ショパンの幻想曲は、私の「いつか」。(3/6)
今回は、まだ弾いたことがないけど好きな曲です。
ショパンの幻想曲 ヘ短調 Op.49。
私の「いつか」と呼んでいる曲です。
いつの間にか、好きになっていた
いつ初めてこの曲を聴いたのか、はっきり覚えていません。
気づいたときには、好きになっていた。
この曲は、まさにそういう存在です。
聴くたびに、何かが胸に刺さる。
でもそれが何なのか、言葉にするのが難しい。
葬送から始まり、希望で終わる
この曲は、重い葬送行進曲風の低音から始まります。
人生における壮絶な別れを思わせる、その重さ。
序奏から、すでに何かが始まる予感があります。
やがて、繰り返すリズムの中に物語性のある主題が現れます。
そのテーマが、第二・第三テーマを経ながら、少しずつ変容していく。
苦しみ、もがき、でも前に進んでいく。
そして最後。
自らの終わりを表現するような、静かな重さがある。
でも同時に、生きるという重さを漂わせた展望と希望が感じられます。
葬送から始まり、自己昇華を経て、希望で終わる。
この曲は、一つの人生そのものだと思っています。
舟歌が人生の時間軸を追うものだとすれば、幻想曲は人生の深みそのものを描いているような気がします。

「弾く」ということ
楽譜をなぞることなら、時間をかければできるかもしれません。
でも本当の意味で弾きこなすことは、今の私にはまだできないと思っています。
この曲には、人生の重さが必要だと感じるからです。
葬送の重さ。
別れの痛み。
それでも生きていくという意志。
楽しさから悲しみを、淋しさから希望を見出すような深みを経験しないと、
本当の意味での理解ができたとは言えないのではないか。
それらを身体・心で知った上で、初めてこの曲を弾ける気がする。
楽譜の音符を並べることと、この曲を生きることは、別のことだと思っています。

「いつか」という楽しみ
だから今は、焦りません。
「いつか弾きたい」という気持ちは、焦りではなく楽しみです。
人生の経験が積み重なって、この曲に近づいていく。
その過程自体が、豊かなことだと思っています。
恩師から受け取ったものを育てながら、いつかこの曲を弾く日を待っている。
ショパンの幻想曲は、私の「いつか」です。
そしてその「いつか」は、確かに近づいていると感じています。

これからもT|ot_lifeとして
感じたことを書いていきます。
よかったらまた読みにきてください。
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