老後が不安なので、株を始めました DAY101【売り時を、先に決めておく】
―ハルと歩く、Age60の投資録 101日目― テーマ株は、出口を先に決めておく

同じ講師の、6本目の講義を見た。 テーマは「テーマ株のリスク管理」だった。
〈テーマ株の情報収集:新しいニュースほど、長生きする〉
テーマ株のきっかけは、ニュースから生まれることが多いという。
特に新鮮なニュースほど、市場の関心を集めやすく、テーマとして長く続く可能性があるそうだ。
一度は下火になったテーマでも、数年後に再び注目されることもある。
だから、気になった銘柄はリストに残しておくと、次のチャンスにつながるという話だった。
🌸 私:「一度終わったテーマも、リストに残しておけば、また来た時に気づけるんだね」
🌱「はい。ちょうどDAY100で紹介した下水道関連が、その後どうなったのか、確かめてみましょうか」―ハル
〈下水道関連、その後を追ってみた〉
大盛工業(1844)が注目されたきっかけは、2025年1月に起きた埼玉県八潮市の道路陥没事故だった。
ただ、その時点では出来高も少なく、株価は200円台で横ばいが続いていた。
大きく動き始めたのは8月末。
国土交通省が老朽化対策として概算要求(1兆783億円、前年比約3割増)を公表すると、「下水道関連」が一気に市場の注目を集めた。
大盛工業だけでなく、日本ヒューム、旭コンクリート工業、イトーヨーギョーなどもそろって急騰し、大盛工業の株価は9月には一時1,450円まで上昇した。
事故によってテーマが生まれ、国の予算という追い風で期待が一気に膨らんだ形だった。
しかし、その熱狂は長くは続かなかった。
株価は高値から下落に転じ、12月10日に発表された第1四半期決算では、経常利益が前年同期比28.9%減となったこともあり、一時399円まで下落した。
決算は進捗率だけを見ると極端に悪い内容ではなかった。
それでも、市場が期待していたほどの勢いは感じられず、株価は戻らなかった。
その後も、2025年12月には令和8年度予算が成立し、老朽化対策には補正予算を含めて1兆円を超える予算(8,673億円+令和7年度補正1,724億円)が計上された。
つまり、国はこのテーマへの投資を続けていたことになる。
それでも、大盛工業は2026年6月9日に発表した第3四半期決算で、通期経常利益が前期比20%減となる見通しを示し、株価は現在も478円前後で推移している。
国の予算は追い風になる。
しかし株価は、その先にある企業の利益まで織り込んで動く。
期待だけでは、株価を支え続けることは難しかったようだ。
🌸 私:「上がって、下がって、そのまま戻ってこないんだね」
🌱「DAY99でトトさんが話していた『期待と失望』ですね。期待だけでは株価は上がっても、業績が追いつかなければ、市場は次第に冷静になります。テーマ株では、その流れが特にはっきり表れやすいんです」―ハル
〈造船は、なぜ違うのか〉
一方、DAY97で見た造船関連は、2026年になっても勢いが続いていた。
その背景には、国策、防衛需要、老朽船の更新需要、環境規制への対応、海運市況という、複数の追い風が同時に存在しているという。
講義では、舶用機器メーカーの古野電気が、約1年で株価2.3倍になった例として紹介されていた。
下水道関連が一つの大きな材料で急騰したテーマだとすれば、造船関連は複数の材料が重なり合って支えられているテーマと言えるのかもしれない。
一つの材料が弱まっても、別の材料が残る。
その違いが、値動きの差につながっているように感じた。
〈売却ルールを、先に決めておく〉
講義では、テーマ株は値動きが大きいからこそ、売却ルールを事前に決めておくことが欠かせないと強調されていた。
講師が見ているのは25日移動平均線と75日移動平均線。
長い陰線が続き、移動平均線を割り込んだら手放す。 一時的に下がっても、移動平均線まで戻るようなら様子を見る。
そんな判断基準だった。
業績がまだ追いついていないテーマほど、この売却ルールが大切になる。
大盛工業の値動きは、「期待で買われ、業績で失望される」というテーマ株の典型例だったように思う。
もし最初から売却ルールを決めていたら、どこで降りられただろう。
そんな視点でチャートを見ることも、大切なのだと感じた。

🌸 私:「"どこで降りるか"を先に決めておかないと、上がった分を、そのまま失っちゃうんだね」
🌱「はい。テーマ株は、入り方よりも降り方のほうが難しいと言われる理由が、よく分かりますね」―ハル
💬 Satsukiの疑問とハルの回答

🌸 私:「同じ"国策テーマ"でも、下水道と造船でこんなに値動きが違うなんて思わなかった」
🌱「材料の数と、業績の裏付け。この二つがそろっているかどうかで、テーマの強さは大きく変わってくるようですね」―ハル
〈今日、一番わかったこと〉
テーマ株は、情報収集だけでなく、売り時を先に決めておくことが同じくらい大切だった。
下水道関連のように期待が先行するテーマは、大きく上がることもあるけれど、その反動も大きい。
一方で、造船のように複数の追い風と業績の裏付けがあるテーマは、比較的崩れにくいことも分かった。
DAY100では「まだこれから」と書いた。
でも、その後の値動きを追ってみると、その時点ですでに市場の期待は少しずつ失望へと変わり始めていたようだ。
思い込みで終わらせず、「その後」を確かめること。
それも投資では、大切な勉強なのだと感じた。
明日も続ける。
📚 DAY101の関連記事はこちら

