女性の社会進出で嬉しいのは誰だったのか
男女の雇用機会を均等にしよう。
「女性だから」という差別をなくそう。
それは分かる。
しかし、女性全員が正社員として働くことを良しとし、フルタイム共働き前提のキャリア設計を目指すことで、老若男女たくさんの不満を生んだのではないだろうか。
男性の生きづらさに繋がる
まず単純に、新卒を100人採用していた会社が女性も平等に採用しようとすれば、男性の枠が50人分減ることになる。
まぁそりゃ採用された側の女性からしたら「自分より能力がなかったんだから仕方がない」と思うだろうが、履かせてもらえたはずの下駄を履けなくなった男性からは不満が出るのは無理もない。
あろうことか、一部企業では「女性だから」という理由で優遇することもある。総合職でも女性は本社やその近くに配属されたり、管理職の女性比率を上げるために出世させたり。
配属に関しても女性からしたら「出産・育児があるから」という社会的意義のある理由が挙がるだろうが、男性からしたら関係ない。別にその男性の子ではないのだから。
さらに管理職の女性比率なんて会社都合でしかないのに、男性からは「無能な女が優遇されてる!」という声が挙がるし、女性だって別に望んでもいないのに妬まれていい迷惑だ。
そもそも管理職になりたがる人なんていない。
ごくごく一部の「会社都合であっても出世したいし子どももいらない」女性と、外面を良くしたい会社だけが得をし、あとの大勢は損をしている。
男性も管理職になりたがらないなら、女性が優遇されても男性には関係ないのでは?
とも思うが、無関係であっても女性だからと優遇されるのが気に食わない男性が一定数いることはSNSを見ていればよく分かる。
女性を見るやセクハラしたくなる、ある種「病気」の男性もいるが、女性が会社にさえいなければその病気が具現化することはなかったのだ。
(これを男性の生きづらさとするのは、まともな男性に失礼でもあるが)
男性社会に女性をぶち込むのは無理がある
女性は月に1~2週間、生理痛やPMSで苦しむ。
シンプルに、月に1週間ほど体調不良になって休んだりパフォーマンスが落ちる人材は、男性社会では想定されていない。
そんな人材であってはキャリアに影響が出るから、(男性に分かりやすいたとえだと)尿路結石のような痛みがあっても仕事をし続けるしかないのだ。
また、出産するとなると1~2年ブランクが空く。
男性も休職する人はいるため分かると思うが、1~2年ブランクが空いた人材は扱いづらいし、1年でも会社の状況は大きく変わる。
さらに、これは正当化していい話題ではないものの、女性がいると不倫やセクハラなどの問題も発生する。もちろん男性だけでもセクハラ・パワハラに当たる問題は発生しうるが、異性愛者が多数派なのだから女性がいない方がこのような問題は発生しづらい。
「女性」を雇うというのは、上記のハンデがある人材をわざわざ雇うことなのだ。男性であれば生理痛はないし、出産もないのにも関わらず。
(※ただし男性経営者に上記の旨を率直に聞いてみたところ「でも男性も横領とかパワハラとかするし、制度の隙をついてズルいことしてくるし、コミュニケーション円滑で仕事が丁寧なのはやっぱ女性の方が多いから、どっちがいいとかない」とのことだった)
結婚しづらくなる
これは認めたくない女性も多いかもしれないが、かつて女性が結婚するモチベは「早く家庭に入らなきゃ」が大きかったのではないかと思う。そして今はそれがない。
私の前の職場の同期で「仕事なんて結婚までの腰かけ、結婚したら専業主婦になる」と言ってる女性がいた。前時代的な考えだと当時は思ったが、ある種合理的なキャリア形成だったのではないだろうか。
女性からしても結局、「結婚しなくても生きていける」「結婚しても共働きなら結婚する意味がない」という状況は結婚離れと晩婚化を加速させていると思う。
さらに、男性と同等かそれ以上にバリバリ稼ぐ女性が増えたことで、「自分と同レベルの男性」を探そうとしても難しいケースが増えた。妊娠出産で収入やキャリアが途切れる女性にとって、収入の低い男性との結婚は生活レベルの低下に直結する。
「生活レベルの低下」を根拠にすると「甘え」だと思う人もいるだろうが、努力して積み上げたものを出産で破壊され、以前よりひもじい生活になるというのは、どうしても"出産のせいで"人生が壊された感覚になるだろう。そうならないために下方婚をしないというのは、理解できない話ではない。
男性だって、結婚したら家事育児分担、威張りたくても奥さんも稼いでる上に子どもまで産んでるから威張れない。となれば、男性も結婚するメリットがあまりない。
「女は子どもも産める、男は労働しかできない」という事実に無価値感を感じ、プライドが傷つくのも理解ができる。
妊娠出産が女性の生きづらさに直結するが、それ自体が男性の生きづらさにもなり得るのだ。
家庭・仕事の分担が難しくなる
一昔前までは「男は稼いで女は家」が当たり前だった。
女に稼がせるなんて甲斐性なしだという意見も、上の世代からはまだまだ聞こえてくる。
とはいえ女性には毎月1~2週間不調になる「生理」があり、子どもを持とうとすると妊娠・出産・授乳を担うのは自ずと女性である。それにまだまだ「子どもの面倒は母親が見るもの」という風潮が実害化し、女性の負担になっている。
女性も働くとなると、1日の8時間を仕事に費やした上で、すべてをこなすことになる。
そうなると男性も協力することになるが、子どもがいるからといって仕事の量が減るわけではない。
子のための早退や有給を取ると「奥さんどうしてるの?」と聞かれることもあるし、「子どもの面倒は母親が見るものという風潮」は、子どものために時間を費やしたい男性にも負担になるのだ。
子どもと触れ合う時間が減る
「待機児童問題」「保育園落ちた日本死ね」なんて話題が出るようになって久しいが、別に「子育てより仕事を頑張りたい!」という親が増えたわけではないだろう。
0歳の子どもを預けてでも働き続けなければ、会社に居場所がなくなる。
中小企業の私にはあまり関係がないが、大企業の人は特に大企業にしがみつきたがる。なぜなら中小企業に比べて収入も福利厚生も退職金も多いからだ。そりゃ私だって大企業にいたらしがみついていただろう。
そしてそんな大企業は中途採用の条件が厳しく倍率も高い。未だに新卒一括採用が根強いからだ。
仮に出産と共に退職したとして、子どもの手が離れる3歳ごろ、実に4年ほどのブランクを経て転職活動をしても、平均年収を目指せるような会社には雇ってもらえない。「その人の能力が低いだけでは?」と言われたらそれまでだが、会社の人事やエージェントと話していてもブランクや子持ちが敬遠されることはよく分かる。
で、やっと就職できても「小1の壁」。せっかく再スタートしたキャリアをまた壊すしかないのだ。
…という複雑な事情から、生涯の収入をある程度安定させるために、仕方なく0歳の子どもを保育園に預ける親が多い。
子どもの成長にも影響?
私にはまだ子どもがいないから分からないが、親になった友人の多くは「0歳で保育園に預けなきゃならないの可哀想」「もっと子どもの成長を長く見ていたい」と言う。
私自身も発達心理学を大学で専攻していたが、乳幼児期の愛着形成が重要だとはよく聞く話だ。親が親身になって感情に寄り添い、受け止められる経験が減ることに不安を抱くのは妥当だろう。
SNSやニュースサイトのコメントでも「今の子は親がすぐ保育園に預けちゃうからダメになった」的な話題をよーく見る。
ただ、乳幼児期の関わりが少ないことは発達に「あまり影響がない」とする研究結果もある。
私の大学時代の生涯発達心理学の授業メモにも、「保育園に預けても愛着形成に問題ないらしい」と書いてあった。大学の教授が言ったのであればそうなのだろう(全幅の信頼)。
また、専業主婦は社会とのつながりもなく、頑張りに報酬が出るわけでもないので、フルタイムやパートで働く母親よりもしんどさを感じやすいという調査結果も大学時代に見た。
一番はそもそも性別や子どもの有無にかかわらず、自身や家族の体調不良で早退や休みが取りやすく残業が少ない会社が多ければいいのだが、成長企業はそうもいかないし、残業した方が出世しやすい事情もあるだろうし、難しいのだろう。
会社だって、何年もブランクがある人を採用したくない気持ちも分からなくはないし、「育休復帰後の女性=どうせすぐ早退する人材」を重要なポジションに置きたくないという気持ちも分かる。中小企業の、社長に近いとこで仕事させてもろてるので。
じゃあ結局これも、子育てに参加する気のない男性と、子どもを産む気のない女性だけで、会社を回せばよかった話ではないか。男女関係なく、「何よりも出世を優先したい!稼ぎたい!」という人間と「家庭を第一に考えたい!プラベ最高!」という人間が同じモチベで働けるはずもなく。
そうも行かなくなったのは、男性のせいでも女性のせいでもなく、共働きしないと生活できなくなった社会のせいではないだろうか。
女性の社会進出の結果
単純に、社会進出をしたかった女性は嬉しかっただろうが、「こんなはずではなかった」と思う女性も多いのではないだろうか。
恐らく多くの女性が望んでいたのは「性別で差別されない就職」「出産後も継続できるキャリア」である。
実際はどうだろうか。新卒で性別を理由に雇用されないことはないだろうが、20代後半以降の女性は面接で「子どもの予定はないよね?」と聞かれたり(私も聞かれた)、子持ちを理由に不採用になることも多い。
マミートラックという言葉もある通り、育休後に出世に不利な配属になったり、わざと雑用のような仕事しかやらせてもらえないという話も本当に多い。
そもそも、「社会進出を望む人」だけが社会進出できれば良かったのだ。
「専業主婦(夫)」という表記がわざわざ使われるようになって久しいが、「ワーママ」の増え方に比べると体感でもまったく増えてもいない。
そりゃあ考えてみれば、子育てという人生の大義を断念してまで働く女性が多い現代で、男性が主夫になる余裕なんてあるはずがない。
なのに、物価高や給与水準の停滞などにより、「女性もみんな働かなきゃいけない」というのが現状である。
これは女性が勝手に悩んでいる問題ではない。結婚相談所でも無職や非正規雇用の女性は男性から敬遠されると聞くし、マッチングアプリでは男性が女性に「希望年収」を設定したり、「結婚後も共働き希望」を選択したりしている。
女性の社会進出で嬉しかったのは誰か
じゃあ、女性のためと銘打った女性の社会進出は、誰が嬉しかったのか。
グローバル企業は先進国に対して「女性も活躍させている感」が出せただろう。
国もフルタイム共働き世帯が増えれば税収が増える。
実際、税収は5年連続で過去最高を記録している。
また共働きによって女性は一昔前では考えられない「夫が家事育児をしない」という不満を抱き、男性は男性で仕事量が変わらないのに負担が増えた。陰謀論的ではあるが、結果的に男女の対立や結婚を望まない若者が増え、日本の弱体化を望む国は喜んだであろう。
最近話題のこれだって、女性は望んでいない上に女性からも批判が出てきている。そりゃ「痛みを理解したい」という男性は止めないし、どう頑張っても生理痛を認めない一部のサイコパスもいるが、痛みを知ったところで男性はどうしようもないことくらい、バカじゃない女性は分かっている。
女性向けメディアではバリバリ働くことやワーママが賞賛され、SNSでは家事育児をしない夫が悪とされる。
企業が勝手に女性を管理職に仕立て上げ、当然真面目に働く男性からは不満が噴出。
男と女は対立。
ワーママと専業主婦も対立。
独身と子持ちも対立。
子育て世代は疲弊。
…なんかうちら、何にこんなに振り回されてるんだろう…
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私の記事からいろいろ考えてくださり、記事を書いてくださりました!
もしかしたら男性嫌悪の方が読むと負の感情が湧いてしまうかもしれないので、無理に読んでみてとは言えません。
が、私としては男性が感じる生きづらさとか、ミソジニー寄りであることを自覚している男性のフラットで率直な感情が、丁寧な言葉選びで曝け出されている貴重な記事だと感じたので、ここで紹介させていただきます。
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