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Sketch|群衆の中に

Sketch〔即興詩〕 #003|群衆の中に

朝の交差点。

信号が青に変わる。

一斉に歩き出す人たち。

スーツ姿。

イヤホン。

スマートフォン。

誰もが前を向いて歩いている。

その景色を眺めていると、不思議なことを思いました。

何百人もいるのに、

誰一人として同じ人生を歩いている人はいない。

それぞれが違う目的地へ向かい、

違う想いを抱えながら、

たまたま同じ交差点を歩いているだけ。

その何気ない朝の風景が、

なぜか、とても美しく見えました。



都会は、

どこか無機質です。

ガラス張りの高層ビル。

規則正しく変わる信号。

絶え間なく流れる人の波。

でも、その中には確かに人の温度があります。

急ぐ人。

立ち止まる人。

空を見上げる人。

誰もが、自分だけの歩幅で今日を生きています。

『群衆の中に』は、

そんな都市の日常を切り取ったSketchです。



Sketchシリーズは、

完成度を競うための作品ではありません。

もちろん、時間をかけて磨き上げるSmatoy Musicも作り続けます。

でもSketch〔即興詩〕では、

その日にしか感じられなかった空気を何より大切にしています。

磨けば磨くほど完成度は高くなる。

その一方で、

朝の光や街の空気、

何気なく聞こえた足音は、

少しずつ違うものになってしまう。

だから今回は、

都会を歩くリズムをそのままグルーヴにして、

余計な説明を加えず、

朝の街の空気を、そのまま音へ写し取ることを選びました。

まるで、一枚のスケッチを描くように。



lyric|Sketch #003『群衆の中に』

忙しない足取り

デジタルと肉眼で

垣間見る

ユートピア

交差点の最中

想いはとうに

すれ違い



転がる石のように

気まぐれに

光は儚くも

闇に呑まれて



足並み揃えて

人となり気にして

群衆の波と

言われようとも



今日も颯爽に

無機質な高層ビルに

足音が響き渡るのさ

Keep walking…

Through the crowd…

Still walking…



数年後、この作品を聴き返したとき。

思い出すのは、

メロディーではなく、

朝の青空だったり、

雨上がりのアスファルトだったり、

交差点に響く足音だったりするのかもしれません。

もし、そんな都会の記憶がふと蘇る作品になれたなら、

このSketchは、きっと役目を果たせたのだと思います。



Sketchは、完成させるための創作ではありません。

その瞬間にしか存在しなかった感情や景色を、未来へ保存するための創作です。

『群衆の中に』は、2026年夏、都会の交差点で見つけた、一瞬の風景の記録です。

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