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【伝わるプレゼンの探求】 なぜ、その決定は誰の中にも残らなかったのか— 会議で通る話と、動き出す話の違い|インセプション型プレゼンの実際

この話は、ここから続いています。

会議のあと、

「あの件、どうなったんでしたっけ」

と言われることがある。


その場では、

たしかに納得していた。


反対もなかった。


「それでいきましょう」

とも言われた。



でも、

数日後になると、

誰も、
うまく説明できない。


「あれって、
結局どういう話でしたっけ」


「なんで、
その方向になったんでしたっけ」


そう聞かれる。


誰も悪くない。


でも、

誰の中にも、
景色が残っていない。


こういうことは、
意外と多い。


この記事でわかること

・会議のあとに相手の中に残るもの
・情報よりも、比較軸や優先順位が残る理由
・相手が別の人に説明できる状態とは何か
・「自分でそう思った」と感じる記憶の構造
・プレゼン後に再生されるもの、消えるものの違い

会議のあとに相手の中に残るもの


プレゼンで話した内容を、

相手は、
そのまま覚えているわけではありません。


数字も。

順番も。

細かい説明も。


意外と残りません。


会議のあとになると、

「あれ、何%でしたっけ」

「どちらが先でしたっけ」


そういうことは、
普通に起きます。



でも、

全部忘れているわけではありません。


なぜその方向なのか。

何を優先していたのか。

何と比較していたのか。


そういう景色は、
意外と残ります。


情報よりも、比較軸や優先順位が残る理由


人は、

細かい情報よりも、

“どう考えればいいか”

を持ち帰ります。


100ページの緻密な資料より、

「AよりBを優先する」

という1本の物差しの方が残る。


数字やデータは、

納得してもらうための燃料です。



でも、

最後に残るのは、

迷ったときに戻れる、
判断のための物差しです。


たとえば、

数字そのものは忘れても、

「短期の売上より、
5年後のブランドを優先する話だった」

は残る。


「コストを下げるより、
まず使われ方を変える話だった」

は残る。


「今やるかどうかではなく、
どこから始めるかの話だった」

は残る。



そういう比較軸や優先順位が残っていると、

相手は、
会議のあとでも判断できます。


新しい情報が入ってきても、

「ああ、
でも今回はこっちを優先する話だった」

と戻れる。


だから、

プレゼンで本当に必要なのは、

情報を全部覚えてもらうことではありません。


相手の中に、

判断のための物差しを残すことです。


相手が別の人に説明できる状態とは何か


プレゼンが終わったあと、

本当に重要なのは、

その場にいなかった人にも、
話が伝わるかどうかです。


会議にいた人が、

別の人に、

「あの話って、
こういうことだったよ」

と言えるか。


「他にも案はあったけど、
今回はこちらを優先した方がいい」

と言えるか。


「今やる理由は、
ここにある」

と言えるか。


そこまで残っていれば、

そのプレゼンは、
会議室の外でも生きています。



逆に、

「なんか良かった」

しか残っていないと、

別の人には説明できません。


すると、

会議室を出た瞬間に、
話が止まる。


誰も悪くない。


でも、
誰も再生できない。


だから、
前に進まない。


「自分でそう思った」と感じる記憶の構造


人は、

他人に言われたことよりも、

自分で考えたと思ったことの方を覚えています。


だから、

強く押し込まれた結論は、
意外と残りません。


その場では納得しても、

時間が経つと、

「誰かに言われたこと」

になってしまう。



でも、

相手の中で比較軸が立ち上がり、

自分の言葉で整理できるようになると、

その結論は、
少しずつ相手のものになります。


答えを教えられたというより、

そこに至る道筋を、
自分で歩いた感覚が残る。


だから、

「自分でそう思った」

という感覚が残る。


だから、

時間が経っても、
簡単には消えない。


プレゼン後に再生されるもの、消えるものの違い


プレゼンのあとに再生されるものには、
共通点があります。


比較軸がある。

優先順位がある。

なぜその方向なのかがある。


だから、

別の人に説明できる。


会議のあとでも、
自分の中で再生できる。



逆に、

消えるものには、


理由がありません。

比較がありません。

優先順位がありません。


「良かった」

だけが残っている。


だから、

別の情報が入ると、
簡単に消える。


そこに、

インセプション型プレゼンの核心があります。


次回は、

なぜ人は、

押し込まれた結論ではなく、

「自分で決めた」

と思った結論に動くのか。


その心理的な構造に触れます。


まとめ

・人は、情報そのものよりも、比較軸や優先順位を持ち帰る
・100ページの資料より、「AよりBを優先する」という1本の物差しの方が残る
・相手が別の人に説明できるなら、そのプレゼンは残っている
・「自分でそう思った」と感じる結論ほど、時間が経っても消えにくい
・必要なのは、情報を覚えてもらうことではなく、判断のための景色を残すこと

この話はここに続いています。

インセプション型プレゼンシリーズ


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