見出し画像

美の都フィレンツェで、夫婦25年分の心がほどけた。中央市場、メディチ家、ドゥオーモ、ウフィツィ、ヴェッキオ橋まで|イタリア🇮🇹夫婦旅②フィレンツェ編

おはようございます。
天豆(てんまめ)です。

結婚25周年の記念に、妻と2人で来たイタリア旅。

前回は、成田からヘルシンキを経由してローマに入り、ローマ初日と2日目を振り返りました。

本場のカルボナーラとマルゲリータ。
スペイン広場とトレビの泉。
コロッセオとフォロ・ロマーノ。
朝の教会と、夕方の教会。

ローマは、想像していた以上に濃かったです。

濃い、という言葉だけでは足りないくらい、歴史も、食も、街の空気も、すべてが強かった。

そして今回は、いよいよフィレンツェ編です。

ローマから高速鉄道でフィレンツェへ。
中央市場で食べ、メディチ家ゆかりの宮殿と教会を巡り、最後はドゥオーモの頂上からフィレンツェの街を見下ろす。

初日から、かなり濃い一日になりました。

ローマ最終朝。早起きして、旅レポを書き始める

前日は、コロッセオとフォロ・ロマーノを歩き回った一日でした。

スマホの記録を見ると、たしか1万5000歩くらいは歩いていました。

しかも、ただ平坦な道を歩いたわけではありません。

石畳。
坂道。
遺跡の中の階段。
コロッセオの内部。
フォロ・ロマーノの広大な敷地。

かなり身体にきていました。

その日はホテルに戻って、もうほとんどバタンキュー。

そして翌朝。

ローマを出てフィレンツェに向かう日なのに、僕は午前3時10分くらいに目が覚めました。

早すぎます。

でも、旅先ではこういうことが起きます。

疲れているはずなのに、心が起きてしまう。

シャワーを浴びて、少し身体を整えました。

妻も4時半くらいには起きて、一緒に荷物の整理を始めました。

ローマのホテルをチェックアウトして、フィレンツェへ移動する日。

スーツケースの中を整え、忘れ物がないか確認し、部屋の中を見回す。

旅の移動日の朝は、少しだけ緊張感があります。

そして、朝5時くらいから、前回のローマ編のnote旅レポを書き始めました。

ローマ初日と2日目の記録。
写真の並び。
キャプション。
タイトル。
文章の流れ。

旅をしながら旅レポを書くのは、なかなか大変です。

でも、記憶がまだ熱いうちに書けるのは、やっぱり大きい。

昨日見た景色の色。
食べたものの味。
妻の言葉。
身体に残っている疲れ。

そういうものが消えないうちに書くと、文章にちゃんと温度が残る気がします。

ある程度ベースができたところで、朝カフェへ行くことにしました。

ローマ最後の朝カフェ。D’Angelo Caffèで旅の一日が始まる

ローマ2日目の朝に向かったのは、妻がまた見つけてくれたカフェ。

D’Angelo Caffèです。

ホテルから歩いて15分ほどだったと思います。

まだ観光客であふれる前の静かな街を歩きながら、フィレンツェへ向かう一日が始まりました。

朝6時から開いているということで、開店を目指して出発しました。

まだ朝のローマは、観光客であふれる時間ではありません。

少し静かで、でも街はもう動き始めている。

パン屋さんやカフェに灯りがつき、仕事前の人たちが少しずつ街に出てくる。

この時間が、すごく好きです。

朝カフェは、D’Angelo Caffèへ。入口からすでに、地元の人に愛されているお店の気配がありました。
朝6時過ぎのD’Angelo Caffè。小さなカフェなのに、店内にはもうコーヒーの香りと活気が満ちていました。

カフェに着いたのは、6時過ぎ。

すでに先にお客さんがいて、僕たちが座ったあとも、次から次へと人が入ってきました。

帰る頃には、かなりの行列になっていました。

やっぱり人気店だったのだと思います。

カウンターには、クロワッサンやデニッシュがずらり。

僕はアイスラテとパン・オ・ショコラ。

妻はホットのカフェラテと、前日に僕が食べて気に入ったピスタチオクロワッサン。

さらに、店員さんにおすすめされた、カスタード系のクリームがのったデニッシュも2人で分けて食べました。

アイスラテ、カフェラテ、パン・オ・ショコラ、ピスタチオクロワッサン。ローマ最後の朝にふさわしい、幸せな朝食でした。

コーヒーの香り。
焼きたてのパン。
朝から活気のある店内。
次々に入ってくる地元の人たち。

観光地としてのローマではなく、生活している人たちのローマに少し触れられる感じがありました。

帰る頃には、お店の外まで人が集まっていました。ローマに戻ってきたら、また寄りたい朝カフェです。

ここも、またローマに戻ってきた時に寄りたいカフェになりました。

ローマ編を投稿して、いざフィレンツェへ

カフェからホテルに戻り、ローマ編の旅レポの続きを仕上げました。

写真を選び、文章を整え、キャプションを入れる。

普段、僕はnoteの記事を朝に出すことが多いのですが、ローマの朝7時半は、日本時間だと午後2時半くらい。

いつもの投稿時間とは違いました。

それでも、無事に投稿できてよかったです。

旅先で記事を出す。

しかも、イタリアで書いたイタリア旅レポを、そのまま日本の読者さんに届ける。

これは、なかなか不思議で、でもとても嬉しい感覚でした。

投稿を終えて、いよいよパッキングの最終確認。

ホテルをチェックアウトし、テルミニ駅へ向かいました。

ローマ滞在中、とてもお世話になったテルミニ駅。

地下鉄も鉄道もここから動けるので、本当に便利でした。

今回は、8時50分ローマ発の高速鉄道に乗って、フィレンツェへ向かいます。


ローマ・テルミニ駅からフィレンツェへ。赤い高速鉄道がホームに入ってきた瞬間、旅の章が変わる感じがしました。

イタリアの高速鉄道は、日本でいう新幹線のような存在です。

ローマからフィレンツェまでは、約1時間半から1時間40分ほど。

思っていたより、あっという間です。

ただ、乗ってみて少し驚いたのは、かなり耳がツーンとしたことでした。

妻も僕も、何度も耳がキーンとなりました。

スピードや気圧の変化の影響だと思います。

何度も唾を飲み込んだり、飴をなめたりしながら、耳抜きをしていました。

車窓には、ローマとはまったく違う緑の景色が広がっていきます。街から街へ移動している実感が、少しずつ高まっていきました。
青空と緑の丘。高速鉄道の窓から見える景色も、イタリア旅の楽しみのひとつでした。

途中、車窓を眺めながら、ローマからフィレンツェへ向かっているんだなと思いました。

街が変わる。
空気が変わる。
旅の章が変わる。

ローマの余韻を残したまま、次の街へ向かう時間でした。

フィレンツェ到着。駅の賑わいと、少し落ち着いた街の空気

10時半過ぎ、フィレンツェに到着しました。

駅は、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅。


フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着。駅前からすでに、観光都市らしいにぎわいがありました。

到着した瞬間、駅構内はとても賑わっていました。

観光客が多く、スーツケースを持った人たちが行き交い、ローマに負けないくらい活気があります。


駅構内は、スーツケースを持った旅行者でいっぱい。ここからフィレンツェの街歩きが始まります。
ローマとはまた違う、ぎゅっと凝縮された賑わい。フィレンツェに着いたばかりなのに、もう街の熱が伝わってきました。

フィレンツェは、もっとこぢんまりして落ち着いた印象なのかなと思っていました。

でも、駅に降りた瞬間は、かなり賑やかでした。

ただ、ホテルに向かって歩き始めると、少しずつ雰囲気が変わっていきました。

駅の周辺は人が多い。

でも、5分ほど歩くと、ローマ中心部とは違う落ち着きが出てくる。

道幅。
建物の色。
人の流れ。
街の密度。

フィレンツェにはフィレンツェの空気がある。

その違いを歩きながら感じました。

今回の宿は、Relais Tiffany。

今回はフィレンツェで人気のB&Bの宿を妻が見つけてくれました。

今回のフィレンツェの宿、Relais Tiffanyへ。重厚な木の扉から、すでにヨーロッパらしい雰囲気が漂っていました。
小さな看板を見つけた時、ここに泊まるんだなと少し嬉しくなりました。旅先の宿の入口って、なぜか記憶に残ります。
なんとBooking.com 9.2

ここが、本当に素敵でした。

オーナーの男性が迎えてくれて、ロビーでウェルカムドリンクのようにエスプレッソを出してくれました。

僕は普段、コーヒーはカフェラテなどミルク入りで飲むことが多く、エスプレッソをそのまま飲むことはあまりありません。

でも、せっかくイタリアに来たのだからと飲んでみました。

これが美味しかった。

小さなカップなのに、香りが濃い。

強いのに、嫌な苦さではない。

イタリアで飲む初めてのエスプレッソ。

これもまた、旅の記憶に残る一杯になりました。

宿の中には、クラシカルでやわらかい空気の朝食スペースがありました。大きなホテルとは違う、B&Bらしい温かさがあります。

到着したのはまだ11時過ぎでしたが、20分ほど待てば部屋に入れるとのこと。

アーリーチェックインのような形で、12時前には部屋に入ることができました。

これもありがたかったです。

部屋は落ち着いたクラシカルな雰囲気。長旅の荷物を置いた瞬間、ふっと身体がゆるみました。
華美すぎず、でも旅の気分を静かに高めてくれる空間でした。

荷物を置き、少し整理し、少しだけリラックス。

そして、いよいよフィレンツェの街へ出ることにしました。

まずは中央市場へ。フィレンツェ初日の胃袋が動き出す

まず向かったのは、中央市場。

フィレンツェのMercato Centraleです。

駅方面へ歩き、そこから中央市場へ。

外には、革製品や小物を売る露店がずらっと並んでいました。

フィレンツェといえば革製品。

バッグ。
ベルト。
財布。
革の小物。

通りに並ぶお店を見ているだけでも楽しいです。

中央市場の外には、革製品やTシャツ、小物の露店がずらり。フィレンツェらしいにぎやかな入口です。


色とりどりのストールやベルトが並ぶ市場周辺は、歩いているだけで、旅先の買い物気分が高まります。

そして建物の中に入ると、1階には食材やテイクアウトできるようなお店が並び、2階はフードコートのような空間になっていました。

中央市場の中へ。天井が高く、食の店がぎゅっと集まった空間に、世界中の旅行者の熱気がありました。

ここが、かなり良かったです。

明るくて、活気があって、いろいろなお店が立ち並んでいる。

何を食べようか迷う時間そのものが楽しい。

中央市場のフードコート。お店を眺めながら何を食べるか迷う時間まで、もう楽しい場所でした。

僕は、トマトソースのパスタにモッツァレラチーズがのった一皿を食べました。

シンプルなのに美味しい。

トマトの酸味と甘み。
モッツァレラのまろやかさ。
パスタの食感。

ローマで食べたカルボナーラとはまた違う、軽やかな美味しさがありました。

中央市場でのランチ。妻はワインとクロスティーニ、僕はトマトソースのパスタ。フィレンツェ初日の胃袋が動き出しました。
トマトソースのパスタに、モッツァレラチーズ。シンプルなのに、素材の力でちゃんと美味しい一皿でした。
妻が食べたタコ入りのトマトソース系パスタ。魚介とトマトの組み合わせは、イタリアでやっぱり強いです。

これも美味しそうでした。

魚介とトマト。

イタリアでこの組み合わせは、やっぱり強いです。

そして、食後にはジェラート。

中央市場で食べたジェラートが、また最高でした。

僕が選んだのはコーヒー。

妻が選んだのはマンゴー。

この2種類をカップで食べました。

食後はジェラート。コーヒーとマンゴー、どちらも濃厚で、中央市場の締めにぴったりでした。

どちらも、本当に美味しかったです。

特に、コーヒーのジェラートはかなり好みでした。

甘いだけではなく、ちゃんと香りがある。

マンゴーは濃厚で、でも後味が重くない。

今まで食べたジェラートの中でも、かなり上位に入る美味しさでした。

中央市場は、かなりおすすめです。

食べるものに迷ったら、ここへ行けば何かしら好きなものに出会えると思います。

観光客も多いけれど、活気があって、選ぶ楽しさがある。

フィレンツェ初日のランチとして、大正解でした。

メディチ家の気配を感じに、メディチ・リッカルディ宮殿へ


中央市場を出たあとは、いよいよフィレンツェらしい建物や美術に触れていく時間です。

まず向かったのは、メディチ・リッカルディ宮殿。

フィレンツェといえば、やはりメディチ家です。

銀行業で富を築き、政治にも芸術にも大きな影響を与え、ルネサンス文化を支えた一族。

そのメディチ家の気配を感じられる場所として、ここはとても印象的でした。

中央市場から歩いて、サン・ロレンツォ周辺へ。街を歩くたびに、フィレンツェの歴史が少しずつ近づいてきます。

広場に立つ彫像。何気なく歩いている道の途中にも、こうした芸術が自然に現れるのがフィレンツェらしさです。
メディチ・リッカルディ宮殿の外観。派手というより、強い。権力者の住まいだったことが、石の壁から伝わってくるようでした。
近くで見ると、石造りの壁の迫力がさらに伝わってきます。美しいだけではなく、守りも権力も感じる建物でした。

外観は、どこか重厚です。

派手というより、強い。

石造りの壁には、権力者の住まいらしい存在感があります。

中に入ると、当時の貴族や有力者たちの暮らしぶりを想像させる空間が続きます。

中庭へ入ると、外観の重厚さとはまた違う、端正で美しい空間が広がっていました。
中庭に立つ彫像。柱とアーチの奥に見える姿が、まるでこの宮殿の時間を静かに見守っているようでした。

調度品。
シャンデリア。
壁画。
天井装飾。
広間の雰囲気。

どこを見ても、美しい。

ただ豪華というだけではなく、権力と美意識が結びついている感じがしました。

マギ礼拝堂の壁画。ベノッツォ・ゴッツォリによる「東方三博士の礼拝」は、色彩も人物も細かく、まさに圧巻でした。
小さな礼拝堂なのに、壁も天井も物語で満ちていました。メディチ家の美意識と信仰が凝縮された空間です。

このマギ礼拝堂は、本当に見応えがありました。

小さな空間なのに、壁一面に物語が広がっている。

人物の衣装、馬、山の景色、細かな表情。

ただ眺めるだけでも美しいのですが、ここに当時の政治的な意味やメディチ家の存在感が重なっていると思うと、さらに奥行きが出てきます。

宮殿内の大広間。天井、シャンデリア、壁にかけられた大きな装飾。そのすべてが、華やかな時代の気配を残していました。
壁一面のタペストリーと赤い椅子。美術館というより、かつて誰かがここで時間を過ごしていた場所なのだと感じました。
静かな展示室に立つ彫像。派手さよりも、余白の中にある美しさが印象に残りました。

ローマでは、古代帝国の巨大な力を見ました。

フィレンツェでは、また別の力を感じます。

都市の力。
商人の力。
芸術を支える力。
文化を育てる力。

メディチ家の宮殿を歩きながら、フィレンツェという街がなぜここまで芸術の街になったのか、少しだけわかる気がしました。

美しいものを所有する。
美しいものを作らせる。
美しいものを残す。

それは単なる贅沢ではなく、権力の示し方でもあり、後世へのメッセージでもあったのだと思います。

サン・ロレンツォ聖堂で、静かな時間に包まれる


次に向かったのは、サン・ロレンツォ聖堂。

ここも、メディチ家と深く関わる場所です。

サン・ロレンツォ聖堂は、フィレンツェ最古級の教会のひとつとされ、メディチ家ゆかりの重要な教会でもあります。

サン・ロレンツォ聖堂の外観。装飾で飾り立てるというより、長い時間をそのまま背負っているような重厚さがありました。

外の暑さから中に入ると、空気が変わりました。

広い。

静か。

そして、美しい。

ローマの教会とはまた違う、落ち着いた重みがあります。

中に入ると、まっすぐ伸びる柱と整った天井が目に入ります。外の暑さと人混みから、すっと切り離されるような空間でした。

内部には、壁画や彫刻、美しい建築の線があり、見上げるたびに目が止まります。

一つひとつを細かく理解できているわけではありません。

でも、その場にいるだけで、長い時間が積み重なっていることは伝わってきます。

見上げると、丸天井と装飾が本当に美しい。派手すぎないのに、細部まで手が届いている感じがありました。
壁一面に描かれた大きな宗教画。静かな教会の中に、強いドラマが立ち上がっていました。
彫刻、祭壇画、十字架がひとつの空間に収まった礼拝堂。観光地である前に、今も祈りの場所なのだと感じました。

彫刻、祭壇画、十字架がひとつの空間に収まった礼拝堂。観光地である前に、今も祈りの場所なのだと感じました。

そして、この時、とても印象的な場面に出会いました。

パイプオルガンの調律です。

職人さんのような方が、丁寧にオルガンを調整していました。

時々、音が鳴る。

教会の中に、ふわっと響く。

演奏ではなく、調律。

でも、その音がとても良かったのです。

観光として訪れた教会で、たまたまオルガンの調律に立ち会う。

こういう偶然が、旅では本当に嬉しい。

予定表には書かれていないけれど、後から振り返ると忘れられない時間になる。

聖堂の回廊へ。石の床と柱が続く静かな通路を歩く時間が、とても心地よかったです。
美しい調度品の数々
中庭の奥へ進むと、さらに静かな空間が広がっていました。観光名所のすぐそばに、こんな穏やかな場所があるのも魅力です。
回廊の中庭から見えるドーム。緑と石造りの建物、そして青空。この組み合わせだけで、フィレンツェにいる幸せを感じました。

サン・ロレンツォ聖堂では、そんな静かな贈り物をもらった気がしました。

ついにドゥオーモへ。外観だけで、すでに圧倒される


そして、いよいよこの日のメインイベント。

フィレンツェのドゥオーモです。

正式には、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。

フィレンツェの象徴とも言える場所です。

いよいよドゥオーモ周辺へ。大聖堂と洗礼堂が見えた瞬間、一気にフィレンツェの中心に来た実感が高まりました。

遠くからでも見える巨大なクーポラ。

白、緑、ピンクの大理石が組み合わさった外観。

繊細で、華やかで、でも圧倒的に大きい。

目の前に立った瞬間、思わず見上げました。

ドゥオーモの正面へ。白、緑、ピンクの大理石が青空に映えて、写真で見ていた以上に華やかで、圧倒的でした。
近くで見ると、装飾の密度が本当にすごい。修復中の部分も含めて、この建築が今も守られ続けていることが伝わってきました。

大きい。

本当に大きい。

写真や映像では何度も見ていました。

でも、実物は違います。

画面の中では美しい建物だったものが、目の前では巨大な存在として迫ってくる。

これを人間が作ったのか。

そう思うだけで、しばらく言葉が出ませんでした。

一部、ドーム周辺では補修や修復のような作業も見えました。

歴史的な建物は、ただ残っているわけではありません。

守り続けている人たちがいる。

そう考えると、目の前の美しさがさらにありがたく感じます。

今回は、妻が事前に予約を取ってくれて、ドゥオーモのクーポラに登ることができました。

ドゥオーモの頂上からフィレンツェの街を見下ろす。

これは、今回のフィレンツェ初日の大きな目的のひとつでした。

463段の階段を登って、フィレンツェの空へ

ドゥオーモの内部に入り、いよいよ階段を登り始めます。

ドゥオーモ内部へ。アーチの向こうに見える天井画とステンドグラスの光が、これから登っていく場所への期待を高めてくれました。

この登頂は、なかなか本格的です。

エレベーターではありません。

階段です。

しかも、463段。

数字で見ると、なかなかの迫力です。

途中で目に入った聖職者たちの彫像。狭い通路や階段の途中にも、歴史の断片が現れます。

かなり狭いところもあります。

閉所恐怖症の方や、狭い場所が苦手な方には、少し大変かもしれません。

壁と壁の間を進むような場所もあり、上へ上へと登っていきます。

最初から最後までひたすら階段が続くのかと思っていたのですが、途中でドゥオーモ内部の回廊に出る時間がありました。

ここがとても良かったです。

途中の内部回廊へ。ドームの内側を間近に見ながら歩く時間は、まるで巨大な絵画の中に入り込んだようでした。

大聖堂の内部を上の方から見下ろすことができ、天井画も近くで見ることができます。

下から見上げるのとは、まったく違う迫力です。

巨大な空間の中に、自分が入っている。

そして、その空間を上から眺めている。

不思議な感覚でした。

ドーム内側に広がる「最後の審判」。下から見上げるのとはまったく違い、すぐそばで見ると人物の迫力と色彩に圧倒されました。

妻は、途中で回廊のような場所に出られたので、思っていたほど大変ではなかったと言っていました。

たしかに、あの途中の空間があることで、気持ちの区切りができました。

ただ、後半はやっぱり大変です。

階段を登り、さらに登り、また登る。

足にきます。

呼吸も上がります。

でも、その先に何が待っているかを思うと、止まれません。

そして、ようやく頂上へ。

ついに頂上へ。目の前にはジョットの鐘楼、そしてフィレンツェの街並み。ここまで登ってきた疲れが、一瞬で報われる景色でした。
目の前に広がったフィレンツェの景色は、もう本当に素晴らしかったです。

言葉にするのが難しいくらいでした。

赤茶色の屋根がどこまでも続く。

細い道が街の中を縫うように伸びる。

遠くには丘が見える。

教会の塔や建物が、街の中に浮かび上がる。

空が近い。

風が気持ちいい。

赤茶色の屋根がどこまでも広がるフィレンツェの街。遠くの丘まで見渡せて、妻と2人でこの景色を見ていることに胸がいっぱいになりました。

フィレンツェという街を、上から丸ごと抱きしめるような景色でした。

ローマの壮大さとは、まったく違います。

ローマは、古代と現代が混ざり合った巨大な歴史の街でした。

フィレンツェは、もっと凝縮された美しさがある。

街全体が、ひとつの作品のように見えました。

ドゥオーモの頂上から見るフィレンツェ。

これは、本当に登って良かったです。

階段は大変です。

でも、それ以上の景色が待っていました。

下りたあとに響いた、オペラの歌声

頂上で景色を堪能したあとは、今度は下りです。

登りも大変ですが、下りもなかなか足にきます。

最後の方は、膝が少しプルプルしていました。

それでも、無事に下まで降りて外へ出ました。

すると、外で美しい歌声が聞こえてきました。

プロの方かどうかはわかりません。

でも、オペラのような歌声が、ドゥオーモの前の広場に響いていました。

あれだけの階段を登って、最高の景色を見て、少し放心した状態で外に出る。

そこに、歌声が響いている。

まるでご褒美のようでした。

妻と2人で、しばらくその場に立ち止まり、4、5分ほど歌声に耳を傾けました。

フィレンツェの夕方。
ドゥオーモの前。
美しい歌声。
疲れた足。
でも、満たされた心。

旅には、こういう瞬間があります。

計画していないのに、忘れられなくなる瞬間。

この歌声も、きっとそのひとつになると思います。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の広場で、夕方のフィレンツェを味わう


その後、帰り際にサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の方へ向かいました。

時間はもう夕方。

教会の内部に入れる時間は過ぎていたので、この日は外観だけ見ることにしました。

でも、外から見るだけでも十分美しかったです。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、フィレンツェの重要な教会のひとつです。

白と緑の大理石が印象的なファサード。

そして、その前に広がる広場。

この広場が、とても良かったです。

ドゥオーモ前の圧倒的な賑わいとは少し違って、どこか落ち着いた時間が流れていました。

夕方の光の中で、教会の外観を眺める。

少し歩き疲れた身体で、広場の空気を味わう。

ここは、早朝にも来てみたいと思いました。

人が少ない時間に、もう一度ゆっくり眺めたい。

教会の内部は、翌日に改めて入ることにしました。

旅の中に、明日の楽しみが残っているのもいいものです。

最後はカップヌードル。これもまた旅の幸せ


宿に戻って、シャワーを浴びました。

この日もよく歩きました。

ローマからフィレンツェへ移動し、中央市場へ行き、メディチ・リッカルディ宮殿、サン・ロレンツォ聖堂、ドゥオーモ登頂、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の広場。

かなり充実した一日でした。

そして、夕食。

ここまでイタリアに来てから、美味しいものをたくさん食べてきました。

本場のカルボナーラ。
マルゲリータ。
ボンゴレ。
ティラミス。
中央市場のパスタ。
ジェラート。

美食に次ぐ美食です。

ただ、旅の中では、ずっと外食ばかりだと少し疲れてくることもあります。

この日の夜は、前に買っておいたカップヌードルを食べることにしました。

僕は元祖カップヌードルの醤油味。

妻は赤いきつね。

フィレンツェ初日の夜に、宿で食べるカップヌードル。

これが、妙に沁みました。

イタリアまで来てカップヌードル。

そう思う方もいるかもしれません。

でも、これも旅のリアルです。

毎食レストランで気合いを入れるだけが、旅ではありません。

たくさん歩いて、たくさん見て、身体が疲れて、宿に戻ってシャワーを浴びる。

そして、部屋で簡単に温かいものを食べる。

その安心感。

ああ、これでいい。

そう思える夜でした。

むしろ、こういう一食があるから、旅は続けられるのだと思います。

フィレンツェ初日だけで、もう胸がいっぱいになった

フィレンツェ初日は、本当に濃い一日でした。

ローマの朝カフェで始まり、旅レポを投稿し、テルミニ駅から高速鉄道でフィレンツェへ。

Relais Tiffanyでエスプレッソをいただき、早めにチェックイン。

中央市場でパスタとジェラートを楽しみ、メディチ・リッカルディ宮殿でフィレンツェの権力と美意識に触れ、サン・ロレンツォ聖堂で静かな時間を過ごす。

そして、ドゥオーモ。

463段の階段を登った先に広がっていた、フィレンツェの街。

赤茶色の屋根。
遠くの丘。
夕方の光。
広場に響く歌声。

ローマとは違う。

でも、ローマに負けないくらい、心を持っていかれる街でした。

ローマは、巨大な歴史の街。

フィレンツェは、美が凝縮された街。

そんな印象があります。

まだ初日なのに、もう何度も「来てよかった」と思いました。

結婚25周年の旅で、妻と2人でこの景色を見られたこと。

それが、何より嬉しかったです。

明日は、フィレンツェ2日目。

今日まだ入れなかったサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の中にも入りたい。

フィレンツェの街をもっと歩きたい。

そして、美味しいものも、またしっかり食べたい。

フィレンツェ2日目。メディチ家、教会、ウフィツィ、そして朝の絶景へ


フィレンツェ初日は、かなり濃い一日でした。

ローマから高速鉄道で移動し、中央市場で食べ、メディチ・リッカルディ宮殿とサン・ロレンツォ聖堂を巡り、最後はドゥオーモのクーポラへ。

463段の階段を登って見たフィレンツェの街は、今思い出しても胸に残っています。

その夜は、宿に戻ってシャワーを浴び、カップヌードルを食べて、21時前にはもうバタンキューでした。

旅先では、体力の限界がわかりやすく出ます。

でも、ぐっすり眠れるということは、それだけ一日をちゃんと生き切ったということでもあります。

翌朝。

僕はまた早く目が覚めました。

たしか、3時過ぎくらいだったと思います。

早すぎます。

でも、前日も早く寝ていたので、睡眠時間としては6時間半から7時間近く取れていました。

少し二度寝しようかとも思いましたが、結局4時ごろには起きて、シャワーを浴び、身支度をしながら、フィレンツェ初日の旅レポの原案を書き始めました。

旅をしながら旅を書く。

まだ鮮明な記憶が身体の中に残っているうちに言葉にしておく。

これは、旅レポを書くうえで大事なことだなと、今回あらためて感じました。

妻も4時半ごろには起きてきました。

そして、フィレンツェ2日目も、まずは朝カフェから始めることにしました。

フィレンツェ2日目の朝カフェ。Gocce’s Florenceへ


この日の朝カフェも、妻が探してくれました。

宿から歩いて10分ほどのところにある、Bar Caffè Gocce’s Florence。

まだ朝の街は静かで、観光客の熱気が本格的に動き出す前の時間でした。

フィレンツェの朝は、ローマとはまた少し違います。

ローマの朝は、都市の大きな鼓動が少しずつ目覚めていく感じ。

フィレンツェの朝は、もっと近い距離で、石畳と建物と生活がゆっくり動き始める感じがありました。

Gocce’s Florence。2日目は朝カフェから。
朝のショーケースに並ぶ、幸せな甘い誘惑。

店に着くと、ショーケースにはクロワッサンや焼き菓子が並んでいました。

店主さんの雰囲気もよく、朝からほっとする空気。

僕は、定番になりつつあるパン・オ・ショコラとアイスカフェラテ。

妻はクリーム入りのクロワッサンとホットのカフェラテ。

そして2人で、ティラミス風のパンも分けて食べました。

これがまた美味しかったです。

イタリアの朝カフェは、食べ物そのものも美味しいのですが、それ以上に「一日が始まる感じ」がいい。

コーヒーの香り。
焼きたてのパン。
店の人の声。
少しずつ明るくなっていく街。

その全部が、旅のスイッチを入れてくれます。

ここで軽く朝食を取り、いったん宿に戻って準備を整えました。

そして、フィレンツェ2日目の本格的な観光が始まります。

最初に向かったのは、メディチ家礼拝堂でした。

メディチ家礼拝堂。栄華と祈りが眠る場所

フィレンツェを歩いていると、メディチ家の名前を何度も目にします。

宮殿。
教会。
礼拝堂。
美術館。
広場。

この街のあちこちに、メディチ家の痕跡が残っています。

銀行業で富を築き、政治にも芸術にも大きな影響を与え、ルネサンス文化を支えた一族。

その栄華と祈りが、もっとも濃く感じられる場所のひとつが、メディチ家礼拝堂です。

初日に訪れたサン・ロレンツォ聖堂の近くにあり、メディチ家の霊廟として知られています。

中に入ると、まず空気が変わります。

ここは単なる観光スポットというより、一族の記憶が積み重なった場所でした。

豪華さがある。

でも、ただの豪華さではありません。

権力。
信仰。
美意識。
家の誇り。
そして、死を前にしても残そうとしたもの。

そうしたものが、大理石の壁や彫刻の中に静かに刻まれているようでした。

特に印象的だったのは、ミケランジェロが関わった新聖具室です。

ミケランジェロはここで、メディチ家の墓所の設計と彫刻を手がけました。

「昼」「夜」「曙」「黄昏」といった時間を擬人化した彫刻で知られる空間です。

僕が見た彫刻も、本当に素晴らしかった。

大理石なのに、冷たくない。

むしろ、人間の身体の重みや、静かな呼吸まで感じるようでした。

ミケランジェロの気配が残る、新聖具室の彫刻。

そして、もうひとつ圧倒されたのが、君主の礼拝堂です。

ここはとにかくスケールが大きい。

天井が高く、壁面には色大理石がふんだんに使われ、全体が重厚な美しさに包まれています。

メディチ家の栄華を物語る、君主の礼拝堂。
祭壇まわりにも、濃密な装飾が息づいていました。

正直、入った瞬間に「これはすごい」と思いました。

派手というより、深い。

美しいというより、強い。

権力者の眠る場所として、これほどの空間を作るのか。

そこに驚きました。

さらに見上げると、天井の美しさにも目を奪われます。

旅先ではどうしても、前を見て、横を見て、次の場所へ進みがちです。

でもフィレンツェでは、何度も上を見上げました。

天井にまで物語があるからです。

メディチ家礼拝堂は、フィレンツェに来たらかなりおすすめです。

ドゥオーモやウフィツィ美術館ほど有名ではないかもしれません。

でも、フィレンツェという街を本当に味わうなら、ここは外せない場所だと思いました。

メディチ家がいなければ、今のフィレンツェはなかったかもしれない。

そう思わせるだけの重みが、ここにはありました。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂。金の扉と、修復中の天井

次に向かったのは、サン・ジョヴァンニ洗礼堂。

ドゥオーモのすぐそばにある、八角形の建物です。

フィレンツェの中心に立つこの洗礼堂は、外から見るだけでも美しい。

白と緑の大理石の模様が印象的で、ドゥオーモやジョットの鐘楼と並ぶことで、広場全体がまるごとひとつの芸術作品のように見えます。

ドゥオーモ広場に立つ、サン・ジョヴァンニ洗礼堂。
ギベルティの《天国の門》。金の扉に刻まれた物語。

洗礼堂に入る前に、まず見たかったのが「天国の門」と呼ばれる金色の扉です。

ロレンツォ・ギベルティによる扉で、旧約聖書の場面が細やかなレリーフで表現されています。

現在、外にあるものは複製ですが、それでも近くで見ると迫力があります。

ひとつひとつの場面が細かい。

人物の表情。
建物の奥行き。
物語の流れ。

扉というより、金色の絵巻物のようでした。

そして中へ入りました。

ただ、ここは少し残念なことに、内部が修復中でした。

本来なら、きらびやかなモザイク天井をしっかり見ることができる場所です。

でも今回は、足場や幕があり、完全な姿を見ることはできませんでした。

修復中の洗礼堂内部。それでも空間の力は十分。

これは少し残念でした。

でも、こうして修復をしているからこそ、歴史的な建物は未来へ残っていく。

そう考えると、見られなかったことも旅の一部です。

完璧な姿だけが旅ではありません。

その時その瞬間の姿に出会う。

それもまた、現地に行く意味なのだと思います。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会へ。フィレンツェの静かな美に包まれる


次に向かったのは、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会です。

前日の夕方にも外観だけ見ていましたが、この日は中に入ることができました。

フィレンツェの主要駅の名前にもなっている、サンタ・マリア・ノヴェッラ。

その存在感は、街にとってかなり大きいものだと思います。

駅名として日常の中に溶け込みながら、教会としては長い歴史と信仰を背負っている。

広場に立つと、まずそのファサードの美しさに目を奪われます。

駅前に佇むサンタ・マリア・ノヴェッラ教会
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の美しいファサード。

中へ入ると、ここもまた素晴らしかったです。

ドゥオーモのような圧倒的な巨大さとは違います。

サン・ロレンツォ聖堂のような静かな重みとも少し違います。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会には、絵画、彫刻、建築、光が複雑に重なり合う美しさがありました。

ステンドグラスから入る光。

壁面に描かれたフレスコ画。

奥行きを感じさせる空間。

見ていると、教会というより、ひとつの巨大な美術館の中を歩いているようでした。

光と装飾が重なる、教会内の礼拝空間。
小さな礼拝堂にも、濃密な美が宿っていました。
美しいステンドグラスの眩さ
壁一面に広がるフレスコ画の物語。
回廊に入ると、時間の流れがゆっくりになります。

フィレンツェの長い回廊。

壁面に描かれた絵も、とても印象的でした。

聖書の場面や人物たちが、壁いっぱいに広がっています。

一枚の絵というより、壁全体が物語になっている。

細部まで理解できなくても、その場にいるだけで圧倒されます。

さらに、回廊や中庭へ進むと、また雰囲気が変わります。

外の光が入り、緑が見え、静かな空気が流れている。

教会の中の重厚さから少し解放されるような、やわらかい時間でした。

中庭の緑と回廊。静けさが美しい場所でした。
光と影がつくる、サンタ・マリア・ノヴェッラの庭。

こういう場所にいると、旅の歩き方も少し変わります。

有名な作品を見つけに行くというより、その場の空気を味わう。

絵を見て、天井を見て、庭を見て、回廊を歩く。

すると、少しずつフィレンツェという街が身体に入ってくる感じがします。

この教会は、想像以上に良かったです。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会。

フィレンツェに行く方には、かなりおすすめしたい場所です。

フィレンツェで念願のTボーンステーキ


午前中に、メディチ家礼拝堂、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会を巡りました。

朝からかなり濃い時間です。

そして、いよいよランチ。

妻がフィレンツェで楽しみにしていたものがあります。

肉料理です。

フィレンツェといえば、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。

いわゆるフィレンツェ風Tボーンステーキです。

向かったのは、Ristorante Matteoni Firenze。

ここで、まさかの1.5キロの骨付きTボーンステーキを注文しました。

1.5キロ。

夫婦2人です。

ちょっとした事件です。

熟成肉の迫力。ここからステーキが始まります。

店員さんが生肉を見せてくれて、部位やおすすめを説明してくれました。

その流れに乗せられたというか、いや、こちらも半分乗る気だったというか。

せっかくフィレンツェまで来たのだから、いってしまおうと。

そして出てきたステーキが、想像以上の迫力でした。

焼き加減はかなりレア。

外は香ばしく、中は赤身の旨みがしっかり残っています。

塩の効き方もよく、肉そのものを味わう一皿でした。

日本で食べるステーキとは、また違う力強さがあります。

繊細というより、堂々としている。

肉です。

私は肉です。

そう言われている感じでした。

チーズとサラダも頼みました。

このチーズも美味しかったです。

ただ、さすがに1.5キロのステーキはお腹にきました。

夫婦2人で、なんとか完食。

食べ終わったあとは、達成感と眠気が同時に来ました。

旅先で美味しいものを食べるのは幸せです。

でも、食べすぎると人間はちゃんと眠くなります。

これは万国共通です。

このあとは午後のウフィツィ美術館に備えて、いったん宿に戻ることにしました。

シャワーを浴び、少し仮眠。

フィレンツェ2日目、まだまだ終わりません。

午後はウフィツィ美術館へ。ボッティチェリに会いに行く


午後3時前後に宿を出て、ウフィツィ美術館へ向かいました。

予約した時間は15時45分。

オンライン予約は少し手こずりましたが、なんとか無事に取ることができました。

宿から歩いて25分ほど。

西日が照りつける暑い時間でした。

できるだけ日陰を選びながら、街の中を歩いていきます。

途中、シニョリーア広場のあたりまで来ると、フィレンツェの政治と芸術の中心に入っていく感じがありました。

シニョリーア広場にそびえるヴェッキオ宮殿。
【写真25】ロッジア・デイ・ランツィ。広場そのものが美術館のよう。

このあたりは、ただ歩いているだけでもすごいです。

建物。
彫刻。
広場。
人の流れ。
青空。

すべてが絵になります。

そして、いよいよウフィツィ美術館へ。

今回、僕が一番楽しみにしていたのは、やはりボッティチェリです。

《ヴィーナスの誕生》。

そして《春》。

この2つは、どうしても見たかった。

実際にその部屋に入ると、ものすごい人でした。

やはり世界中の人が、この絵を見に来ているのだと思います。

作品の前には入場制限のような流れもあり、少しずつ進みながら見る形でした。

それでも、目の前にした瞬間、来てよかったと思いました。

ボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》。ついに対面。

《ヴィーナスの誕生》は、想像していたよりも柔らかく、そして大きく感じました。

画集や映像で見ていた絵が、目の前にある。

それだけで不思議な感覚になります。

貝殻の上に立つヴィーナス。

風を送る神々。

布を差し出す女性。

画面全体に流れる優雅さ。

有名すぎる絵なのに、やっぱり実物には実物の力がありました。

そして《春》。

こちらも素晴らしかったです。

【写真27】ボッティチェリ《春》。花と神話が息づく名画。

《春》は、画面の中に人物が多く、見る場所によって印象が変わります。

中心に立つヴィーナス。
三美神。
花をまとうフローラ。
風の神ゼピュロス。

神話の世界なのに、どこか人間の気配もある。

美しくて、少し謎めいていて、ずっと見ていたくなる絵でした。

ウフィツィ美術館は、もちろんボッティチェリだけではありません。

館内を歩いていると、部屋そのものが豪華で、空間全体が芸術の器になっています。

【写真28】ウフィツィ美術館のトリブーナ。部屋ごと芸術作品でした。

その後も、名作が次々に現れます。

ピエロ・デッラ・フランチェスカの《ウルビーノ公夫妻の肖像》。

横顔で向き合う2人の姿が、とても印象的でした。

ピエロ・デッラ・フランチェスカ《ウルビーノ公夫妻の肖像》。

ミケランジェロの《聖家族》。

丸い画面の中に、力強い身体表現と鮮やかな色彩が詰まっています。

ミケランジェロ《聖家族》。通称《ドーニ・トンド》。

フィリッポ・リッピの《聖母子と二天使》も、とても美しかったです。

聖母の表情がやわらかく、天使の顔にはどこか親しみがありました。

フィリッポ・リッピ《聖母子と二天使》。

そして、カラヴァッジョの《メドゥーサ》。

これは強烈でした。

美しいというより、刺さる。

生々しい。

こちらを見る目が、忘れられない迫力でした。

カラヴァッジョ《メドゥーサ》。圧倒的な緊張感。

ウフィツィ美術館は、正直、全部をじっくり見ようとすると一日では足りません。

僕たちも、かなり見たつもりですが、それでもまだまだ見切れていないと思います。

でも、今回の旅でボッティチェリに会えたこと。

《ヴィーナスの誕生》と《春》を目の前で見られたこと。

それだけでも、この時間は忘れられないものになりました。

ちなみにこの日は、韓国の国旗をつけたVIP車列を街中で見かけました。

そのあと、ウフィツィ美術館の中でもその一行らしき方々と動きが重なる場面があり、少し不思議な偶然でした。

世界中の人が、この街に集まってくる。

フィレンツェはやっぱり、そういう街なのだと思います。

ジェラートを食べて、ヴェッキオ橋へ

ウフィツィ美術館を出たあとは、かなり頭も身体もいっぱいでした。

芸術を浴びるというのは、意外と体力を使います。

そこで、少し休憩も兼ねてジェラートを食べることにしました。

僕はメロンとチョコレート。

妻はヨーグルトとイチゴ。

暑いフィレンツェの午後に食べるジェラートは、もうそれだけでご褒美です。

【写真33】美術館のあとのジェラート。身体にしみました。

そして、どうしても行きたかったヴェッキオ橋へ。

ヴェッキオ橋は、フィレンツェ最古の橋として知られ、現在の橋は14世紀に再建されたものです。

橋の上には宝飾店が並び、上部にはメディチ家ゆかりのヴァザーリの回廊が通っています。

ただの橋ではありません。

橋であり、通路であり、商店街であり、歴史そのものです。

アルノ川にかかるヴェッキオ橋。フィレンツェらしい景色。

橋に近づくと、まずその形に驚きました。

遠くから見ると、橋の上に建物が乗っているように見えます。

そして実際に渡ってみると、途中で「自分はいま橋の上にいる」という感覚が薄れていきます。

橋の上には宝飾店が並び、人が行き交い、観光客の熱気でいっぱいでした。

まるで橋の上に、もうひとつの小さな街ができているようでした。

宝飾店のきらめきも、フィレンツェらしい風景。
ヴェッキオ橋の上は、まるで小さな街。
橋の中央から見るアルノ川沿いの景色。歩き疲れも癒されます。

アルノ川の眺めも素晴らしかったです。

川面に光が反射し、両岸に建物が並び、遠くへ視線が抜けていく。

ローマにはローマの川があり、フィレンツェにはフィレンツェの川がある。

この街の景色には、アルノ川がとてもよく似合っていました。

本当は、橋を渡った向こう側にも行きたい場所がたくさんありました。

ピッティ宮殿。
ボーボリ庭園。
さらに奥の街並み。

でも、今回のフィレンツェ滞在は実質2日。

全部は行けません。

旅はいつも、少しだけ心残りがあるくらいがいいのかもしれません。

また来る理由が残るからです。

夕方のウフィツィ周辺と、広場の余韻


ヴェッキオ橋周辺から戻る途中、ウフィツィ美術館の中庭をあらためて歩きました。

午前や午後の混雑とはまた違い、夕方の光の中で見るウフィツィの建物も美しかったです。

ウフィツィ美術館の中庭。建物そのものが芸術。

シニョリーア広場のあたりも、まだ多くの人で賑わっていました。

ネプトゥヌスの噴水。

ヴェッキオ宮殿。

ロッジア・デイ・ランツィの彫刻群。

この一帯は、フィレンツェの濃さが凝縮されています。

《ネプトゥヌスの噴水》。青空に映える白い大理石。
ヴェッキオ宮殿。フィレンツェの政治の象徴。
【写真42】ジャンボローニャ《コジモ1世騎馬像》。メディチ家の威光。

フィレンツェは、街を歩くだけで美術館の中にいるような場所です。

もちろん、ウフィツィ美術館の中には名作があります。

でも、その外にも名作がある。

広場にも、橋にも、教会にも、薬局にも、街角にも。

街全体が、ひとつの大きな作品のようでした。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局へ。香りまで美しい街


帰り道、妻が行きたいと言っていた場所に寄りました。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局です。

正式には、Officina Profumo-Farmaceutica di Santa Maria Novella。

世界最古級の薬局として知られ、香水や石鹸、スキンケア製品などを扱っています。

疲れてはいました。

でも、ここは寄ってよかったです。

外観からすでに雰囲気があります。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局。老舗の気品。

中に入ると、驚きました。

薬局というより、美術館。

あるいは宮殿の一室です。

高い天井。
シャンデリア。
美しい装飾。
整然と並ぶ香水瓶。
上品な香り。

店内は、薬局というより香りの宮殿。

香りを売っている場所なのに、空間そのものがすでに美しい。

フィレンツェのすごさは、こういうところにもあります。

実用品ですら、美しく見せる。

日用品ですら、文化にしてしまう。

香水瓶と肖像画。長い歴史が並んでいました。
金色の天使像と、クラシカルな商品たち。

妻は香りや石鹸を楽しそうに見ていました。

僕も、ここは素直に美しいと思いました。

フィレンツェは絵画や彫刻だけではない。

香りにも、商品にも、空間にも、美意識がある。

この街は、本当にどこまで美しいのだろうと思いました。

夜はスーパーのラザニア。これも旅のリアル


この日の夜は、もうかなり疲れていました。

朝カフェから始まり、メディチ家礼拝堂、洗礼堂、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、Tボーンステーキ、ウフィツィ美術館、ヴェッキオ橋、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局。

書き出すだけでも、なかなかの行程です。

夕食は、無理にレストランへ行かず、スーパーで買ったラザニアとサラダで簡単に済ませることにしました。

でも、このラザニアが美味しかった。

旅先では、毎食レストランで気合いを入れる必要はありません。

たくさん歩いて、たくさん見て、宿に戻って、シャワーを浴びる。

そして、簡単だけれど温かいものを食べる。

これもまた、旅の幸せです。

むしろ、こういう夜があるから、翌日また動けるのだと思います。

この日も、早めに眠りました。

明日の朝には、フィレンツェを出てヴェネツィアへ向かいます。

でもその前に、最後にどうしても見たい景色がありました。

ミケランジェロ広場からのフィレンツェです。

そして。寝際に、フィレンツェでの2日間が一気に身体に戻ってきました。

本当に濃かった。

ローマも濃かったけれど、フィレンツェもまた別の意味で濃かったです。

ローマは、巨大な歴史の街でした。

コロッセオ。
フォロ・ロマーノ。
トレビの泉。
スペイン広場。
古代帝国の遺跡と、現代の街が混ざり合っている場所。

一方、フィレンツェは、美が凝縮された街でした。

ドゥオーモ。
メディチ家。
サン・ロレンツォ。
サンタ・マリア・ノヴェッラ。
ウフィツィ美術館。
ヴェッキオ橋。
ミケランジェロ広場。

街の大きさとしては、ローマよりずっとコンパクトです。

でも、その中に詰まっている美術、建築、歴史、食、空気が本当に濃い。

歩くたびに、見上げるたびに、立ち止まるたびに、美しいものが現れる。

そんな街でした。

フィレンツェは、美が凝縮された街だった

フィレンツェで過ごした時間を振り返ると、何度も思います。

来てよかった。

本当に来てよかった。

初日は、ローマから移動して、中央市場で食べ、メディチ・リッカルディ宮殿とサン・ロレンツォ聖堂へ行き、ドゥオーモのクーポラに登りました。

2日目は、朝カフェから始まり、メディチ家礼拝堂、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会を巡り、念願のTボーンステーキを食べ、午後はウフィツィ美術館へ。

ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》と《春》に会い、ミケランジェロ、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、フィリッポ・リッピ、カラヴァッジョの作品にも触れました。

そしてヴェッキオ橋を歩き、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局で香りの美しさに驚き、明日朝はミケランジェロ広場からフィレンツェの街を見渡します。

すごい旅程です。

書きながら、自分でも少し笑ってしまいます。

よく歩きました。

よく見ました。

よく食べました。

そして、よく感動しました。

フィレンツェは、華やかです。

でも、ただ華やかなだけではありません。

美しさの奥に、時間があります。

メディチ家の栄光。
職人たちの技。
芸術家たちの執念。
教会に積み重なった祈り。
今もそれを守り続ける人たち。

そういうものが、街のあちこちに残っていました。

そして、結婚25周年の旅で、妻と一緒にこの街を歩けたこと。

それが何よりの宝物です。

ドゥオーモの頂上から見た景色。

ウフィツィで見たボッティチェリ。

ヴェッキオ橋の人混み。

ミケランジェロ広場の朝焼け。

スーパーのラザニア。

カフェラテとデニッシュ。

全部が、旅の記憶になりました。

フィレンツェは、美が凝縮された街。

そして、またいつか戻ってきたい街です。

次はヴェネツィアへ。

水の都へ向かいます。

イタリア旅は、まだ続きます。

天豆(てんまめ)

ヴェネツィア編の旅レポもぜひご覧ください。

再びローマ・バチカン編はこちら↓最終章ぜひご覧ください。


いいなと思ったら応援しよう!

天豆 てんまめ もし、私を応援してくださる方がおられましたら、サポートしていただけるととても励みになります☆彡 いただいたものは、クリエイター活動で使わせていただきます!