漢検協会が公表した「漢字の勘違いの型(タイプ)」からわかる漢字のミスのポイント【番外編】
更新日:2026/08/05
小論文・作文指導者の〆野が普段の添削・採点指導からよく見かける、中高生の間違えやすい表記を紹介し、世の中高生・受験生に警鐘を鳴らすのが、このシリーズ【間違えやすい表記】。
あなたの書いたその漢字は大丈夫か?
本日も引き続き「番外編」をお送りします。
(漢検協会、漢字誤答データから「間違いの“型”」公開〜子ども漢検リポーターが採点疑似体験も:教育家庭新聞)
公財・日本漢字能力検定協会は7月25日、年間120万人以上の日本漢字能力検定(漢検)の解答データから見えてきた漢字の誤答傾向をまとめた特別企画「年間120万人の解答から見えてきた間違いの“型”大公開」を京都府京都市の同協会本部で実施した。
言わずと知れた「漢検」を実施しているあの日本漢字能力検定協会が「年間120万人の解答から見えてきた間違いの“型”大公開」という特別企画を協会本部で行った、という教育家庭新聞の記事です。小学校高学年の児童たちが参加したとのこと。時期柄(2026年8月現在)、夏休みの自由研究の「ネタ」にもなりそうな企画ですね。
ここで注目したいのは、「間違いの『型』を公開した」という点。多くの児童や生徒がどういうところで間違えるのかがタイプ別に知れるという企画になっています。教科や内容を問わず、「正しいこと」を教えるだけでなく、「間違えていること」がどこをどのように間違えているのかを指摘するというのも、教育や学習には大切です。これはとてもよい企画なのではないでしょうか。
この企画では小学生高学年の児童が対象となっているようですが、中高生はもちろん大人でも「勘違いして覚えている漢字」というのはあるはずです。あなたの書いたその漢字、正しいものになっていますか? 間違いパターンを見ながら、いっしょに「復習」してみましょう。
漢検協会が示した間違いのタイプ10選
この勘違いのタイプについて、上掲の記事では一部しか挙げていないので、漢検協会の元記事を改めて参照し、その全タイプを以下にまとめてみました。
(知られざる検定の裏側(間違いの"型"編):漢検協会)
①音韻の誤り(聞こえた音のとおり書いた間違い)
②出題部以外の読み(余計な部分まで書いた間違い)
③音訓の混同(音訓の間違い)
④連想からの読み(意味の近い言葉との間違い)
⑤形の似た字との混同して読む(形の似た字との間違い)
⑥点画衍脱(てんかくえんだつ)(正しく書けていない部分がある)
⑦形の似た字との混同して書く(形の似た字との間違い)
⑧同じ音の字との混同して書く(同じ音の字との間違い)
⑨イメージの近い字との混同して書く(イメージの近い字との間違い)
⑩点画不良(雑に書かれている)
若干、都合から順番と記述内容を一部変えていますが、以上の10パターンになるそうです。あくまで漢検の受検者の解答パターンなので、そこでの誤答の「型」ということになります。①~⑤は「読み」の誤り、⑥~⑩は「書き」の誤りとなっています。ここでは、作文や小論文を書く中高生を対象に記事を書いているので、⑥~⑩の「書き」の問題について解説をしていきます。
まず「⑥点画衍脱(てんかくえんだつ)(正しく書けていない部分がある)」。「衍脱(えんだつ)」というのは「余計に書いているところ」と「ぬけているところ」です。いらない余計な字を「衍字(えんじ)」、いるのにぬけている字を「脱字」と言いますね。つまり、「棒が一本余計に足されている」とか「点が一つ足りない」とかそういう誤りです。字形を正確に理解していないところから生じる誤りと言えます。代表例としては「『達』のしんにょうの中を『幸』として書き横棒が一本足りない」、「『魅』のきにょうの中の『ム』がない」、「『歳』の中が上の棒が余計に足されて『示』になっている」というのがあります。
(「達」のしんにょうの中を「幸」として書き横棒が一本足りない)
(「魅」のきにょうの中の「ム」がない)
(「歳」の中が上の棒が余計に足されて「示」になっている)
次に「⑦形の似た字との混同して書く(形の似た字との間違い)」。これもよく見かけますね。字形の似た別の漢字と間違えているケースです。「『完璧』の『ぺき』を『壁(音:ヘキ 訓:かべ)』と誤るケース」が代表的ですね。
(「完璧」の「ぺき」を「壁(音:ヘキ 訓:かべ」と誤るケース)
「⑧同じ音の字との混同して書く(同じ音の字との間違い)」。これはものすごく多いです。また同音異義語や同訓異字の誤りとして見ることも多いです。例を挙げると枚挙にいとまがないですが、代表的なところで言うと、「『不可欠』の『けつ』を『決』とする誤り」、「『価値観』の『かん』を『感』とする誤り」、同音異義語や同訓異字の例で言えば「『初め』と『始め』の混同」などがあります。
(「不可欠」の「けつ」を「決」とする誤り)
(「価値観」の「かん」を「感」とする誤り)
(「初め」と「始め」の混同)
「⑨イメージの近い字との混同して書く(イメージの近い字との間違い)」。意味やイメージ(概念)が似ている字と間違えるというものです。漢検協会の記事では「燃やす」に対して「焼」という漢字をあてる誤りが例として挙げられていますが、中高生には少ないかも……(私の体感です)。小学生には多いのかもしれません。
最後は「⑩点画不良(雑に書かれている)」。いわゆる「字が汚すぎて読めない」というものです。雑に書かれているためその字の字形を損ね過ぎていてもはやその字として読みとれないというものです。これも一定数あります。以前挙げた記事でも指摘しましたが、これは「文字は丁寧に書く」ことに尽きます。
……さて、あなたも何か思い当たるところはありましたか?
誤字に注意して正しい漢字で丁寧に表記すること
当たり前のことですが、作文や小論文を書く際には「誤字に注意して正しい漢字で丁寧に表記すること」が大切です。誤字が多いと読み手にその分「読みにくさ」をもたらし「読み間違えさせる」原因になります。また、その文章の信憑性や説得性を損ねる遠因ともなります。いかに正しいことを言っていても、誤字だらけの文章では何とも説得力に欠けますよね。
また、前述した通り「文字は丁寧に書くこと」です。志望理由書にしても作文・小論文にしても、「人様に読んでいただくもの」なのですから自分だけがわかっていればいいと雑に書くのは避けてください。内容以前に読み手に読みやすいように丁寧に文字を書くことも、また文章を書く上では大切なことです。もっとも、そうした文字に対する読み手への配慮が欠けている時点で、内容自体も「読み手に伝わるような配慮ができている文章」になっていない可能性のことが高いと言えます。
なおこれは別の記事でも言いましたが、漢検協会の当該記事にもある通り「文字特有の骨組み(字体)が明確で第三者が識別できれば、細部の「とめ・はね・はらい」の書き方のみで一律に不正解としない」としないのが原則です。これは作文・小論文でもおおむねそうだと考えてよいでしょう。その字の正しい字形に則っている字体として書かれていてそれが「その字だ」と第三者から見て判別ができるならば、それで問題はないでしょう。「美字」であるに越したことはないですが、これは「お習字」ではないですから多少の「くせ字」でも案ずることはありません。「きれいな字」でなくてもよいです。しかし、文字の一画一画を丁寧に書くようにしましょう。そうしないと読み手に別の字として読まれてしまうことにもなりかねません。そしてそれは文章内容を誤読されることにつながっていきますので注意してください。
(引用では以下のサイトにお世話になりました)
教育家庭新聞
日本漢字能力検定公式ウェブサイト(日本漢字能力検定協会)
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