子どもの塾選びに迷った時に親がやるべき最も大切なことと「決定回避の法則」
SNSの教育アカウントや子育てコミュニティを見ていると、毎日のように目にする驚く投稿があります。
「新学期、受験に向けて、どこの塾が良いか教えてください」
「〇〇塾と△△塾、どちらが良いですか?」
我が子の将来を思い、少しでも良い環境を適切に与えたいという親御さんの切実な気持ちは、私も子どもを持つ親として本当に痛いほどよく分かります。
しかし、こうした投稿を見るたびに、私は「違和感」を拭えません。
SNSを見ていると本当に沢山の「違和感」に出逢います。
(「違和感」を書き溜めているうちに100個にもなってしまいました)
SNSで顔も知らない、見ず知らずの他人に「おすすめの塾」を尋ねる前に親は、最も大切なプロセスを飛び越えてしまってはいないでしょうか。
目の前にいる「我が子」への問いをしていますか?
以前、こんな投稿も見たことがあります。
「こんな場所(SNS)で、【本当に良いこと】なんか他人なんかには教えない」
そんな風に書き込んでいる人もいました😅
◆「塾ありき」で進んでいませんか?
そもそも、塾選びにおいて最初に議論すべきは「どの塾にするか」という選択肢の比較でしょうか?
・そもそも、子どもが本当に塾に行く「必要」があるのか
・「子ども自身が」塾に行きたいと言っているのか
本来であれば、この2つの問いがすべての出発点になるはずです。
ここを置き去りにしたまま
「どこの塾が良いか教えてください」
「〇〇塾と△△塾、どちらが良いですか?」
「子どもが行きたいと言っている◯◯塾の評判はどうですか?」
とSNSで意見を求めるのは、少し厳しい言い方をすれば「愚問」と言わざるを得ません。
評判の良い塾、合格実績が華々しい塾が、あなたのお子さんに合うかどうかは全く別問題です。
また、塾の合格実績には一種の「からくり」が存在します。
SNSで集まる意見は、あくまで「他人の子」の成功体験や主観に過ぎません。
子どもの性格や現在の学力、そして何より「本人の意志」を無視して器だけを整えても、教育の効果は期待できないのです。
◆「自分で決めた」という経験が自分事として考える力となる
なぜここまで子どもの意志にこだわるのか。
それは、子ども自身が「自分で選んで決めた塾」でなければ、本当の意味での学力向上には結びつかないからです。
親から言われて受動的に通う塾は、子どもにとって「強制された退屈な時間」になりがちです。
一方で、「自分がここで行きたい、ここで頑張りたい」と納得して選んだ場所であれば、そこには強い「当事者意識」が芽生えます。
自分で決めたことだからこそ、多少授業が難しくても踏ん張ることができます。宿題が多くても、自分の目標のために机に向かうようになります。
親御さんの悩みとしてよくある
「子どもが塾を途中でやめたいと言い出した」
「塾の勉強を全くしなくてイライラする」
という問題の大半は、最初の段階で子ども自身に決定権がなかったことが原因です。
「親に言われて通わされている」という言い訳ができる状態では、壁にぶつかったときに簡単に折れてしまうのです。
自分で決めた道であれば、親が後ろから「勉強しなさい」と嘆く必要もなくなります。
◆親が果たすべき、本当の役割とは
塾選びにおいて、親が果たすべき役割は「情報収集と誘導」ではありません。子どもが自分の意志を固めるための「環境づくりと対話」です。
まずは、子どもが今、勉強に対してどう感じているのか、将来どうなりたいのかをじっくりと聞き出すこと。
そして、もし塾に行きたいという意志があるならば、いくつかの選択肢を提示し、実際に体験授業などへ足を運ばせた上で、最終的な判断を子ども自身に委ねることです。
SNSに溢れる情報に振り回され、我が子の足元が見えなくなってしまっては本末転倒です。
より「多くの選択肢」から「いい塾」を選びたい。
親御さんのお気持ちは、わかりますが、実は「選択肢は多いほど選べない」ということも知ってください。
選択肢が多すぎるとかえって選べなくなる理由
脳の負担増大や「間違えたらどうしよう」という不安が原因です。
これを心理学で選択のパラドックス【決定回避の法則】と呼びます。
具体的には、以下の3つの心理が働いています。
・脳のキャパシティオーバー
人間が一度に処理できる情報の限界(マジカルナンバー)を超えてしまい、比較・検討すること自体が疲労やストレスに変わります。
・「最良」を求めるプレッシャー
選択肢が多いほど「もっと良いものがあるはず」と完璧を求めすぎてしまい、決断できなくなります。
・後悔への恐れ
「選ばなかった別の選択肢の方が良かったかもしれない」という後悔や失敗への不安が大きくなり、行動をやめてしまいます。
この現象は「ジャムの法則」としても知られ、試食の選択肢を減らした方が売上が10倍になったという実験でも実証されています。
スマホの画面の向こうにいる見ず知らずの誰かに意見を求める前に、まずは目の前に座っているお子さんと、じっくり言葉を交わしてみてはいかがでしょうか。
すべての答えは、SNSではなく、お子さん自身の中にあります。
我が子が大人になった時、「中学受験をしたこと」をどう感じていて欲しいですか?
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最後までお読みいただきありがとうございます。