霧の収容所、ひつじ雲の街〜クラクフ・ポーランド🇵🇱 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #24-1
【Day81: クラクフ↔︎アウシュビッツ】
夜行列車でチェコからポーランド入り。クラクフに到着して間もなくアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所見学へ。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##アウシュビッツ収容所ツアーへ
早朝のクラクフは霧に覆われていてとにかく寒い。
アウシュビッツツアーは朝7時過ぎの出発という早さなので、駅近ホテルに荷物を預けお手洗いで身支度を整える。
嬉しかったのは、この旅ではじめて!日本のコンビニのような店舗を見つけたこと。24時間営業ではないようだが朝早くにすでに開いていて、ホットコーヒーが買えるのだ。

(参考画像)
ヨーロッパでは個人商店のようなお店が多いし、朝早くから夜遅くまでやっているような店もなかなかないので、こんな店舗を見ただけで「ここなら住める」と思えてきてしまう。
ホクホクしながらピックアップ場所まで行くと、すでに観光バスが2台停まっていてあとからあとからツアーの参加者がやってくる。
英語ツアーでもあるので欧米の個人客がほとんどという様子、若い方から中高年まで私のバスは30人くらいのグループになった。
##ガイドさんの言葉が沁みる
バカンスシーズン到来で直接予約が叶わなかったため、仕方なく申し込んだこのツアーだったが、これが実に素晴らしかった。


バス送迎も、行列に並ばずに入場できたことももちろんだが、とにかくガイドさんがとても良くて、私のバスのガイドさんだった60前後の落ち着いた男性は、ゆっくりと分かりやすい言葉で噛みしめながら説明をしてくれるので、いろいろなことを考えさせられる時間を過ごすことができた。


彼は“SYSTEM”という言葉を多用していたのだがまさにその通りと感じて、これは高度に組織化された行為であって、遂行する側は実に素早く大規模に完璧な仕事をしている、ということを実感させられる。
次元は全く違うが私たちの日々の仕事などでも、立ち止まって考え、違うと思うことには違うと立ち向かう、ということの大切さと難しさを改めて考えてしまうのだった。

ガイドさんの心のこもった説明は、たぶん私の英語力では半分程度しか聞き取れていないと思うけれど充分に気持ちが伝わるもので、特に締めくくりに彼が言った、
「選挙の際は二度でも三度でも、よく考えて投票してください」
という言葉が実感のこもった重い言葉として印象に残った。
これは一人の狂気が生んだ悲劇ではなく、一人一人の選択と思考停止の行き着く先だったのだろう。
その後の国政選挙のたびに、ガイドさんの言葉が思い出される。
アウシュビッツ=ビルケナウ収容所はとにかく広大で、いつもは私の心を躍らせる線路が、暗い空が広がる第二収容所施設に長く伸びているのがまた強烈な光景として印象に残るものだった。


100人以上が押し込められて運ばれてきたのだとか

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##週末で賑わうクラクフの街
充実したツアーを終えクラクフに戻った頃には、どんよりした曇り空が少し晴れてきて城壁の街を明るく照らし始める。
ここクラクフの旧市街も、中世の雰囲気を色濃く残す城壁都市で高くそびえる城壁の前を通過するトラムが絵になる街。

夜行明けでさすがに疲れているので、シャワーを浴びて昼寝してからの始動になったが、暗くなるのが遅いのがありがたい。
この日のクラクフは空いっぱいにひつじ雲が出ていて、雲の合間から光が差し込む幻想的なお天気の中、週末ということもありたくさんの人が集まっている。

城壁のアーチをくぐるとそこはもう、お祭りでもあるのではないかという人通りで、サックスを吹く人やバイオリンを弾く人などあちらこちらにパフォーマーの姿が見える。
少し歩いてすぐにおや?と思ったのが、これらの音楽家たちの演奏がやたらとレベルが高いこと。素人目にもめちゃくちゃ上手い!と感じて近くに音楽学校でもあるのかしら?と想像してしまう。

クラクフは長くポーランドの首都として栄えた古都だということで、趣ある立派な建物が立ち並んでいる中、古めかしい城壁も残されているのが素敵なところだ。

中央広場は一層賑わっていて、観光客を乗せる馬車やら、演奏をする人、歌う人、大道芸をする人などあちこちで人の輪ができている。
ここでも聞こえてくる歌声があまりに上手なので、一体この街はなんなんだ!?と思いながら人波の中をぶらぶらと歩いてみた。
人がこれだけ多いのに空が開けているので窮屈な感じがなくて心地よく、ひつじ雲がいい具合のアクセントになっている。

人がいっぱいいるところは嫌いなのにここは何だか居心地が良くて、それが美しい景色のせいなのかレベルの高い音楽のせいなのか分からなかった。
##アートに溢れる美しい街
20時を過ぎ、空がほんのり色づいてきたが、お城は見ておこうということで坂道を登って高台にあるヴァヴェル城まで行ってみる。

この時間は人もまばらで怖いくらいだったが、美しく手入れされた庭園の色とりどりのお花と赤く染まったひつじ雲の空がめちゃくちゃ綺麗で、自分だけがこの瞬間の景色を独り占めしている気持ちになって感激してしまう。


高台からは夕焼けに照らされた川も見えて、お城の周囲を見て回るだけでも見ごたえ充分だった。

お城までの道中にはあちらこちらに謎のオブジェがあり、音楽だけでなく現代アートのレベルも高いところなのかも?と思えてくる。



大学がいくつかある学術都市でもあるようなので、京都みたいにポーランドの人も憧れるような街なのだろうか、ゆったりした時間が流れているような気がするこの街は妙に居心地よく感じるのだった。
##ポーランドグルメにトライ
朝からパンしか食べてないのでこの日はちょっと豪勢にいっちゃおうかな、ということでレストランを物色し、1軒のおしゃれなお店に入ってみる。
昨日チェコの友人にポーランドに行ったらこれを食べるべし!と教えられたピエロギと、メニューを見て気になったビーツとマスカルポーネのスープをワインとともにオーダー。

見た目は完全にボルシチだけど、このお店の創作料理なのかマスカルポーネチーズがクリーミーに溶けてまろやかなに感じる。美味しい!
そしてピエロギ、中身はいろいろなバージョンがあり悩んだ末にお肉にしたけれど、量は多いし結構脂っこいしで、二杯目のワインとともに食べ進めたけれど全部は食べきれず。

大食の私が美味しいお料理を残すなんて…不覚。
おなかいっぱいになって外に出ると空はすっかり暗くなっていて広場が美しくライトアップされている。

中はお土産物屋さんいっぱいで楽しい
空にたちこめる雲がライトに照らされてとっても幻想的!夜景までたっぷり堪能できて短い時間ながらこの小さな街にすっかり魅了された。

夜の街も歩きやすい
🚊次回、雨の一日、ポーランド高速鉄道で首都ワルシャワへ
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
