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なぜ、無限に刷れる版画を、あえて絶版にするのか

私たちサークルが創って頒布しているのは、『発行上限枚数のある、シリアルナンバー入り、額装済版画』です。

それぞれの作品に発行上限枚数が決まっていて、手摺り版画としては、発行上限に達したら、決して版画としての再販はありません。 つまり、発行が完了すると、絶版となり手に入らなくなります。

(アクリルスタンドなど、デジタルコピー品の展開はあり得ます)

どうしても欲しい場合は、すでに作品を持っている方から譲ってもらうしか入手手段はありません。


たとえば、2026年6月27日現在、残りの発行可能枚数が11枚になっている『エススペリーズカナン 犬走椛』は、この11枚が売れたら、もう二度とこの作品の版画作品は頒布しません。

エクスペリーズカナン 犬走椛

ちなみに、残り11枚(うち3〜5枚は通販在庫に回す可能性有り)なので、早いと夏コミC108で終わりの可能性があります。



ちなみに、「版画でせっかく無限に複製できるのに、なんでわざわざ自分たちで枚数制限設けてるの?」というご質問を、イベント中に頂くことがあります。

時間も労力もかけているのだから、刷れるだけ刷ったほうが、儲けられますよね。 当然の発想だと思います。

この発行上限枚数制限や、シリアルナンバーは、さくらの発案で始めたことです。 この、制限とシリアルナンバー制度は、色々な思想や設計のもとで開始したものなのですが、理由のひとつに、

『お客さんが買ってくださった作品の価値を、決して下げない』

というものがあります。



人間は、損をすることをすごく嫌うんですよね。 私も損をすることは大嫌いです。

だからこそ、私たちのサークルで作品を買ってくれた方に、気持ちでも金銭面でも損をしてほしくないという想いがあります。

私たちの版画は、数量限定生産作品として見れば安いけれど、同人誌即売会でのイベント会場の相場としてはやや高いレンジの商品です。

学生さんやアルバイトならば3〜5時間のアルバイト代。 社会人の方でも日当換算0.5〜1日当の金額の可能性があります。 それだけ労務しないと手に入らないお金を頂く訳ですから、お客さんが買ってくれた際に、心の中で形成した「この作品にこの価格なら納得」という納得感を、「損した」という感情に上書きされることのないようにしたいのです。


そこで、お客さんと約束した「発行上限枚数以上は絶対に刷らない」「再販も絶対にしない。絶版にする」という約束が活きてきます。

物理的に約束された枚数以上の作品は流通しないので、お客さんが購入した時点で見た作品価値から、希少性が下がることはありません。

そして、シリアルナンバー制度を設けることで、目に見えて、それを保証し、安心して頂けるようにしています。


このように、「絶対に損をさせたくない」という想いのもと、無限複製できるはずの版画に、私たちは自ら、発行上限を定めているのです。



先述のとおり、発行上限枚数制限とシリアルナンバーによって、流通量調整をしていることで、作品価値は下がらないことが保証されています。

では、逆に、価値を上げることはできないのか?と考えたことがあります。


これは、私たちが活動を続けていくことが、答えになると考えています。

私たちは、活動開始から2年。版画の製作を開始してまだ1年半の新参者です。 まだまだ市場に全く認知されていません。

これからも活動を続けて、私たちの作品を欲しいと思ってくださる方を少しずつ増えるように頑張っていく。 そうしたとき、過去の作品や新作に対する需要が大きくなっていることになります。

これは、絶版になった作品に対する需要を生み出すことになり、すでに作品を買ってくださった方にとっては、所有作品の価値が持っている間に上昇したことを意味します。


活動を継続し続ければ、私たちの作品のオーナーさんの皆さんは、損をしないどころか、その所有価値を上げられるかもしれない。

そういった想いで、今日も版画の新作の下絵を創っています。

すでに買ってくださった方の作品価値を高めるため。 そして、未来の新しい購入者のため。

これからも、価値向上のために、新作を作っていこうと思います。


↓過去作品一覧です。 よかったら鑑賞して行ってください!

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