7500万円でのFIREは無謀なのか?
今月頭の日本経済新聞にFIRE民へのインタビュー記事が掲載されたのですが、これがSNS上で大きな話題となりました。
記事の内容は、FIREを目指していたり、既に達成した人に対するインタビューを扱ったものですが、特に話題となったのが、35歳でFIRE済の男性。
この男性は資産7500万円で夫婦でFIREを達成し、農業や執筆活動、コミュニティ運営などをして暮らしているとのことです。
この記事に対しては肯定的な意見も多かった一方で、さまざまな批判が噴出してプチ炎上しました。
個人が自由に意見を述べるのは良いことですが、この一連のやり取りを見て、私自身、FIREを目指す一員としていくつか思うところがありました。
そこで今回は、世間の反応とそれに対する私の意見を書きたいと思います。
7500万円では足りない?
日経記事に対しては様々なコメントが寄せられましたが、見たところ最も多かった反応が「2人世帯・35歳でFIREするなら7500万円の資金では到底足りない」というもの。
投資家の田端信太郎氏もこの点に触れたことで、大きな話題を呼びました。
え!7500万円でFIREしちゃったの!? https://t.co/E0O6sAmIrm
— 田端信太郎 @ 毎朝8時45分から株ライブ! (@tabbata) November 1, 2025
具体的な数字が出ていることで関心が関心を呼び、「1億円はないと無理」、「いやいや、全然足りるでしょ」といったコメント欄での活発なやり取りが巻き起こりました。
具体的に検証してみる
本当に7500万円ではFIREは無理なのか、「4%ルール」という考え方を当てはめてみます。
4%ルールとは、年間支出の25倍の資産があれば、その資産を年率4%で運用しながら取り崩すことで、理論上は資産が目減りすることなく生活費を賄えるというFIREの基本戦略です。
資産7500万円の場合だと、年間で使えるお金は300万円になります。
税金を考慮すると、手取りは月々およそ20万円程度ですね。

もし都内でマンションを借りたり、毎日外食をするような生活を前提とするなら、月20万円は確かに心許ないかもしれません。
しかし記事の男性には持ち家があり、住宅コストがかかっていません。
さらに家庭菜園やしじみ採取で食費が浮いていることを考えれば、生活コストもかなり低いはずです。
具体的にどの程度の生活費なのかは分かりませんが、我が家も夫婦二人世帯で毎月の生活費は15万円以内に収まっていますので、住居費を除いて月20万円というのは、二人暮らしとしてはそれほど無理のない水準だと思います。
実際、FIREに踏み切った人の資産額は3000万円未満が多数派だという調査結果がありますし、私も過去の記事で触れましたが、夫婦二人世帯なら5000万円もあれば、完全FIREを検討しても良い水準だと思っています。
それでも「足りない」と言われる理由
ではどうして、これほどまでに「7500万円は足りない」という意見が多いのでしょうか?
それは批判をする人達がリッチに暮らすFIRE、いわゆる「ファットFIRE」だけをイメージしているからだと思います。
確かに、豪華な暮らしを楽しむ「ファットFIRE」ができればそれが理想的ですよね。
しかし、それは大多数の人間にとってハードルが高く、達成は非常に困難です。故にFIRE達成者の多くは、自分なりに収支のバランスをとり、必要十分な資金を見極めてFIREをしています。
そしてFIREを目指す人は、基本的に「時間>お金」という価値観であることが多く、働く時間を短縮して自由な時間を手に入れることを重視しています。お金に重きを置いて贅沢に暮らしたいなら、そもそもFIREなんて目指さずに働き続けるのが最も合理的な選択になります。
記事の男性も、7500万円で生活できると判断したからこそFIREに踏み切ったわけです。もし将来生活が苦しくなったとしても、手持ちの資産に合わせて生活スタイルを見直して軌道修正していくでしょう。
そういう自律心があるからこそ、FIREできたのでしょうしね。
自分でハードルを上げる人達
こうした意見に対する私の率直な感想としては、「自分で勝手にFIREのハードルを上げている人が多いな」ということです。
同時に「7500万円でFIREなんてできるはずがない」という批判の裏には、半分以上、嫉妬が含まれているようにも感じました。
自分が仕事で疲弊しているのに楽に生きている奴がいるのはけしからん、という感情が芽生え、「どうせうまくいかはずがない」とか「真面目に働いている自分が最後には報われるはずだ」という「すっぱい葡萄」の心理が働くわけですね。
本当はFIRE願望があるのに、それが実現できない(と思っている)現状を正当化するために、既にFIREしている他人を叩くことで溜飲を下げているように見受けられました。
何しろ、日本のサラリーマンは世界一仕事が嫌いなのですから。
「そういう生き方もあるんだな」とか「7500万円でもできるなら目指してみようかな」と前向きに捉えるのではなく、頭ごなしに否定から入ってしまうのは、自分から可能性を潰しているようでもったいないと感じます。
まぁ、皆が皆FIREを目指す必要はないですし(実際に向き不向きはあるので)、手放しで賞賛するような生き方でもないので、中には本当に魅力を感じていない人もいるのでしょうけどね。
それはそれで、非常にラッキーで素晴らしいことだと思います。
また、現実的な話としてFIRE民が多数派になると社会が回らなくなってしまうので、マイノリティであるほうがFIRE民的にも実は都合が良いですし。
そういう意味では、FIRE民なんて日陰でひっそりしているのが丁度いいのかもしれません(笑)
上記以外にも、日経記事に対しては様々な反応が寄せられていました。
それらについてはYouTube動画で詳しくまとめていますので、良かったら是非ご覧ください!
記事の男性の正体
ところで、過去の私のnoteをご覧いただいた方ならお気付きかもしれませんが、この記事でインタビューを受けた男性は「FIREサラリーマンみかん🍊」さんという方です。
実は私の友人で、彼が運営しているコミュニティには私も参加しています。
一部ではコミュニティビジネスで稼いでいるという憶測もありましたが、コミュニティは完全無料で彼には1円も入っていないので、一応この点は明確に否定しておきます(笑)
記事で掲載されたスケジュールもあくまで一例で、毎日こんなに忙しく活動しているわけではないそうです。
紙面の限られた情報だけで人を判断することの危険性も、今回の件で改めて感じました。
投資でもそうですが、一方的な情報を鵜呑みにしないようにしたいですね。
みかんさんは今回のインタビューに関する感想も述べられていますので、併せてご覧ください!
それではまた!
【告知】
上記のみかんさんが運営している無料コミュニティ『FIRE研究所』では、ただいま新メンバーを募集中です。
今回の件もネタにしてわいわい盛り上がっている緩いコミュニティなので、もし興味がある方は是非応募してみてください!
