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【第一回】犯人は誰だ? 〜日給5万円の名探偵、社長辞めた郎、離職フロアに潜む黒幕を探せ〜

改めて言うほどでもないが
俺のコンテンツは面白おかしくなるように脚色している(笑)

ただし、「脚色しているが嘘ではない」と言うことを事前に伝えたい。
M&Aにしろ、アルバイト(コンサル案件)にしろ
リアルに起こったことをリアルに伝えて
読者の皆様が同じ失敗をしないようにしたいからだ。

だから今回読んでいても「本当に?」と思うかもしれないが
事実ビジネスとはこんなことが起きると言うのを伝えたい。

なぜ改めてこんなことを伝えているかといえば
俺も改めて「なるほどな・・・」と思うことを経験したからだ。


離職フロアに潜む黒幕を探せ、名探偵の誕生

呼び出しは、ある日の朝だった。
ギター仲間である取締役からチャットが飛ぶ。

「明日、少しお時間いいですか?」

“少し”と“お時間”は、ビジネス界における「急に物語が動きます」の伏線だ。
そして俺は呼ばれたら行く。なぜなら日給5万円だからだ。
時給換算?考えるな。夢が壊れる。


ギターか、それとも事件か

エレベーターに乗る瞬間まで悩んでいた。
ギターを持っていくべきか問題だ。

前回:
・取締役室→爆音ギターバトル
・青春→再来
・俺→プロギタリストデビュー(※日給5万円で音を鳴らしたので定義上プロ)

今回:
・ギター持参?
・パソコンだけ?
・もしくは両方で“出たとこ勝負”?

最終的に俺は理性を取った。
ギターを背負ってオフィスに向かう姿は、どう考えてもコンサルタントではなく“深夜のスタジオ帰りのバンドマン”だ。
なのでPCとノートとペン。基本装備。RPGでいうところの「初期装備」。


取締役=“アンプ伯爵”、部長=“兄貴”

取締役室に入ると、伯爵と“兄貴”が待っていた。
なぜ伯爵かというと、爆音ギターと上質アンプに囲まれながら紅茶を飲む紳士だからだ。
なぜ兄貴かというと、若い子に“距離感ゼロで寄り添う兄貴“をやりつつ、年上には教科書通りの“学びの姿勢”で接するからだ。

※能力は低いが、それを“頑張り”で埋めに来るタイプ。
※こういう部長、会社に1人は存在する説。

兄貴は俺より圧倒的に年下だが、部下にとっては兄貴。
上司からは期待され、下からは慕われ、でも実務は弱い。
ドラマにいそうだ。


事件は突然告げられた

伯爵が口を開いた。

「離職が止まらないんです」

ドーン。
いきなり事件。推理小説だったら Chapter2 だ。

続けて兄貴が補足。

「会社批判と社長や取締役批判が中心で…止めようとしても止まらないんです」

ふむ、兄貴が上司として話を聞いて
取締役に報告をしているフローだな。
ふむ、ふむ、なるほど。

そして伯爵のセリフが核心を突く。

「誰かが中心になってるはずなんです」

来た。
犯人探し案件。
つまり俺のミッションはこうだ。

離職の犯人を突き止めろ

コンサル風に言えば

“離職防止プロジェクト”
社長辞めた郎風に言えば
“犯人は誰だシリーズ”


違和感の始まり

話を聞きながら、俺は1つの違和感を強く感じていた。
と言うのも俺はHSPだ。

HSPとは──
“五感のボリュームが常時フルテン”の人間のことだ。
音はうるさい、光はまぶしい、人のため息は聞こえる、空気は吸う前に読める。
そのくせ感情はWi-Fi並みに飛んでくるし、オフィスの靴音だけで人事評価の機微を察する。
強いが、疲れる。そんな生き物。

HSPレーダがいつも発動する。
離職が進む会社には、独特の“空気”がある。

具体例で言えば:

・会議室が湿度80%みたいな重さ
・笑い声はあるが目が笑ってない
・みんな姿勢が悪い(メンタルは背中に出る説)
・喫煙所がカウンセリングルームになってる
・昼休みのエレベーターの会話が“刺身のツマ並に薄い”

しかしこの会社、前回の研修も今回の空気も、なぜか居心地が良すぎる。
離職地獄どころか、有識者のHSPセンサー的には

「ここに住める」

レベルだった。

だから違和感が生まれた。

“離職原因が会社側ではない感”

じゃあどこだ?
これが今回の事件のフックになる。


容疑者は6人


このフロアには大人数いるが兄貴部長は目安をつけていた。
犯人はこの中にいる。

ネガティブキャンペーンの中心人物は6名。
かれらも離職希望とのことだ。
部署は特定されている。
それだけで推理小説は8割進む。

ただ問題が1つ。

6名と俺に接点ゼロ

これでは何も分からない。
なので俺の作戦はこうだ。

“研修を口実に全員と話す”

ビジネス界の麻雀で言えば

技術ではなく席を取る


安心する兄貴の間

作戦を説明すると、兄貴がこう言った。

「なるほど、助かります!」

HSPの俺はこういうの、目視で拾ってしまう。
ただしこの段階では
単に“違和感の置き土産”としてポケットに入れておくだけだ。


そして、ネガティブ6人衆の存在が浮かび上がる

伯爵いわく、

辞めたいと言ってるのは6名”。そして部長からもかなりネガティブインフルエンサーになっていると報告を受けています。

一気にミステリーは深度を増す。

しかもその6名は年齢も性格もバラバラ。
共通点がない。これが逆に怪しい。

・元気すぎるのに辞めたがる者
・静かすぎるのに辞めたがる者
・辞める気配を出さないのに辞めたがる者
・辞める理由が抽象的なのに辞めたがる者

辞めたい理由は

“キャリア”
“環境”
“成長”
“やりがい”
“未来”

全部ざっくりしている。
怪しい。怪しすぎる。
ミステリーをやるならもっと具体的にしてくれ。

「社長が給湯室のごま油を勝手に使った」とか
「会社の加湿器が実は空気清浄器だった」とか
そのレベルの発言が欲しい。


しかし本当に不可解なのは人数ではなかった

6名が辞めたいと言っている
→ それ自体はレアケースではない

だが奇妙なのはその“温度”だった。

辞めると言っている割に、怒ってはいない。
諦めている割に、悲しくもない。
冷めてる割に、静かすぎる。

これは恋愛でいうところの、

「別れ話中なのに泣かない元カノ」

と同じ違和感。

怒らない人は、すでに決めてる人だ。


仲間内に“伝染”している気配

6人全員が、個別に辞めたいと言い始めたのではなく
どうやら何らかの“媒介”を通して火が広がった気配がある。

退職理由に微妙な共通性が浮かび上がる。

・価値観
・温度感
・会社観
・社会観

これらがまるで同じテンプレを通ったように似ているのだ。

これは偶然ではなく、明らかに“誰か”の影響下にある。


ここで一旦、HSPの皮膚感覚が囁く

「この会社、空気が悪くない」

これは決定的に重要だ。

離職が連発する会社は、空気の粘度が高くなる。
湿度が重い。
視線が険しい。
笑いが減る。
肩が凝る。
休憩室の味噌汁が塩辛くなる。(体感)

だがこの会社──
それが一切ない。

むしろ、爽やか。
社員も普通に話す。
社員食堂の空気も軽い。
むしろ研修すれば笑いも起きる。

退職が出ている会社の空気ではない。
よって、犯人は“構造”ではない。
※制度改善は必要だと思うがクリティカルではないって意味

では、

“人物”か?

伯爵は理性的で分析的。
兄貴は感覚的で情緒的。

伯爵と兄貴の温度差みたいなものは感じた。
まあ経営者と部長ではそりゃ違うよな。


そして、研修という名の聴取が始まる

初回は研修で“場”を作り
そのあと個別相談という名のインタビューが行われる。

この形式は実は非常に有効だ。

研修=アイスブレイク
相談=リアル

そして人は相談では嘘をつかない。
感情が出る。
本音が出る。
匂いが出る。

ここでようやく6名の“性格像”が立体化していく。

伯爵は言う

「気をつけてください、あいつら仲いいので」

仲がいい職場で退職が連鎖する時
犯人はいつも“感情”だ。

俺の旅は終わらない。
事件も終わらない。
そして次回、核心に近づく。


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