教師として長年現場に立ち続けている私が、いま note で言葉をつづる理由 | 自己紹介 | 子育て | はじめてのnote |
おはようございます。中野健司です。
現職の教師として、これまで小学校と中学校合わせて30年近く勤務しています。
教育現場の最前線でたくさんの子どもたちやその親、そして教師たちと出会い、強く感じていることがあります。
それは、子どもも、保護者も、教師も、
大きな悩みを抱えている人があまりにも多いという事実です。
誰もが、たったひとりで悩みを抱え込んでいる
例えば……
・学校に行こうと思うたびに、吐いてしまう子ども。
・そんな子どもを見ても何もできず、自分の無力さに涙を流す親。
・山ほどの仕事を抱え、身動きできなくなっている教師。
そのほぼ誰もが、
悩みを聞いてもらえる相手もなく、
現状を変えるための第一歩すら見えず、
たったひとりで悩みを抱えながら、つらい日々を送っている。
たまたま私がそれに気がつき、
「何があったのですか? もしよければ、話してみてください」
と言ったとき、
まさに、せきを切ったように、
口から言葉があふれ出すように、
何時間も止まらずにしゃべり続ける。
小学生も、中学生も、母親も、父親も、
新卒教師も、ベテラン教師も、ときには管理職まで、
そんなことが、これまでどれだけあったことか。
「学校」という場所は、
なぜこんなにも人を悩ませるのだろう?
このことは、いつしか私の、人生のテーマのようになっていたのです。
私は「学校」も「教師」も大きらいだった
思えば私も、悩み続けた少年時代を送ってきました。
勉強も運動も得意ではない上に、絵を描くのも、歌をうたうのも苦手。
短気な上に人と合わせることができないので、友だちもいない。
人とのトラブルが多いので、自分が関係ない事件でも担任は私を犯人扱いする。
だから、学校が、教師が、大きらいだったのです。
そして自分のような子どもをひとりでも多く救うために、私は教師になりました。
ところが教師になってみたら、学校で困っているのは子どもだけではなかった。
親も教師も、子ども以上に困っている。
それを何とかしなければ、真の意味で子どもを救うことはできないとわかったのです。
学校は「しなければならない」があふれている
子どもにとって、本来、学校はとても楽しいところです。
友だちと会って遊べるし、
みんなで一緒に学べるし、
いろんな先生と話せるし、
家にいたのでは体験できないことがたくさんある。
ところが同時に、学校は、
「しなければならない」があふれている場でもあります。
行かなければならない。
やらなければならない。
できなければならない。
このことが強調されすぎると、
学校は、誰にとっても、
ただ、つらい場所になってしまうのです。
今、教育現場でもっとも深刻な問題は、「不登校」の児童生徒の増加です。
学校に行けない子どもたちは、今や全国で30万人をはるかに超えています。
私は自分の学級の子どもに限らず、これまで何十人という不登校の子どもたちと関わってきましたが、その事情は様々で、本当に複雑です。
「学校には行くべきだ」
「学校になんて行かなくていい」
そんな単純な結論で解決するような問題ではないのです。
「AIにまで見捨てられました」と肩を落とす子ども
さらに言えば、登校できていても、家庭の事情や学校での人間関係、そして教師との関わりなどが原因で、深く悩んでいる子どもがいます。
私は、家族の人間関係でずっと悩んでいる子どもから、こんな話を聞いたことがあります。
その子は、家では相談できる相手がいないから、夜遅くまでAIにいろいろ相談していたのだそうです。
しかし、何度も聞いたら、AIの答えは、
「それは難しい問題ですね」
で終わってしまうのだそうです。
「中野先生、ボク……AIにまで見捨てられました」
とため息をついた、その子の顔が今でも忘れられません。
実際、家でAIに悩みを相談している子どもは、私が知っているだけでも相当数いるのです。
しかし、その子たちも皆、
「それは難しい問題ですね」
という回答で終わっているとしたら、子どもたちはどこで救われるのでしょうか?
子ども以上に、親は葛藤している
悩んでいるのは、子どもたちだけではありません。
学校に適応できない子どもに毎日向き合わなければならない親の苦労は、「大変」という一言で表現できるものではありません。
私は過去に、中学1年から3年まで、合計で10日も登校できなかった女の子を3年間担任したことがあります。
週に2回ほど、家に寄ってお話しましたが、その時間のほとんどはその子よりも母親との話でした。
初めのうち、母親は会うたびに涙を流し、
「なぜうちの子はこうなってしまったのでしょうか?」
「私の育て方が悪かったということですよね……」
と、ひたすら自問自答をくり返していました。
しかし、3年という長い年月をかけて、ほんの少しずつ、その子の姿を受け入れることができるようになってきたのです。
そして、覚悟を決めたと思われた3年生の3学期のある日。
突然、なんの前触れもなく、その子は、
「明日から学校に行く」
と言い出したのです。
そして翌日、登校時間どおり、普通に登校しました。
まるで今まで、何の問題もなかったかのように。
数日後の卒業式も最後まで立派に終え、高校にも3年間、通うことができました。
私はその子が、最後は学校に行けたから良かった、と言いたいわけではありません。
大切なのは、学校に行けたかどうかではなく、その子にとって、自分の人生が納得のいく形になったかどうかだと思います。
そして、忘れてはならないのは、その子をそばで支え続けた母親の姿。
どれほどの葛藤をくり返してきたのか。
いくら私が家庭訪問をしたとしても、親の苦労に比べたら、何百分の一でしかない。
でも、そのたった何百分の一は、教師の仕事として価値のあることだったと今でも思っています。
私はそのような経験を積み上げてきたからこそ、日々悩み、誰にも相談できず孤独に葛藤を続けている親の力になりたいと思うのです。
「学校」「教師」の価値観を振り回さない。
子どもや親に「こうしなさい」「こうするべき」と要求しない。
深いところまで話を聞き、そっと寄り添える存在になりたい。
心からそう思っています。
親は子どもの悩みを、人に相談できない
実際のところ、親が悩みを相談できる人はほとんどいません。
教師は、当然のことながら、“学校の人間” としての立場でアドバイスします。
だからその言葉は、親が本当に思っていることと、かけ離れていることが多いのです。
それでは、学校以外の、関係機関などの方はどうか?
もちろん、親身になって相談に乗ってくれる方はいるはずですが、学校現場のことは学校の人間でなければわからないのです。
だから、例えば、子どもが学校に行きたいとなったとき、どうしていけば学校でもやれるのかというアドバイスはできない。
だから親は、教師に相談しても、教師以外の人に相談しても、自分の悩みが晴れることがないのです。
親の悩みを理解するには、
学校現場を熟知しているが、学校の立場にとらわれない。
そして子どもの悩みにも親の葛藤にも寄り添ってきた経験が必要だと考えます。
私は、今の自分ならそれができるかもしれないと思うようになりました。
教師が元気になれば、子どもは救われる
そして、教師についてです。
教師も、学校の仕事がうまくいかないとき、身近に相談できる人がいないことがほとんどです。
授業のしかた、学級経営の方法などの基本的な教育技術は、研究会や書籍、動画などから学ぶことができます。
しかし、実際の教育現場では、子どもの人間関係や人数、学力の程度、家庭環境などによって、対応を変えていかなければなりません。
特に問題行動があった後の生徒指導などは、臨機応変な対応が求められ、経験値がまだ低い教師にとっては、次に何をすべきかの判断がむずかしい。
大学で学校現場について教わる機会もほとんどなく、卒業していきなり担任や授業をまかせられるのだから、うまくできないのは当然です。
しかも、今はコロナ禍の余波で、子どもたちが昔と大きく変わってしまっている。
経験豊富なベテランまで教師をやめる事例が増えているのは、変わった子どもたちに対応できなくなったからです。
若い教師も、ベテラン教師も、それぞれが悩みを抱えている。
私は自分の学校以外にも、年齢を問わずたくさんの教師の悩みを聞いています。
そしてアドバイスを求められればしますが、大切なのはアドバイスの中身ではなく、その人が元気になることです。
教師が元気になれば、たくさんの子どもたちを救うことができる。
そのことをnoteを使って発信すれば、自分の周辺だけではなく、もっと広く、たくさんの人を救えるかもしれない。
私がnoteで発信を続けてきたのはそのためです。
今、肩の荷を下ろし、新たな一歩を踏み出そうとしているあなたへ
・子どものことで悩み、誰にも相談できず、出口の見えない葛藤から抜け出せない方。
・教師という仕事にやりがいを見出せず、もうやめようと思い始めている方。
そして、
・今、学校で悩んでいる思春期の児童生徒の方。
ぜひ、私に声をかけてほしいと思います。
あなたの悩みや疑問は、すぐには解決できないかもしれません。
しかし、私はあなたの話を聞き、ともに考え、伴走することができます。
あなたの悩みは、あなたにしかわからない悩みです。
でも、もし話をくわしく聞かせていただけるなら、私が少しでも理解し、二人で分かち合うことができます。
求められれば、具体的なアドバイスもできます。
私はこれまで、たくさんの子ども、親、教師たちとの対話をくり返すことによって、少しだけ、肩の荷を下ろすお手伝いをしてきました。
あなたの役にも立てれば、長年教育の場に携わってきた人間として、これ以上の喜びはありません。
もし「聞いてもらいたいことがある」というなら、ぜひ、お声をおかけください。
これからも、学校現場にかかわることで悩んでいる人が、少しでも心が軽くなる言葉を届けていきます。
もし、興味を持った記事があれば、少しだけ、のぞいてみてください。
