【伝わるプレゼンの探求】 なぜ、反対されたのに話は進むのか— 止まる反対と、前に進む反対|インセプション型プレゼンの実際
この話は、ここから続いています。
会議で反対が出ると、
空気が止まったように感じることがある。
いせっかく話が進んでいたのに。
ようやくまとまりかけていたのに。
また止まった。
そう感じることもあります。
でも、
反対が出たこと自体は、
悪いことではありません。
むしろ、
何かが起きているからこそ、
反対が出ることもあります。
この記事でわかること
・反対が出ること自体は悪くない理由
・前に進む反対と、止まる反対の違い
・条件付きの反対が出たとき、何が起きているのか
・反対を“敵”にすると、本当の論点が見えなくなる理由
・反対の中に、比較軸や優先順位が含まれていることがある理由
反対が出ること自体は悪くない理由
反対が出ると、
つい、
否定されたように感じます。
でも、
本当に何も起きていないときは、
反対すら出ません。
「いいですね」
「なるほど」
「一旦持ち帰りましょう」
そのまま、
何も動かない。
そういうことの方が、
むしろ多い。
反対は、
相手の中で、
何かが動き始めているサインでもあります。
比較が始まっている。
優先順位が立ち上がっている。
「もしやるなら」
が始まっている。
反対が出たということは、
少なくとも相手は、
もう“ただ聞いているだけ”ではありません。
だから、
反対が出たから失敗ではありません。
何に反対しているのか。
どこに引っかかっているのか。
その中身の方が重要です。

前に進む反対と、止まる反対の違い
反対には、
前に進む反対と、
ただ止めるだけの反対があります。
前に進む反対は、
条件付きです。
「もしやるなら、
この順番の方がいい」
「方向性は良いけれど、
この部分だけ先に整理したい」
「今期ではなく、
来期の方が成果につながるかもしれない」
こういう反対は、
否定ではありません。
相手の中で、
比較軸や優先順位が立ち上がっている。
その上で、
より前に進みやすい形を探しています。
一方で、
止まる反対は、
比較も条件もありません。
「なんとなく違う」
「前例がない」
「うちには早い」
そうやって、
理由が曖昧なまま、
動きを止める。
この場合は、
本当の論点が、
まだ整理されていないことが多い。
相手の中で、
比較軸がまだ育っていない。
だから、
止まる反対が出たときは、
反論するよりも、
一度、
前提の共有まで戻った方がいい。

条件付きの反対が出たとき、何が起きているのか
条件付きの反対が出ると、
プレゼンした側は、
少し安心していい。
なぜなら、
相手の中で、
すでに前提が共有され始めているからです。
「やるか、やらないか」
ではなく、
「どうやるか」
の話に変わっている。
「必要かどうか」
ではなく、
「どの順番がいいか」
の話に変わっている。
これは、
相手の中で、
比較軸が立ち上がっている状態です。
たとえば、
「その方向性は良いと思います。
ただ、先に店頭の見せ方を変えた方が、
効果が見えやすいかもしれません」
これは、
反対のように見えて、
実際には、
前に進めるための整理です。
こういう反対が出始めると、
相手は、
もう聞いているだけではありません。
一緒に、
進め方を考え始めています。
反対を“敵”にすると、本当の論点が見えなくなる理由
反対を、
「潰すもの」
として扱うと、
本当の論点が見えなくなります。
反対が出ないように。
反論できるように。
全部説明できるように。
そうやって、
隙を消そうとすると、
かえって、
相手の中で比較する余白がなくなります。
すると、
相手は、
評価する側に戻る。
「粗を探す」
「穴を探す」
「本当にそうかを確かめる」
そういう聞き方に変わっていきます。
でも、
条件付きの反対には、
比較軸があります。
優先順位があります。
前提があります。
だから、
反対の中に、
相手がどこを大事にしているかが見える。
そこが見えれば、
話は止まるどころか、
むしろ前に進みます。
反対の中に、比較軸や優先順位が含まれていることがある理由
反対は、
単なる否定ではありません。
「それは違う」
の裏には、
「こちらの方が大事」
があります。
「今ではない」
の裏には、
「先にやるべきことがある」
があります。
つまり、
反対の中には、
相手の比較軸や、
優先順位が隠れています。
だから、
反対が出たときは、
潰すよりも、
何と比較しているのか。
何を優先しているのか。
何が条件なのか。
そこを見た方がいい。
反対が出ること自体よりも、
反対の理由が言葉になっているかどうか。
その方が、
ずっと重要です。

では、
会議が終わったあと、
相手は、
何を持ち帰っているのでしょうか。
情報でしょうか。
結論でしょうか。
反対の理由でしょうか。
でも実際には、
人が持ち帰っているのは、
情報そのものではなく、
比較軸や優先順位の方かもしれません。
プレゼンのあと、
相手の中に何が残っているのか。
次は、
その話をします。
まとめ
・反対が出ること自体は悪くない
・本当に何も起きていないときは、反対すら出ない
・条件付きの反対は、比較軸や優先順位が立ち上がっているサイン
・止まる反対が出たときは、前提共有まで戻った方がいい
・反対を潰そうとすると、本当の論点が見えなくなる
・反対の中に、相手が何を大事にしているかが含まれていることがある
