サロン楽屋話010:ナダルのセレモニーで分かった能力を引き出す「最大級」のポイント(時を越えて重なった、奇跡のシナリオ)
▶ナダルの限界を引き上げたもの
全仏オープン開幕に先立ち、同大会優勝最多記録保持者ラファエル・ナダルの功績を称えるセレモニーが、挙行されたそうです。
“ビッグ4”が一堂に会し、会場は大歓声。
ナダルは、「彼らが私の限界を引き上げてくれた」とコメントしたそうです。
▶「環境」の重要性
ナダルは、自分の「限界」を認めていた(関連記事「『大人になる』ということ」)。
そして、自身を含め稀代の“ビッグ4”が集う「環境」に身を置くことができた(関連記事「名門アカデミーが強いワケはこれです!」)。
ここに、能力を引き出す「最大級」のポイントが読み取れそうです。
▶ライバルがいなければもっと「獲れなかった」に違いないGSタイトル
ナダルは生涯通算22個のグランドスラムタイトルを獲得しました。
ええ、ロジャー・フェデラー、ノバク・ジョコビッチ、アンディ・マレーらがいなければ、もっと「獲れなかった」でしょうね。
いえ、書き間違いではありません。
ライバルたちがいなければ、もっと「獲れた」とうっかり思しきも、そうではなかった理由が、ナダルの述べたコメントというわけです!
▶ピート・サンプラス、ロジャー・バニスターの悲哀
かつてグランドスラムタイトルを14個獲ったピート・サンプラスは、「(未来のチャンピオンたちによって)最も破りがたい記録だろうね」と予見していたというのに、数年のうちに、3選手が大きく上回ったのはご存知のとおり(関連記事「『リスペクト』がもたらした偉大な記録」)。
また、環境が能力を引き上げるという話は、ロジャー・バニスターたちによるエピソードも信憑性を強化するでしょう。
かつての陸上競技界では「人間が1マイルを4分以内で走るのは絶対に不可能」と思い込まれていました。
37年もの間、破られていなかったそれまでの最速だった「4分10秒3」の記録が、限界だと考えられていたのです。
ところがバニスターが1954年、1マイルを「3分59秒4」のタイムで走ると、その後わずか1年の間に、「23人もの選手」が次々と、1マイル4分の壁を突破したのです。
「1マイルを4分以内で走るのは絶対に不可能」というイメージが、ストッパーをかけていた。
バニスターが「他の選手の限界を引き上げた」エピソードは、ナダルのコメントに、ぴったりと符合します!
▶環境への適応が「進化論」
ノミは蓋をしたビンの中に閉じ込められると、飛び出せる跳躍力はあるのに、蓋を外しても飛び出せなくなります。
つながれた小象はたくましく成長しても、力はあるのに鎖を引きちぎれなくなります。
一方、錦織圭が日本人選手としてトップ10に入ると、それまでは長らく松岡修造の46位が最高だった日本人男子シングルスの最高位を、西岡良仁(24位)、杉田祐一(36位)が、短期間のうちに破っていったのです。
英語を話す能力は、英語圏の国で生きれば誰しも出てくる(関連記事「『机上の文法』ではなく『日常の実践』」)。
「進化論」が、環境への適応を成り立ちのベースとするならば、能力を生かすも殺すも「環境」に大きく委ねられると言えそうです(関連記事「不可能を可能にした実例」)。
▶環境を変えられなくても、自分を変えられる「サブルート」
「とはいえ……」です。
人それぞれ「事情」がありますから、みんながみんな名門アカデミーに入門できたり、海外へチャレンジできたり、運よく相応のライバルがいてくれたりするわけではありません。
環境は必ずしも選べない。
そんな場合は、今すぐできる対策として、どうすればいいでしょうか?
確かに「環境」ほどは直接的な体験になりませんけれども、取り入れる「情報」を変えればいいのです。
私たちは、知らない職業は「目指そう」とすら思えないのと同じように、情報によって「どんな人になるか」が決まります(関連記事「上達とは、『脳のプログラミング』」)。
▶町中が「メガネだらけ」に見えるとき
後述しますが無自覚的に情報を取り入れていては、心の「生活習慣病」となりかねません。
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