Soulquarians works①ソウルクエリアンズとは何か
ディアンジェロやエリカ・バドゥなどネオソウル関係について調べると、必ずソウルクエリアンズ(Soulquarians)という音楽集団にぶつかります。
ソウルクエリアンズとはなんなのか、シーンにどんな影響を及ぼしてきたのかを探ります。
ソウルクエリアンズとは
ソウルクエリアンズは、1990年代後半~2000年代初頭に活動した、主にネオ・ソウルおよびオルタナティブ・ヒップホップを志向した音楽集団です。
主要メンバーは下記のとおりです。
《初期メンバー》
クエストラヴ:ドラム、プロデューサー
ディアンジェロ:ボーカル、キーボード、プロデューサー
Jディラ:プロデューサー
ジェイムズ・ポイザー –:キーボード、プロデューサー
《後に参加したメンバー》
ピノ・パラディーノ:ベース
コモン:ラッパー
エリカ・バドゥ:ボーカル
ビラル –:ボーカル
JDJプレミア:プロデューサー
など

初期メンバー4人の星座がみずがめ座(Aquarius)だったことから、"Soul"+"Aquarius"で”Soulquarians"と名付けた様です。
この音楽集団の活動から、ディアンジェロの”Voodoo"(2000)、コモンの"Like Water for Chocolate”(2000)、エリカ・バドゥの”Mama's Gun"(2000)などの超ド級の名盤が生まれました。
この三枚は三部作なんて呼ばれたりもします。
これらのアルバムは、エレクトリック・レディー・スタジオ (Electric Lady Studios) で同時進行で録音され、「ミュージシャンたちはA,B,Cの3つのスタジオを行き来した」とか「日中ずっとジャムってから、夜になってトラックを分け合った」とか言われています。
例えば、コモンの"Like Water for Chocolate”の為に録音された曲をディアンジェロが気に入り、自分のものにして"Voodoo"の"Chickin Grease"になりました。
ディアンジェロは変わりの曲を自分のセッションの中からコモンに渡し、それが"Like Water for Chocolate”の"Geto Heaven Part Two"になったという具合です。
各ミュージシャンには、それぞれ異なるレーベルから予算が出ていましたが、ミュージシャン達はその予算の垣根を越えて活動していたわけです。
レーベルが知ったら「おいおい!」って感じですね。
また、ザ・ルーツの” Things Fall Apart"(1999)も同時期にエレクトリック・レディー・スタジオで録音されたことから、ソウルクエリアンズの影響が大きい一枚だと思います。
そもそも、ザ・ルーツのクエストラブはソウルクエリアンズの中心的存在だし、” Things Fall Apart"の中には"Voodoo"に見られるずれたリズムが発現しています。
ちなみに、エレクトリック・レディー・スタジオ は、その名の通りジミ・ヘンドリクスが建てたスタジオです。
ソウルクエアンズが関わった主なアルバム
それでは、ソウルクエアンズが制作した代表的な作品を紹介します。
Voodoo / D'Angelo (2000)
アメリカのシンガーソングライター、ディアンジェロの2枚目のアルバムです。
この作品は、ソウルにヒップホップ、ファンク、ジャズの要素を融合した「ネオソウル」というジャンルを深耕発展させました。
本作品には、クエストラヴ、ピノ・パラディーノ、ジェイムズ・ポイザー、Jディラなどが深くかかわっています。
特に本作に特徴的な「ずれたグルーヴ」は、ディアンジェロ、Jディラ、クエストラブらが中心になって作り上げたものです。
「ずれたグルーヴ」は、その後のグルーヴの概念そのものを変えてしまいました。
本作はそれ以後の音楽に多大な影響を及ぼした歴史的名盤です。
その後、世界中のミュージシャンがこのずれグルーヴの謎と再現を追い続けることとなります。
その影響はR&BやHIPOHPOなどのブラックミュージックのみならず、ポップス、ロック、果てはJ-POPにまで及びます。
詳細な解説はこちらをご覧ください。
Like Water for Chocolate / Common (2000)
アメリカのラッパー「コモン(Common)」の"Like Water for Chocoiate"は、ソジャズやソウルをベースとしたHIPHOPにファンクやアフロビートを取り入れた作風で、ネオソウルに対するHIPHOPからのアプローチといった感じです。
また、「ソウルクエリアンズの最高傑作」ともいわれており、僕もその意見に同意です。
詳細な解説はこちらをご覧ください。
Mama's Gun / Erhika Badu (2000)
ネオソウルのカリスマ、エリカ・バドゥの最高傑作です。
本作品は、クエストラブ、ピノ・パラディーノ、ジェームズ・ポイザーなどのソウルクエリアンズの面々とジャム・セッションを行いながら作曲し、その後それぞれの曲に合う歌詞を考えていったと言います。
生々しいサウンドとグルーヴに溢れ、エリカ様の表現力も最高潮です。
ソウルクエリアンズのケミストリーが詰まった傑作です。
詳細な解説はこちらをご覧ください。
Things Fall Apart / The Roots (1999)
ザ・ルーツ(The Roots)は、ドラム兼プロデューサーのクエストラブ(Questlove)と、ラッパーのブラック・ソート(Black Thought)を中心としたHIPHOPバンドです。
"Things Fall Apart”は、ライブの生々しさと緻密なプロダクションを同居させた、HIPHOPアルバムの超名盤です。
このアルバムは、ザ・ルーツが生演奏HIPHOPというスタイルを世の中に認めさせ、自分たちのサウンドの立ち位置を確立した重要な作品です。
また本作品は、ラッパーのブラック・ソートの評価を「最も偉大なラッパーの一人」に押し上げた作品でもあります。
ローリングストーン誌はこれを「トップクラスのレコード」と呼び、オールミュージックはこれを「オルタナティブ・ラップの礎となるアルバムの1つ」と紹介しています。
詳細な解説はこちらをご覧ください。
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