。
まとめますと、「RMが仲裁者として適任」という主張は、薄弱な論理と拡大解釈に基づいたものであり、個人的な期待や理想が投影された提案であるように見えます。
また、不用意な指名に加え、「問題を解決に導いてくれるといいな」という楽観性と具体的プランのなさが、「関係のない第三者に責任を押し付けている」という印象を強めているようにも感じられます。
2025年3月時点でナムさんは兵役中であり、両者との直接的関係もないため、実現性がありません。
ARMY側からすれば完全に巻き込まれ事故ですし、個人的には「ミン・ヒジンとNewJeansの騒動は、BTSが持ってる株の価値=彼らが二回も契約更新し屋台骨として支え続けている会社の価値を下げたわけだが、どこから仲裁してもらえる発想が出るのだろうか」と思わなくもないです。あっ本音が(/ω\)
ざっくりまとめると、どっちの件も特殊例であり一般化できないので、それはそれ、これはこれ、混ぜるな危険、になります。
仲裁は必要なのか
NewJeansとADORの場合は、外からの助けを求める前に、まず当事者間で対話が行われるべきだと思います。
専属契約の解除はできますし、先例もあります。皆裁判で手続きを踏んでやってるんです。独立後の名前の継続使用についても、事務所と交渉してやっている例があります。
仮処分判決文でも言われていたのですが、「一方的に通告」「連絡に応じない」はよくありません。これは信頼の問題ではなく、社会人としての問題です。
さらにメンバーらは、本件専属契約第15条第1項に基づく14日間の猶予期間が経過する前に本件専属契約を解除するという趣旨の記者会見を行い、その猶予期間が過ぎるとすぐにADORに本件専属契約を解除するという内容の通知をした。その後、メンバーらは一方的にADORからの連絡に応じなかった。これらの事情を総合すると、メンバーらの一方的な専属契約解除通告により、ADORが本件専属契約に基づくマネジメント業務を遂行できなかった側面もあると思われる。
NewJeansは「会社が悪いから契約は解除する&違約金は払わない」「信頼がないから話はしない」をやるから裁判になっているのではないでしょうか。
ADORの声明には毎回話し合いがしたいと書いてありますし、裁判所も「連絡に応じなかった」と判決文で触れています。
親に連絡したら陰で工作したと言われるし、外国籍であるハニの芸能ビザ更新の手続きもしてたのに、それを無視するから不法滞在者になったと記事にされるし、端から見たらADORも大変です。
この状況を踏まえると、松谷氏の記事にある
「今後はADORがどれほど譲歩するかがポイントとなり、譲歩しなければ裁判が続くことになる」
も論理的にはおかしく、
「今後はNewJeansがADORとの対話を行うかどうかがポイントとなり、対話しなければ裁判が続くことになる」
が正しいと思われます。
これは余談であり妄想ですが、私がミン・ヒジンだったら、NewJeansとADORの対話は全力で阻止しますね。FIFTY FIFTYのキナ(要するに離脱者)が出ると困るから。
結論
松谷氏の記事は、バンタンにしろNewJeansにせよ、事象に関する記述は合っている部分が多いと思います。実際、途中まではなるほど、と思って読めます。
しかし何故か、解釈の段階で私と読み取りが全く異なる部分が発生します。今回、実際に記事を読んで考えてみるに、その違和感は、背景情報の把握不足から来るものが大きいように感じられます。
例えば、「一方BTS不在期のHYBEの穴を見事に埋めたのは間違いなくNewJeansだった」という記述に関しても、該当期間のHYBE決算表を参照した上で書かれていれば……と思います。
そこがないので論理が合わず、事実より希望が出てしまっているように見えてしまうんですよね。実質牽引した貢献度トップは、セブチだと思われます。

BTSの音楽面だけでなく、もう少し幅広い背景事情も考慮してもらえば、解釈のズレが抑えられ、記事としての説得力が出たのでは……と思うのは、私がARMYだからなのでしょうか。
ただの一ファンとしての発言ならともかく、エキスパート寄稿として書かれた文章ですので、残念に思います。
記事を読んだ限りでは、この認識のズレは埋まらないと思われます。
ただ単にアクセス数アップ狙いでバンタンをトッピングしておきました、というだけでなく、論拠のベースになる事実の把握の段階から誤解を感じますし、その上での論理展開に筆者は違和感を持っていない(むしろ自信があるように見える)からです。
不適切な記述があればコミュニティノートやフィードバック、レポートで対応し、憤慨されているARMYはブロック・ミュートで回避されるのが精神衛生に良いと思います。
お口直しに記事紹介
残念ながら、BTSはK-POP代表選手ですしナムさんはそのリーダーですので、何かというと話題に出されます。
「NewJeansとナムさん」というくくりだと、例えばこちらの本国記事があるのですが、前述の記事と比べると読後感はずっと良いです。
インタビュー中、ハニは「K-POP全体に非常に構造的な問題があります。企業がアーティストを実際の人として扱わず、商品として見ていることです」と、K-POP産業について痛烈に批判しました。

この発言と対比する形で引用されたのは、ナムさんのこの発言でした。
記者がRMに「'K'という修飾語(訳注:K-POPを指す)にうんざりしていないか」というやや失礼な質問をし、その場の雰囲気を微妙にしました。
これに対してRMは、「Spotifyのような音楽ストリーミングサービスが僕たち全員を'K-POP'と呼ぶことにうんざりすることもあるかもしれませんが、それはプレミアムラベルです」と答え、「僕たちの先祖が戦って獲得しようと努力した品質保証のようなものです」と付け加えました。
さらに、「K-POPアイドルシステムは、アーティストを非人間的な存在にしてしまうのではないか」という質問に対しては、「部分的には認めます。記者の方々は『ひどいシステムだ、若者たちを破壊している』と言いますが、そういった点が特別な産業を作り出している面もあります」と述べ、「契約書や金銭面、教育的な面でも状況は大きく改善されました」と付け加えました。
この内容、失礼な質問をした海外メディアに対し、スマートに切り返した回答が痛快だと喜ばれ、当時も多くの記事に引用・転載されていました。
カッコいいので、よろしければ原文をお読みください。おおよそで良ければ、私のリンク集記事にも和訳があります。
NewJeansのK-POP業界批判とは対照的に、デビュー12年目(インタビュー当時10年目)のRMと、デビュー3年目のNewJeansとでは「深みが違う」という意見も出ています。
私はまだ少ししかバンタンを見てきていませんが、彼らは韓国とK-POPを愛していると思っていますし、既に多くの影響を与えていると感じています。
これ以上のものを被せてほしくはありませんし、バンタンが彼らの行動に相応しい敬意をもって扱われることを望みます。
でも新たな挑戦は好きですね。僕らの新たな挑戦が、業界の標準になるのも面白い。BTSのメンバーで誇らしいです。僕はK-POPを愛してます。
いいなと思ったら応援しよう!
もしこの記事が気に入ったり、役に立ったりしたら、コーヒー1杯奢ってください。やる気が出ます!( *´艸`)