共産主義とメルヘン〜プラハ・チェコ🇨🇿 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #23-2
【Day79: プラハ】
雨のプラハ2日目、バカンス民族大移動の波を感じつつプランニングに翻弄される。共産主義博物館で雨でも充実の1日に。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##まさかの満席に呆然
雨がしとしと降る6月下旬の朝、前日の予報どおりしっかりと雨が降っているので、しばらくベッドでゴロゴロして過ごす。
ヨーロッパ南部から北上し、オーストリアあたりからだいぶ涼しくなってきたが、プラハで雨が降ったりなんかするともう半袖ではいられない寒さになる。
寒いのは苦手なので外に出たくなかったけれど、次なる目的地ポーランドへのチケットを取るためのろのろと駅のチケット売り場へ向かった。明日の夜行列車でポーランドのクラクフまで向かおうと駅窓口のお兄さんに告げると衝撃の回答、
「明日の夜は全部満席だね、寝台も座席も全部いっぱい」
と事もなげに言う。
なんですと!?この旅では幸いにして今まで予約で一杯というシチュエーションに遭遇しなかったので完全に気を抜いていた。
「私はどうすれば・・・」
とすがるようにお兄さんにアドバイスを求めると
「他にはバスなんかもあるけど6月最後の金曜だからねー、キャンセルが出るかもしれないからまた来てみたら」
と歯切れの悪いお言葉。
明日の夜は金曜日、もう6月だしバカンス時期に突入しているのかもしれない。

ジュビリーシナゴーグ。色使いがおもちゃ箱みたいだ
緊急事態発生でのんびりしては居られないので、スーパーでお昼ご飯を調達してそそくさと部屋に戻り調べ物を開始した。
バスの便を検索するといい感じの時間設定の夜行バスは満席、残り日数少ない中ではあるがチェコのほかの街に留まるプランやらいろいろと試行錯誤してみるが、思い通りにならない行程に疲れてきてしまった。
キャンセルが出るかも、って言っていたけどそんな都合よくいくものだろうか、バスのカウンターに聞きに行ってみるかな、なんて思いつつひとまず検索魔を中断してリフレッシュがてら外に出かけることにした。
##共産主義時代の足跡を探す
雨の日のプランとして、ネーミングからして気になっていた“共産主義博物館”を訪れてみることにする。
学生時代のドイツの旅でベルリンのチェックポイント・チャーリー博物館を訪れ、東西ドイツ分断の記録が当時の人々の生活とともに展示されていたのがとても印象的で、こちらの博物館にもがぜん興味津々だったのだ。
ビルの中にあるこじんまりした博物館ながら、新しい雰囲気で展示も工夫されていてめちゃくちゃ面白い。

まさにこの順で追体験できる素晴らしい展示
理想を掲げてスタートした共産主義が、だんだんと歯車が狂い恐怖政治に変わっていく様子を体感できるような展示になっていて、当時の先進的な団地での暮らしぶりや子供部屋の充実した様子なんかを見ていると、当初はみんなの幸せを追求していただけなのになぁ、と何が正解なのか分からなくなってくる。

ソ連の成功は誇らしかっただろう

団地の生活は、当時の理想だったのだろう

銃声や怒号、音の演出も迫力がある

入口にはマルクスが居て、出口にはレーニンとスターリンが立っているあたりもなんだか皮肉が効いているようで、時間を忘れてじっくり解説を読んでいたらこの小さな博物館に3時間も滞在してしまった。

じっくり室内で楽しんでいる間に雨も止んだので、昨日行けなかったプラハ城まで足を伸ばしてみる。

##美しい景観が守られた歴史地区
プラハ城は川を渡った高台にあり昨夜は美しくライトアップされた姿が見えていたが、お城側から街を一望する眺めも素晴らしいようで、雨であっても行ってみようと思っていたところだった。

どんより曇り空のままではあるが、幸い傘の必要はなくパステルカラーの建物が並ぶメルヘンチックな街並みを抜けて坂道を登っていく。

すでに19時を過ぎてお城は閉まっているせいなのか、お城前の広大な広場にはほとんど人がおらず美しい広場を独り占めしている気分!
写真で見るお城前は人だかりしているものが多いので、こんな時間に来たからこそ感じられる貴重な静寂だ。

静寂の広場がまた贅沢な時間
それにしてもすごいと思うのは、広大な石畳の広場には塵一つ落ちておらず、イタリアなんかだとよく石畳に挟まっている吸い殻なんかも見当たらない。
街の美観を維持する努力の賜物だな、とプラハの人々の継続的な頑張りに感心してしまった。
##オレンジ屋根広がるメルヘン世界
高台にある広場からは街が一望できるのだが、これがまた素晴らしい景色。

オレンジ屋根がはるか遠くまで続いているように見えてところどころに尖塔が見えるのもまた素敵。
この景色が一望できる場所にスタバのルーフトップ席が見え、ここには韓国女子が集まって写真撮影にいそしんでいる。

みんな素敵な場所をよく知ってるなぁ、完全に情報不足な私はお城に入ることもままならないけれど、まぁ仕方ない。
地図を見るのが苦手なのでこんな入り組んだ街で目的の場所を探すのは難易度が高すぎる。

言い聞かせている。調べるのが面倒なだけ
適当に歩いて帰ろう、と気が向くままに階段を下り、目についた小さなレストランでこの日もグラーシュと黒ビール。
ここのグラーシュは大きなハードパンをくり抜いた中に入っていてボリューム満点の夕食だった。

##リカバリー成功
懸案だったポーランド行きを何とかするため、ホテルに戻る前にダメ元でもう一度駅のチケットカウンターを尋ねてみると、渋い顔をしながら端末を叩いていた男性が、
「1席だけあるよ、2等の座席だけど」
と言う。
寝台じゃなく座席で夜行かー、結構しんどいな、2等ってどれくらい狭いんだろう?と不安が頭をよぎるけれど、このチャンスを逃すわけにはいかないのですぐに1席押さえてもらう。
400円弱の指定料金で乗れちゃう夜行列車、どんなものなのか恐ろしいけれど背に腹は代えられないので致し方ない。
少しホッとしたので、部屋に帰ってポーランドの予定を立てることにしたのだが、またもやここで問題が発生。
クラクフに行くとなると、近くにあるアウシュビッツの見学はやはり行っておくべきだろうか、行ったことある人からは一度は見ておいたほうが良いと勧められていたし。
ぐるぐると思案し、心を決めて入り方を調べてみるとサイトで予約が必要とのこと、早速予約をしようとするとすでに明後日土曜日の予約はいっぱいになっている。
バカンスシーズン恐るべし!
当日並んで入れる場合もあるようだが、それでは丸一日かかってしまいそうだし。
いろいろ調べながら悩んでいると、いいことを思いついた!現地発着ツアーはないだろうか?
早速調べてみると、都合良くクラクフ駅前からバスで連れて行ってくれるツアーを発見し早速予約。危ういところでリカバリーできて、当初考えていたとおりのスケジュールでクラクフ1泊のホテルも予約する。
旅の手配に翻弄された一日。こんな日もあるさ、と安心して眠りについた。

🚊次回、チェコ人の友人が住む街へ。観光地でもない街の美しさに驚く。
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
