払えない利用料、年金はどこへ?介護はボランティアじゃない。
買い物すればお金を払う。
当たり前のこと。
介護は『サービスを提供する』と
よく言います。
この『サービス』は
『顧客に商品を提供すること』で
タダとは誰も言ってない。
介護事業では利用料を滞納する家族が、
チラホラいるんです。
払えないならサービスは使えない。
今回はそんな厳しい現実の話です。
逃げるように帰る嫁
週3回、小規模なデイサービスに通っていた
おばあちゃん。
少し認知症があり、耳はかなり遠い。
耳元で大きな声で話すと、だいたい通じる。
会話ができた時はニコニコと、ステキな
笑顔を見せてくれる。
息子家族と同居していましたが、
自宅での入浴はさせてもらえない。
デイサービスでの入浴が楽しみの
ひとつだった。
送迎はお嫁さん。
毎回お嫁さんは車から降りることなく、
おばあちゃんだけ降りてくる。
そしてお嫁さんは「お願いします」も言わず、
すぐに帰っていく…。
この光景に、私はいつもモヤモヤしていた。
利用料は滞納、でも減っている年金
そんなある日、責任者がポツリと。
「〇〇さん、利用料が何ヶ月か入ってないんだよね…」
聞くと、おばあちゃんの年金はお嫁さんが
子供の塾代などに使い込んでいるという。
加齢のため、全身の痒みをよく訴えていた
おばあちゃん。
事業所にある保湿剤では間に合わず、
家族に皮膚科受診をお願いしても、行く気配はなし。
市販の痒み止めを依頼しても、持たせて
くれません。
責任者と相談し、スタッフが皮膚科に連れて
行きました。
診察・薬代は事業所が立て替え。
利用料滞納者の受診代を事業所が立て替える。
介護の現場ではこんな理不尽があるんです。
「冷たい家族だな」と思った。
裏腹に、過去にどんなことが家族間であったのかな…
とも感じていた私。
そこには私たちが知らない『複雑さ』が
あるような気がしました。
契約終了、その後は分からない
未払いは続き、担当者会議を境に
その方との契約は終了した。
皮膚の薬もなくなっているでしょう。
その後どう過ごされているのかは
分からない。
思い出すたびに、胸がざわつきます。
介護は1つの職業です
ひとつだけ確かなのは、
介護事業はボランティアではないということ。
入浴、通院の付き添い、薬を塗る、食事介助、排泄介助…
すべて人の手とお金があって成り立っている。
誰かが負担しているものを、
「家族だから」「施設だから」「介護だから」と
当然のように思ってほしくない。
それは歪んだ関係にしかつながらない。
これは現場にいると強く実感します。
あなたなら、どう感じますか?
「利用料が滞っても仕方ない」
「おばあちゃんが可哀想」
「介護施設って大変だな」
あなたはどう感じましたか?
私がこの出来事を通してハッキリ感じたこと。
介護はボランティアじゃない。
現場にいると、この言葉の重みを痛感します。
▼ あわせて読まれています
▼ 老人ホームで何かあったとき、家族が揉めないための準備はこちら
老人ホームの『表も裏も』書いています。
フォローされた方には、次の話をお届けします 📩
