チェスキー・クルムロフ、おとぎ話の街を歩く〜チェコ🇨🇿 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #23-4
【Day80: チェスキー・クルムロフ→クラクフ】
チェコ南部の街チェスケー・ブジョヨヴィツェで友人と会い、そのまま車で世界遺産の可愛い街へ
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
********************
##絶景ビュースポットの現実
友人と再会した街から車で40分ほど。
たわいない話をしていると、あっという間に目的地チェスキー・クルムロフに到着し、お互いの無事を祈り合ってお別れ。
ここから再びのひとり旅だ。
近くの街に住む彼は家族としょっちゅうこの街に来るそうで、「ここを登ると一番のビューポイントに着くよ!」と教えてくれた。

駐車場から急坂を登った高台には、カラフルなお花が咲く庭園が広がっていて、展望スポットはどこかな?と見回していると、団体客が細い通路からワラワラと出てくる。
あそこだな、と向かっていくと向こうのほうからワイワイガヤガヤ、ウィーンで見たような中国の団体客がやってきて小さな入口に入ろうとしている私を押しのけて我先に次々と入って行くので、一向に中に入れない。
ようやく入れた時には、小さな展望テラスは撮影大会のカオスになっていて景色に全く集中できない光景が広がっていた。
人垣でよく見えないけれど、私も負けじとじわりじわりと端に進んでいき、緑の森に抱かれたオレンジ屋根の美しい城壁都市の全貌を拝むことができた。

そしてオレンジ屋根の街が広がる
写真で撮ると絵葉書のように素敵なメルヘンチックな風景が収められて、現実はワイワイガヤガヤ耳を覆いたくなるほどの喧騒が広がっているとは想像できないような仕上がりだ。

ウィーンからもプラハからも同じくらいの距離にある町なので、ウィーンのご一行はこちらに立ち寄るのが人気コースなのかもしれないな、と想像する。
すごい勢いの観光客に目を奪われがちだが、景色に目をやると眼下には蛇行するヴルタヴァ川が流れ、町のシンボル的に建つお城の塔は超かわいいピンク色というメルヘンな仕上がり。


友人もこの街には川遊びしに来るらしい(うらやま)
もう童話の世界にしか見えない町を現実に目の当たりにしてため息が出てしまいそうだ。
##小さな街をあてもなく歩く喜び
高台から下界に下り、小さな町をぐるぐる歩くとそこにもまたカワイイが詰まっていて、お土産物屋さんなんかもいちいち可愛らしい店構えをしている。


町ぐるみでかなり注意深く昔ながらの雰囲気を残しているのか、どこを切り取っても絵になるこの町は泊まっていろいろな表情を見るのも楽しいだろうな、と思える町だ。


プラハでもそのメルヘン調の街並みに驚き、ブジョヨビツェの広場の可愛らしさにも感激していたのに、それをはるかに上回ってくるメルヘンな世界。
チェコ恐るべし、他の街にも行ってみたいな、と思えてくる。
##旅も終盤、お土産に目が行く
立ち並ぶ店を見ていると、ボヘミアングラスの小さな小物やアクセサリーが気になって、ほとんど今まで買っていないお土産を買いたくなってきたので、吟味に吟味を重ねお気に入りのデザインをイヤリングにしてもらう。

そろそろ旅も終盤なのだ、ちょっとずつお土産も見ていこう、と気持ちを切り替えるスイッチになった。

##遠景もまた素敵な街
何時間うろうろしていただろうか。
のんびり歩き回って満足したので駅のほうに向かって坂を上っていく。
駅までの道のりでもあの可愛い街に後ろ髪が引かれて振り向くと、森のような公園の向こうにオレンジ屋根の街とピンクの塔を持つ立派なお城が見える。

その光景はまさに童話に出てきそうな世界で、あのピンクの塔があるお城のプリンセスは絶世の美女、と噂になりそうなヤツだよなー、と妄想してしまうのだった(噂を聞きつけてやってきた王子様の目線ね)

(そんな童話なかったっけ?)
##小さな駅で考える
そんな町の最寄り駅は意外なほどに小さな田舎じみた駅で、風情があると言えばそうだが世界遺産の最寄り駅とは思えないような何にもない駅だ。

町から離れているし列車で来るような人はあまりいないのだろう、少しのバックパッカーとチェコの若者らしき数人が列車の到着を待っている。

列車の到着時刻まではまだ30分ほどあるので喉の渇きを何とかしようと売店を覗くと、バドワイザーが売っている!
ほんとだ、ほんとにバドワイザーって書いてある!せっかくだから飲んじゃうかーということで500ml缶しかないのはちょっとキツイけれどこのご当地ビールを飲みながら一体どういうことなのか調べてみる。

バドワイザーの発祥の地はこの辺りだとのこと
バドワイザーはもともとこのあたりの地名“ブドヴァイス”のビールという意味の英語読み呼称なのだが、アメリカでビールの銘醸地にあやかって付けられた商品名“バドワイザー”が商標登録されたのでややこしい争いに発展しているのだとか。
本家はチェコビールらしい苦みがしっかりあるラガーで特に味が似通っているわけでもないのだが、彼らの誇りである地元ビールの名前だけが独り歩きするのは気分が悪いものなのか、それとも有名銘柄の本家ということで誇らしいことなのか、どっちなのだろうとビール缶片手に考えさせられてしまった。


##満席の夜行列車でクラクフへ
プラハに戻り、今度は澄んだ野菜スープをお供にまたビールを飲んで夜行列車の到着を待つ。
チェコでお肉を食べようと思うとどでかい肉の一品料理をひたすら食べる羽目になるので、どうしてもスープ様のものばかりになってしまうのだが、バリエーションが多いのが嬉しい。

普通列車なのにコンセントを備えた先ほどの車両のおかげで充電もバッチリ!
今の心配ごとはこれから乗る座席夜行で眠れるのかどうか、しかもB席ということは窓際でもないし…と心配は募るばかりだったのだが、やってきた列車に乗り込みホッとした。
2等座席といえども夜行列車用の車両なのか座席は2列+1列のゆったり設計になっていて、隣・前後との間隔も十分、さっそくリクライニングしている人を見るとめちゃくちゃ傾くのでこれはゆったりできそうだ。

こんなゆったり設計の車両ははじめて見た
日本の新幹線グリーン車席よりも広そうな座席で、さっそく寝る体制を取っているとすぐに寝落ちしてしまった。
どれらいぐっすり眠っただろうか、列車が停車している感覚で目を覚ますとすでに夜中の3時、ポーランド国境に近い駅でしばらく停車しているようだ。

座席車両は電気がついたままにも関わらず満席の乗客はほぼ全員、思い思いの恰好で深い眠りについている。皆さんなかなか逞しいみたい。
私も服を被ってあとひと眠りしていると、クラクフ停車直前までぐっすり眠ってしまい、もう少しで寝過ごしてしまうところだった。
🚊次回、霧が立ち込める寒い朝、アウシュビッツ収容所見学へ。午後は一転、賑やかな美しい街クラクフを歩く。
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
