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あなたの会社の定款は、強い定款ですか?弱い定款ですか??

事業承継を成功させるか、あるいは親族間や親族外との間で泥沼の紛争に発展してしまうか。

その運命を分ける決定的な要素の一つが、会社の「定款(ていかん)」です。

定款はいわば「会社の憲法」ですが、多くの企業では設立時に作ったきり、一度も見直されることなく眠っています。

しかし、一般的なひな形のまま放置された「弱い定款」のままで事業承継を迎えると、予期せぬリスクに足をすくわれることになります。

本記事では、事業承継における「強い定款」と「弱い定款」の違いを、具体的なリスクと対策を交えて徹底的に比較・解説します。


事業承継における「強い定款」と「弱い定款」とは?

一言で言えば、その違いは「未来の経営リスクやトラブルを想定し、先手を打ってカスタマイズされているかどうか」にあります。

弱い定款

会社設立時の公証役場や法務局のひな形(モデル定款)をそのまま使っている状態です。法令の最低限の基準は満たしていますが、事業承継という大きな転換期に発生する独自のトラブル(株式の分散、経営権の争いなど)を防ぐ力はありません。

強い定款

会社法が認めている様々な特例やカスタマイズ機能をフルに活用し、後継者へのスムーズな経営権集約や、敵対的な株主からの防衛策があらかじめ組み込まれた定款です。

決定的な3つの比較ポイント

具体的にどのような違いがあるのか、事業承継で特にもめやすい3つの局面から比較してみましょう。

① 先代経営者が亡くなり、株式が相続されたとき

弱い定款の場合

先代が亡くなると、その株式は配偶者や子供たちなどの相続人に遺産分割されます。

もし経営に全く関与しない、あるいは後継者と仲の悪い親族が株式を相続してしまった場合、その親族は「株主」として会社の経営に口を出す権利を得てしまいます。

最悪の場合、経営がストップします。

強い定款の場合(強い防御機能)

定款に「当会社の株式を相続等により取得した者に対し、当該株式を会社に売り渡すことを請求することができる(相続人等に対する売渡請求)」という規定を入れておきます。

これにより、後継者以外の親族が株式を相続しても、会社側から「その株はお金(適正価格)で買い取ります」と強制的に回収できるようになり、経営権の分散を完全に防げます。


② 代表者の判断能力が落ちた場合における、会社の重要事項の決定フロー

弱い定款の場合(機能不全)

株式の大多数を保有する代表者が認知症等にょり議決権行使が難しくなった場合は、役員の選任や重要な決定ができなくなり機能不全に陥ります。

強い定款の場合(柔軟な機能)

代表者が認知症などの「判断能力低下時」に会社の決定権を誰に移譲するのかが決まっている状態です。

これにより、重要事項の決定などが機能し、会社の運営を止めることを防ぐことが可能となります。


③ 後継者に「株(議決権)」を集中させたいが、他の親族への財産配分も必要なとき

弱い定款の場合

すべての株式が「1株=1議決権」という原則のままだと、後継者に経営権を渡すために株を集中させるしかありません。しかし、それでは他の親族への遺産配分が不公平になり、相続争い(遺留分トラブルなど)の原因になります。

強い定款の場合

会社法上の「種類株式」を導入する規定を定款に盛り込みます。例えば、後継者には「議決権のある株」を渡し、他の親族には「議決権はないけれど、配当金を多くもらえる株(無議決権配当優先株)」を渡します。これにより、経営権は後継者に100%集中させつつ、財産的な公平性も保つという、強い守りが実現します。


強い定款を作るための3つのステップ

では、あなたの会社の定款を「強い定款」に生まれ変わらせるにはどうすればいいのでしょうか。手順は以下の通りです。

現在の定款の総点検

まずは会社の金庫に眠っている現行の定款を引っ張り出し、何が書いてあるか(特に譲渡制限や相続に関する規定)を確認します。

将来の承継プロセスのシミュレーション

「誰に、いつ、どのように株と経営権を渡すか」「その時、他の親族や既存の株主はどう動くか」を予測し、リスクを洗い出します。

株主総会での定款変更決議

自社に合わせた最適な変更案(相続人への売渡請求の追加や、種類株式の発行枠の設定など)を作成し、株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上の賛成)を経て定款を変更します。


まとめ:事業承継の準備は「定款の見直し」から始まる

定款の変更には、株主総会の特別決議が必要です。

つまり、先代経営者が健在で、かつ議決権をしっかりと握っている「今」でなければ、定款を強くすることはできません。 後継者に代替わりした後に「定款を変えよう」と思っても、すでに株が分散してしまっていれば、拒否権を発動されて変更すらできなくなるのです。

事業承継は、単に社長の椅子を譲るだけのイベントではありません。会社の支配権(株式)を安全に、そして確実に次の世代へつなぐ一大プロジェクトです。

まずは自社の定款が「弱い定款」のままになっていないか、専門家である税理士や司法書士と一緒にチェックすることから始めてみませんか?

その一歩が、会社と家族の未来を守る最強の盾になります。



弊事務所でも「定款診断サービス」を行っています。

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