作品解説|『下移動したときの幽霊船永久停泊 村紗水蜜』スペルカード由来のデザイン
こんにちは、小説・版画作家+行政書士のさくらです。
2025年8月17日にコミケC106で発表した『下移動したときの幽霊船永久停泊 村紗水蜜』について、作品解説をしたいと思います。
投稿日を見てください。 これは、2026年7月の記事です。 発表から11ヶ月経って、いきなり約1年も前の作品の解説をします。
なんでいきなりこんなことをするのかと言うと、実は、Xで、本作品を家宝にしてると言ってくださっている方を見かけて、ホクホクしたからです。
今回は、『”下移動したときの”幽霊船永久停泊 村紗水蜜』という、作品名について、イラスト担当をしたさくらにて、解説します。
◆まずは作品を観てみよう


美しくも可愛らしい村紗水蜜を、躍動感のある版画として表現できていると思います。(自画自賛)
この作品は、ある瞬間にパッと思い付いて、大体3日くらいでイラスト下絵を創り、彫刻は……どのくらいだったかな……? 40時間くらいでしょうか? そのくらいの工数で完成しています。
パッと思い付いた時のことは、今でも鮮明に思い付いてます。 構図やイラスト案を思い付いたその瞬間は、この版画イラストにも反映されています。
◆本作の村紗水蜜は、こちらに向かっている瞬間を描いている
本作品の村紗水蜜は、手前に向かって踏み出しているような構図にしています。 見て頂ければ、自然をこちらに向かって来ているようなシーンであることはすぐに理解できると思います。

村紗水蜜(ムラサ)が手前に向かって来ているのを表現し、鑑賞者に伝えるためにいくつかの表現技法を用いています。
おもに、以下のような表現技法を使用しています。
【村紗が手前に向かって来ていることを表現するために使っている技法】
・①:集中線と遠近法
・②:ムラサの足元の衝撃波
・③:ムラサの前かがみの姿勢と零れ落ちそうな帽子
◇①:集中線と遠近法
本作は、現時点で当サークルの作品の中で、数少ない集中線を使用した作品です。 執筆時点で、集中線を使用しているのは本作含めて2個しかありません。
(もう1作は、『マスタースパーク 霧雨魔理沙』です。 こちらは、別の表現のために集中線を使用しています)

ムラサの作品は、真っ直ぐの低密度集中線を用いています。

この集中線達を、端に行くほど太く、中央に行くほど細くして、中心から点対象に描くことで、作品に奥行きがあることを表現しています。
この奥行きにより、イラストの周りに行くほど手前、対して、中央ほど奥であるという、遠近法的なイラストにしています。
この『端が手前、中央が奥』というのは、ムラサの周りに浮遊する錨⚓️たちでも表現しています。 錨先端が全てこちら(端)側を向くようにして、錨の先側を大きく描き、錨の反対側は小さく描くことで、集中線と相まって、絵全体の奥行きを鑑賞者が自然と把握・認識できるようにしています。
◇②:ムラサの足元の衝撃波
元々、下絵完成直前まで、ムラサが踏み込んでいる際の足元の衝撃波は無いイラストでした。
最後の全体バランスを調整しているときに、なんとなしに足元に、前に踏み込んでいる衝撃波を描いてみました。
すると、あら不思議。 やや寂しかったムラサの足元のバランスが良くなるだけでなく、ムラサの手前に駆けている様子がわかりやすくなったのです。 これで、彫刻用元絵に工程を回すギリギリ直前に、足元衝撃波を描き足しました。

この衝撃派は無くてもイラストは成り立ちます。 しかし、この足元の衝撃波があることで、ムラサの進行方向の認識の補助となり、イラスト理解がしやすくなっています。
◇③:ムラサの前かがみの姿勢と零れ落ちそうな帽子
本作のムラサは、前に突き進む様子を表現するために、前へ駆け出すときに人間が自然と取る、上体を前傾する姿勢にしています。
また、前に駆け出しているならば、ムラサのトレードマークの帽子は後ろに溢れ落ちそうになっていても自然です。 また、帽子が後ろに落ちそうな様子ならば、被っている人物(ムラサ)は前に進んでいると連想するのが自然です。
そのため、最初は帽子をしっかりかぶったイラストで製作していましたが、途中から、浅い被り方にしました。
また、この帽子の被り方にしたことで、ムラサの髪の毛を描ける面積が増えたこと、ムラサの可愛い表情が大きく見えやすくなり、メリットばかりの工夫となりました。
◆ムラサを前に進ませようとしている理由
ここまでの話で、私が『ムラサは前に駆け出している』ことに、心血を注いでいるのがお分かりかと思います。
これには理由がありまして、その理由は本作の作品名に含まれている『下移動したときの〜』が関係あります。
そもそも、本作は、原作の東方星蓮船の4面にて、村紗水蜜が使用するスペルカード『幽霊船永久停泊』が由来になっています。
実際に、私のプレイ動画で、このスペルカードを見てみましょう。
夏コミc106の新作
— さくら|小説・版画作家+行政書士 (@apiapi_circle) July 24, 2025
和装版 版画
『下移動した時の幽霊船永久停泊 村紗水蜜』
星蓮船LNBNVに挑戦中に、永久停泊で被弾した瞬間(リプレイ参照)にイラスト案が頭に湧いてきた作品
下移動した時の殺意マシマシ感を出しました
全国のムラサファンに届け!
発行数:100枚
価格:3,000円#村紗水蜜#C106 pic.twitter.com/Y9W4a8UBP5
こちらの私のXのポストに、動画があります。
四方八方に錨をぶちまけているこのスペルカードですが、このスペルカードの最難関難易度のルナティックはなかなかの難易度を誇ります。
この作品を作った頃、私は星蓮船のルナティックノーボムノーベントラークリアを目指していました。 この幽霊船永久停泊で、毎回思うことがあり、それは「ムラサ上移動してくれー!」でした。
ムラサを中心に弾幕と錨が放たれるので、ムラサが上に行くほど画面内の弾密度が下がり、ムラサが下移動するほど避けてる画面下部の弾密度はドえらいことになります。
そのため、『下移動した時のムラサって、殺意マシマシの、完全に殺しに来てんな〜…』とよく思ってました。
そして、ある日、この幽霊船永久停泊で被弾してミスをした瞬間に……
下移動した時のムラサを版画にしよう!
と、閃いて、一気に作りました。
この、「下移動したとき」「殺意マシマシのムラサ」をどのようにイラストにしようか……?という問いに対する答えが、この記事で解説した、『手前に駆けているようなムラサ』のイラストに繋がったわけです。
つまり、『ゲーム内の下移動=版画イラストの手前移動』と結びつけて、構図に採用したわけです。
それゆえに、私が必死になって、ムラサが手前に向かって駆けている構図を、鑑賞者の皆様に伝わるように苦心していたのです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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