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質問1587:気がついたらボールに食い込まれている

質問を2つ
はじめまして
はじめてメール致します
※※※65歳
テニス歴だけ長く45年


左膝を故障して2週間テニスしていません
来週、日曜日ぶっつけで試合になりそうです
不安でいっぱいです
ボロボロになるか邪念をなくしていいプレーができるか
ボールに集中するしかないんでしょうが不安しかわいてこない


後ろが狭いとこほでダブルスする事が多く、ライジングで
試合をやらざるを得ないことが多いです
ベースメソッドでは(※中略)

相手が強いとバウンドと同時にボールが伸びて反応できない時があります
あるいはバウンドを見てるだけで反応出来ず気がついたらボールに食い込まれている
これはどう考えたらいいですか?


▶バウントが伸びてきて食い込まれる理由


典型的な「現実に対するイメージのズレ」です。

イメージがズレているから、バウンドと同時にボールが伸びてくるような感じがします。

気づいたらボールに食い込まれているのもそのせいです。

現実のボールは、テレポーテーション(瞬間移動)しませんからね。

必ず、バウンドしてからご自身の手元へ届くまでに、「時差」があります。

ただ、イメージがズレていると、それが「ない」ように錯覚し、下手をするとバウンドしてからどころか、ボレストなどでは特に、相手が打った瞬間にも、ボールに差し込まれるような余裕の無さにさいなまれます。

それを、相手が強いからとか、相手のボールが速いからとか、あるいは高速サーフェスだからとか、勘違いします。

▶ズレたイメージの前では、人は無力


「いや、そんなことはない。本当にバウンドしたらボールは、急に手元へ食い込んてくるんだ!」と感じるのは、イメージがズレているからなのですね。

ですからイメージがズレていると、テニスは本当に難しくなります。

怖くなります。

それが、「不安しかない」とおっしゃる根拠です。

それは、怖いですよ。

対応する余裕がまったくなくなり、手探りで、いえほとんど目隠し状態で打ちにいくようなおぼろげない恐さがあると思います。

それが「そんなこともできない自分」の劣等感を刺激するから、ミスするだけにとどまらず、自己否定的に追い込まれる恐怖に拍車をかけます。

仰せの「ボールに集中するしかない」のだとしても、現実に対するイメージのズレがあるうちは、どんなにボールに集中したとしても焼け石に水

ズレたイメージの前では、どんなに頑張っても、人は無力です。

前後しますが、これが2つ目のご質問に対する答え。

▶ラインの外側を含めてテニスコート


『ベースメソッド』は、テニスコートという規格を使って、テニスのルールに則ってプレーする以上は、普遍の法則です。

テニスコートというのは、ラインに囲まれた内側のみならず、その周囲も含めたスペースです。

ですから広さを形容する表現として「テニスコート3面分の敷地」などとよくいわれますが、正確にいうとプレーをするうえでは正しい表現ではありませんよね。

ラインの外側を含めてテニスコートです。

▶アルカラスやシナーは日本のインドアコートでプレー不可!?


その広さが不十分の場合、プレーが難しくなるようにできています。

ですから、たとえばグランドスラムが行われるテニスコートをご覧ください。

周囲のスペースが、コートの内側よりも広いくらいの広々としたレイアウトになっています。

コート後方のスペースが狭い場合は、プロでもプレーは難しくなります。

今年の全仏決勝を争ったカルロス・アルカラスとヤニック・シナーが、よくある日本の商業ビル内などに設えたインドアコートで打ち合いでもしたら、後ろや横の壁に体当たりしてしまって、まともにラリーできないでしょうね。

コートとコートの境を隔てる網に、絡まってしまいます(いやはや)。

それはすなわち、外側を含めたコートの広さがないとプロでもテニスができない(やろうとすると難しくなる)理を表す。

▶プレーの難易度はポジションに依存


確かにライジングで打ち返せれば、それは有利になるのだけれど、難しく、ミスと隣り合わせの技術です。

ですから先日ご紹介したこちらの記事でも「ポジションを上げてプレーする」ことが、リスクを取る勇敢なチャレンジであるという文脈で称えられるのです。

シナーはベースライン付近に立ち、非常に速いテンポで返球する。筆者は、これだけミスなく、しかも強打できる選手を見たことがない。

歴史に刻まれた『5時間29分』全仏テニス史上“最長決勝”の裏側…記者が感じた圧倒的な緊張感」より抜粋

プロでもポジションを上げることは、リスクと背中合わせ。

それくらいプレーの難易度というのは、ポジションに依存しているのです。

逆に言えば、状況や技量に応じて適切なポジションさえ掌握できれば、プレーは劇的に楽になります

▶イバノビッチの例


一般プレーヤーの場合は、そこまで広く走らされる相手からのショットはないにしても、後ろのスペースが仮に狭いとすれば、確かにそれは誰にとってもテニスが難しくなるのです。

体育館で代替する場合などに、たまに聞く環境。

こちらでご紹介したとおり、セルビアのアナ・イバノビッチは空爆でテニスコートが使えなくなったとき、プールの水を抜いたその中で練習したと伝えられます。

後ろに下がれないテニスは、かなり制限がかかります。

▶『べースメソッド』は普遍的に機能する


テニスコートの体をなしている規格を使ってテニスをプレーする以上は、『べースメソッド』によるズレの解消は、当然普遍的に機能します。

とはいえ、だからといってライジングが今すぐ打てるようになるかというと、もちろんタイミングを図る「基準」にはなるけれど、コート内に侵入して素早く対応する技術的な難しさがあるので、そのスピードやリズムに慣れる必要はあるでしょう。

それは今後の課題として取り組まれるとよいと思います。

これが、1つ目のご質問に対する回答です。

▶相対的にかなり楽にプレーする方法


さてコートの後ろが狭い条件付きのぶっつけの試合に挑む応急処置としては、ダブルスであればなおさら、ネットに出てしまったほうが得策だと思います。

ふだん、雁行陣でプレーされているのであれば、いきなり並行陣とまではならなくとも、いわゆるべースラインとサービスラインの間のデッドゾーン付近をバッファとし、相手の深いボールはロングボレー処理するのも、案外有効。

ライジング処理以上に、相手から時間を奪えるアドバンテージもあります。

一般的には中途半端なポジションとして危険視される立ち位置ですが、全日本室内複優勝などの実績がある田村伸也プロが「デッドゾーンはライフソーン」と例えたとおり、ストロークで食い込まれるような錯覚を覚えるプレーヤーにとっては、相対的に、かなり楽にプレーできると思います(関連記事「『デッドゾーン』が『ライフゾーン』になる」)。

逆に言えば、現実に対するイメージのズレがあって、未だ食い込まれるような怖さがあるうちは、ストロークはまず、自信を持って打てないでしょうからね。

それくらいイメージのズレは、テニスをプレーするうえで、かなり致命的なんです。

▶それはテニスですらない


左膝の故障明けというコンディションを考慮に含めても、走り回るストローク戦より、相手の返球コースを狭められるボレー戦は、負担が少ないかと思います(関連記事「ボレーに自信がないけど、前に出た方がいいと言われる」)

ただ今後も、『べースメソッド』を使ってイメージのズレをなくす取り組みは、継続なさってください。

できれば、後ろのスペースが十分に確保されている(普通の)テニスコートで励んでいただければと思います。

後ろのスペースが十分でない環境で練習するのは、イバノビッチの例のような不可抗力の事情があったり、あるいは強制的にポジションを下げない工夫でライジング技術を磨く特別な練習意図でもない限り、まったくおすすめしません。

それは、テニスですらないからです。

▶ライジングも打てるようになる


改めまして「不安しかわいてこない」のは、現実に対するイメージのズレがあり、なおかつ後ろにスペースがないコートで練習せざるを得ない事情がある以上、今は仕方がありません。

順序としては、まずは普通の広さのテニスコートを確保し、『ベースメソッド』に習熟しながら、ライジングの技術も磨いていただくようにおすすめします。

そうすれば、『ベースメソッド』にもご説明があるとおり、ライジングも適切なポジションに入って無理なく打てるようになりますから、たとえ後ろにスペースがあまりない特殊な環境のテニスコートに戻ってきても、上手く立ち回れると思います(関連記事「ライジングやトップ打ちも計ったように打てる!」)。

この順序が大事

もしまだ『ベースメソッド』をお持ちでなければ、こちらからお求めいただけます(関連記事「いずれ必要となる1冊」)。

▶「怖く感じる」のはメンタルが原因ではない


とにかく、食い込まれるような怖い感覚(錯覚)が未だあるうちは、ストローク戦で勝負するのは極めて危険です。

それはメンタルが強いとか弱いとかではなくて、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」だからです。

打てない原因をメンタルのせいにすると、大げさではなくテニスは地獄ですよ。

ダブルスでは針の筵(はりのむしろ)

惨めな気持ちになって、ほかの3人に対する罪悪感さえ芽生えかねません。

▶精度と頻度の向上がテニスの上達に直結


「そんなイメージのズレなんて自分にはない!」だなんて、強がらないでいただければと思います。

イメージがズレていると、誰だって打つのが怖いし、不安になるのは当然なのですから

イメージは揺らぎますから、私もズレた場合はおっかなびっくりの対応になって、当然ミスしますよ。

ロジャー・フェデラーだってそうなのですから、仕方がありません(関連記事「フェデラーでさえ、イメージがズレるとミスをする」)。

https://youtu.be/vvjKnE4Fc1E

だけど、その精度と頻度を正確に高めていく道行きが、テニスの上達に直結です。

▶「あの苦しみは何だったのか?」


多くの人が「イメージのズレなんてない」と、思い込んでいます。

思い込みとは、自分が思い込んでいるとすら気づけないのがその本質です。

その「負の魔力」が解けたとき、ご自身の中に眠るテニスの才能は、一気に開花します。

「あの苦しみは何だったのか?」というくらい、あっけないですね。

ですから、たとえ次の試合で結果を残せなくても、落ち込む必要なんてまったくありません(必要なくても落ち込むのは当然の反応ですから、落ち込んだとしても自分を責める必要もまったくありません)。

焦らずゆっくりやるのが、結局いちばん早いです。

▶不得手だからこそ、ストロークでどうにかしたくなる


もちろん、端から負けるなどと、決めつけているわけでもありません。

ストロークが不得手だからこそ、ストロークでどうにかしたくなるこだわりもよく分かります。

試合は6.22でしょうか?

それまでにはまだ、数日あります。

ご質問がありましたら、遠慮なくお寄せください。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)

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