AIに相談してお店を探す時代に、なぜクチコミ施策は「Google」から始めるべきなのか
AIに相談しながらお店を探す行動が広がるなかで、なぜクチコミ施策はGoogleから始めるべきなのかを考えます。
これまで、お店探しといえばGoogleで「地域名+業種」と検索し、表示された店舗を一つずつ比較するのが一般的でした。
しかし最近は、
「子どもと一緒に入りやすい飲食店は?」
「初めてでも相談しやすい美容室を教えて」
「スタッフの説明が丁寧な車検のお店は?」
といったように、AIに条件を伝えながら候補を探す場面が増え始めています。
ユーザー自身が複数の店舗情報を読み比べる前に、AIが情報を整理し、条件に合いそうな店舗を提案する。お店探しの入口は、検索結果の一覧からAIによる提案へと少しずつ変わりつつあります。
こうした変化のなかで、店舗側にとって重要になるのが、AIが店舗について理解するための情報をどこに、どのような形で蓄積しておくかです。なかでも注目したいのが、Googleビジネスプロフィールに蓄積されるクチコミです。
クチコミは、来店を検討するユーザーが読む評価情報であるだけではありません。GoogleマップのAI機能が店舗の特徴を整理する際に活用する、顧客体験の情報にもなり始めています。
今回の記事では、AI検索の利用拡大、Googleマップの変化、GoogleのAIモードにおける引用傾向、実際に行った調査結果をもとに、Googleクチコミを優先して取り組む理由を整理します。
AIによる検索は、すでに消費行動に影響し始めている
生成AIを使った検索は、まだ一部の人だけのものと思われるかもしれません。
しかし、サイバーエージェントのGEOラボが全国の10代から60代の男女9,278人を対象に実施した調査では、検索手段として生成AIを利用する人は37.0%に達しています。

調査名 :生成AIのユーザー利用実態調査 第三弾
調査対象:全国の10代~60代の男女 9,278名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年2月6日~2月7日
調査機関:株式会社マクロミル
調査主体:株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 GEOラボ
2025年5月の調査では21.3%、同年10月には31.1%だったため、約9カ月で15.7ポイント増加したことになります。
また、Google検索でAIと対話しながら情報を調べられる「AIモード」を利用している人は、全体の21.0%でした。
さらに同調査では、AIの回答を見たユーザーの47.5%が、AIのおすすめをきっかけに商品やサービスを実際に購入・利用した経験があると回答しています。
ここで注目したいのは、AIが単に情報を調べるためのツールではなく、比較や検討、その後の購買や利用にも影響し始めていることです。
店舗やサービスがAIの回答に登場するかどうかは、単なる「表示」の問題ではありません。
来店候補に入るか、比較対象として検討されるかに関わる、新しい顧客接点になりつつあります。
Googleマップは「店舗一覧」から「相談する場所」へ
Googleマップの役割も変わり始めています。
これまでのGoogleマップは、「近くの飲食店」「地域名+美容室」などと検索し、表示された店舗一覧からユーザー自身が候補を比較する場所でした。現在はそこに、AIが店舗情報を整理し、判断を手助けする機能が加わっています。
日本のGoogleマップでは、Geminiを活用した「この場所のヒント」が提供されています。
Googleは、クチコミやオンライン上の情報を分析し、予約方法、隠れメニュー、駐車場の情報など、その場所を利用する際に役立つ内容を整理して表示すると説明しています。
店舗について詳しく質問したり、Geminiによるクチコミの要約を確認したりする機能も、日本国内のGoogleマップで利用できるようになっています。
つまり、ユーザーがすべてのクチコミを一つずつ読む前に、Googleが店舗の特徴や利用時のポイントを整理してくれるわけです。
さらに、米国とインドで提供が始まった「Ask Maps」では、ユーザーが条件や目的を伝えると、Googleマップが会話形式で候補を提示します。
Googleによると、Ask Mapsは3億以上の場所に関する情報を扱い、5億人以上の投稿者によるクチコミなども分析しています。
Googleマップは、単に店舗一覧を見る場所から、
「自分に合う場所を相談する」
「店舗について質問する」
「複数の候補を比較する」
ための場所へ変わりつつあります。
そして、その体験を支える情報の一つが、Googleビジネスプロフィールに蓄積されたクチコミです。
GoogleのAIモードで、Google上の情報の引用が急増
AI検索がどのような情報を参照しているかという点でも、興味深い変化が確認されています。
AI検索の分析サービスを提供するProfoundの調査によると、2026年4月15日から6月30日の間に、GoogleのAIモードにおける「google.com」の引用シェアは8.4倍に増加し、引用ドメインランキングで2位になりました。

この増加を主にけん引したのが、GoogleビジネスプロフィールとGoogleの商品ナレッジパネルだったと報告されています。
特に、飲食、宿泊・旅行、住宅関連、不動産、医療など、地域性の高い検索でGoogleビジネスプロフィールの存在感が高まっていました。
※これはGoogleによる公式発表ではなく、Profoundが行った第三者調査です。業種や地域、質問内容によっても傾向は異なります。
それでも、店舗ビジネスにとっては見過ごせない変化です。
これまでは、検索結果から自社サイトへ来てもらい、そこで店舗の魅力を伝えることが重視されてきました。
もちろん、自社サイトが重要であることは今後も変わりません。
ただ、AI検索では、ユーザーが自社サイトを訪れる前に、Google上に表示された営業時間、写真、所在地、クチコミなどを見て、ある程度の比較や判断を済ませる場面が増えていく可能性があります。
「Webサイトに来てもらってから魅力を伝える」だけでは、遅い場面が増えていくということです。
【調査】キャンプ施設調査におけるAIの引用元

Google上の情報は、実際のAI回答でどの程度引用されているのでしょうか。
私たちは、特定地域キャンプ場選びに関する31件の質問を対象に、AI回答に表示された引用元を調査しました。
「◯◯でおすすめのキャンプ場を教えて」
「◯◯市から行けて、初心者でも安心して利用できるキャンプ場は?」
「◯◯で、女性でも利用しやすいきれいなキャンプ場は?」
といった質問に対する回答から、合計428件の引用URLを集計しています。
その結果、最も多かったのはGoogleドメインで、引用数は62件。全引用の14.5%を占めました。
また、調査対象となった31件の質問のうち、25件、割合にして80.6%の回答にGoogleドメインからの引用が含まれていました。
※地域や業種によっても傾向は異なります。ぜひ皆様のビジネスにあったケースで調べてみてください。
なぜ、基本情報だけでなくクチコミが重要なのか
Googleビジネスプロフィールには、所在地、営業時間、カテゴリ、サービス、写真など、さまざまな情報があります。
そのなかでも、なぜクチコミが重要なのでしょうか。
理由は、クチコミには店舗側の説明だけでは分からない、実際の顧客体験が書かれているからです。
店舗は自社サイトやGoogleビジネスプロフィールで、
「丁寧に対応します」
「初めての方も安心です」
「お客様に寄り添った提案を行います」
と説明できます。
ただ、これは店舗側からの自己紹介でもあります。
一方、クチコミに、
「初めての利用で不安でしたが、スタッフが一つずつ説明してくれました」
「子ども連れでも、気持ちよく対応してもらえました」「複数の商品について、それぞれの違いを分かりやすく教えてくれました」
と書かれていれば、その店舗で実際にどのような体験が生まれているのかが見えてきます。
これは人が店舗を選ぶときに役立つ情報であると同時に、GoogleのAI機能が店舗の特徴を整理するときにも活用できる情報です。Google自身も、Googleマップの機能がクチコミやオンライン上の情報を分析し、場所に関するヒントや要約を表示すると説明しています。
ユーザーが求めているのは、必ずしも「最も星評価が高いお店」ではありません。
多くの場合は、「自分の状況や目的に合うお店」です。
その違いを説明するためには、評価の数字だけでなく、接客、安心感、専門性、利用シーンなどの具体的な情報が必要になります。
クチコミは、多ければよいわけではない
Googleは、GoogleマップのAI機能がクチコミやオンライン上の情報を分析することを公表しています。
一方で、クチコミの件数、星評価、文章量などが、AIによる店舗推薦の順位を直接決めるとは公表していません。
そのため、「Googleクチコミを増やせば、必ずAIにおすすめされる」と断定することはできません。
私たちがフィットネス業界の3店舗を比較した調査でも、クチコミ件数が最も多い店舗が、最も多くAIに引用されていたわけではありませんでした。
一方、クチコミ本文の情報量が多く、接客、設備、初心者への対応、トレーニング内容など、書かれているテーマの幅が広い店舗は、引用が多い傾向が見られました。
これも限られた店舗を対象にした調査であり、クチコミの内容が引用数を増やしたと証明するものではありません。
ただ、少なくとも「件数だけを増やせばよい」という話ではなさそうです。
これからのクチコミ施策では、
「何件集めるか」だけではなく、
「その店舗で、どのような顧客体験が生まれているか」
が自然に蓄積される状態をつくることが大切になります。
なぜ、まずGoogleクチコミから取り組むのか
AIが参照する可能性のある情報源は、Googleだけではありません。
自社サイト、業界ポータル、比較サイト、SNS、ニュース記事など、さまざまな場所に存在する情報が、店舗を理解する材料になります。
実際、今回のキャンプ場調査でも、Googleだけでなく、キャンプ場の検索・予約サイト、YouTube、地域メディア、チケット販売サイトなど、複数の情報源が引用されていました。
そのため、Googleだけを整えればよいということではありません。
そのうえで、店舗がクチコミ施策を始める場所として、Googleクチコミの優先度は高いと考えています。
Googleクチコミには、次の特徴があるからです。
・Google検索やGoogleマップで、ユーザーに直接読まれる。
・GoogleマップのAI機能が分析する情報の一つになっている。
・営業時間、所在地、写真などの店舗情報と一緒に表示される。
人が店舗を探す場所と、GoogleのAIが店舗について理解する場所が、同じGoogle上でつながり始めています。
すべてのクチコミ媒体を同時に強化するのが難しい場合は、まずGoogleビジネスプロフィールの情報とクチコミから整える。
これは、店舗にとって合理的な選択ではないでしょうか。
Googleクチコミ施策で、最初に取り組むこと
最初に行うべきなのは、単純にクチコミ件数を増やすことではありません。
まず、営業時間、カテゴリ、サービス、商品、写真など、Googleビジネスプロフィールの基本情報を正確かつ最新の状態にします。そのうえで、実際に店舗を利用した顧客が、自分の体験を率直に投稿できる導線を整えていきます。
ただし、割引や特典と引き換えに投稿を依頼したり、特定の星評価を求めたり、好意的な顧客だけを選んで依頼したりすることは避けなければなりません。
Googleマップでは、実際の体験に基づかない投稿や、評価を操作する行為への対策も強化されています。2025年には、ポリシーに違反する2億9,200万件以上のクチコミが、ブロックまたは削除されました。
目指すべきなのは、店舗側に都合のよい評価をつくることではありません。顧客が感じたことを、自分の言葉で無理なく共有できる状態をつくることです。
そして、集まった声を店舗運営や接客の改善にも生かし、実際の顧客体験をより良くしていく。
その循環が、結果として人にもAIにも理解されやすい店舗情報につながっていくのだと思います。
まとめ:クチコミは「人が読む評価」であり、「AIが店舗を理解する情報」にもなる
AI検索の広がりによって、店舗とユーザーの接点は変わり始めています。
ユーザーが検索結果を一つずつ開く前に、AIが情報を整理し、条件に合う店舗を紹介する。
そんなお店探しが、徐々に一般的になっていく可能性があります。
そのとき、Googleビジネスプロフィールは、営業時間や所在地を確認するだけのページではありません。
Googleが店舗について理解し、ユーザーに説明するための情報基盤として、役割を強めていくと考えられます。
そしてクチコミは、その店舗で実際にどのような顧客体験が生まれているかを知るための情報です。
AIに相談してお店を探す時代だからこそ、重要になるのは、店舗が作った宣伝文句だけではありません。実際に店舗を利用した人が残した、具体的な体験の言葉です。
クチコミを単なる星評価や評判管理ではなく、店舗の魅力や選ばれる理由が蓄積される情報資産として捉える。
それが、AI時代の店舗集客に向けた最初の一歩になるのではないでしょうか。
当社では、来店したお客様からスタッフへの「ありがとう」や、店舗での体験に関する声を集め、Googleクチコミ投稿のきっかけづくりやWebサイトなどでの情報発信に生かす「スタッフバリュー」を提供しています。
顧客の声を、スタッフのやりがいと店舗の集客力の両方につなげたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
