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裁量労働制の対象拡大を政府の規制改革推進会議WGで議論

政府の規制改革推進会議(第8回)働き方・人への投資ワーキング・グループ(WG)議事録より「裁量労働制の対象拡大」に関する議論のうち経団連(日本経済団体連合会)労働法制本部長の意見を抜粋。


規制改革推進会議 働き方・人への投資WG

政府の規制改革推進会議(第8回)働き方・人への投資ワーキング・グループは今年(2026年)4月14日にオンラインで開催。議事録によると議題は「労働時間法制に係る政策対応の在り方について」。

出席者は(委員等)間下直晃座長、堀天子座長代理、中室牧子委員、宇佐川邦子専門委員、水町勇一郎専門委員、安中繁専門委員、(事務局)内閣府規制改革推進室 阿久澤孝室長、菱山大次長、三谷将大参事官、(関係者)鈴木重也・一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)労働法制本部⾧、明崎雄大・株式会社日立製作所トータルリワード部労務・雇用企画グループ主任、玉木諒・一般社団法人スタートアップ協会事務局長、堤明純・学校法人北里研究所北里大学医学部教授、進藤創・日本商工会議所産業政策第二部部長、
清田素弘・日本商工会議所産業政策第二部担当部長、山崎篤男・一般社団法人全国建設業協会専務理事、家永勲・弁護士法人ALG&Associates企業法務担当役員・パートナー弁護士、尾田進・厚生労働省大臣官房審議官(労働条件政策、働き方改革担当)、川口俊徳・厚生労働省労働基準局労働条件政策課長、前田奈歩子・内閣官房日本成長戦略本部事務局参事官。

あらためて言わなくても理解できると思いますが、これほどのメンバーがそろいながら労働者側の出席者が一人もいません。

経団連 労働法制部長提出資料

規制改革推進会議(第8回)働き方・人への投資ワーキング・グループおける経団連(日本経済団体連合会)労働法制本部長の提出資料(PDFファイル)は次のとおりです。

資料「裁量労働制の拡充について」日本経済団体連合会(経団連)(PDFファイル)

裁量労働制見直しの具体策
健康確保を前提に過半数労働組合がある企業に限り、裁量労働制の対象業務 を、一定の範囲で拡大

拡大を求める対象業務の例①
混在業務の例:
プロジェクト型業務:
・ 新システム導入に関するプロジェクトに ついて、 関係各所への定期的な報告業務 、並行して行われる通常の運用業務 (システム保守・問合せ対応等)
・人事の企画立案分析調査以外に、人事 の基幹システムに関するプロジェクトへ の参画
安全衛生委員、情報セキュリティ委員会 事業場の運営・遂行に関わる委員会活動など
地域統括をする事業では、事業運営を行う人員が限られており、人事部門において主として 裁量のある人事企画業務を行う一方で、 給与 計算業務など一部定型的な業務

拡大を求める対象業務の例②
業務の例:
特定顧客に特化した、商品等の開発提案 業務。顧客の課題を調査・分析し、そのソリューションとなる商品等を企画・開発し 提案。
例:鉄道や信号システム

拡大を求める対象業務の例③
業務の例:
グループ各社の人事・財務・経営企画など、グループ横断の制度設計、業務プロ セスの標準化・高度化について、データに 基づく施策立案 など
業務の中では、親会社(本体)に、積極的に企画・立案して提案

資料「裁量労働制の拡充について」

経団連 労働法制本部長の意見

(略)
・間下座長
(略)本日は労働時間法制に係る政策対応の在り方についてということで、2つの論点でございます。
論点1が、裁量労働制の適用対象業務の拡大等、論点2が、1年単位の変形労働時間制における労働日などの特定の在り方、この2つの論点を御議論いただきたいと思います。
(略)まずは論点1の裁量労働制の適用対象業務の拡大等に関して、本件に係る要望元団体から御説明をお願いしたいと思います。
本日は、一般社団法人日本経済団体連合会か ら鈴木重也様にお越しいただいています。
それでは、10分程度で御説明をお願いいたします。

・一般社団法人日本経済団体連合会(鈴木本部長)
経団連労働法制本部長を務めております、鈴木と申します。
本日は大変貴重な機会を頂きまして誠にありがとうございます。
経団連では、これまで長年にわたりまして裁量労働制の拡充を主張してまいりました。
今回、裁量労働制の拡充が働き方・人への投資ワーキング・グループの議題として取 り上げていただいたことについては大変心強く思っているところでございます。

裁量労働制の対象拡大を求める背景

それでは、早速資料に基づきまして御説明させていただきたいと思います。 1ページ目をご覧いただきたいと思います。まず、裁量労働制の拡充を求めております背景についてでございます。
日本の経済成長が停滞する中、再び成長の軌道に乗せ るには、何と申しましても労働生産性の向上は欠かせないと考えております。
労働投入量の大幅な増加が見込めない中、労働生産性の向上を目指すには働き手一人一人の アウトプットの質を最大化していくことが必要ではないかと考えております。
そのため、企業各社では働き手が柔軟かつ自律的に働き、活躍できる環境を整えるため、 様々な取組をしているところでございます。
とりわけ創造的で非定型の業務に従事している働き手にとりましては、いつ、どのように働くかの裁量を持って働き、かつ、 時間でなく成果に応じて処遇が受けられることが働きがいにつながるものと考えております。
厚生労働省の調査によりますと、裁量労働制で働いている労働者の約8割の方が制度適用に満足と答えております。
また、経団連が昨年秋に民間調査会社に委託し、全国のホワイトカラー労働者約1,000人に調査したところ、裁量労働制適用労働者がメリハ リをつけて自分のペースで働ける、知識や経験、スキルを伸ばせるといった感想を持っていることが確認できました。
中段のところにございますとおり、現在、裁量労働制が適用されている労働者の割合は1.4%にすぎません。
しかしながら、私どもが行った調査では、ホワイトカラー労働者の33%が裁量労働制の適用を希望されています。
このようなギャップがある背景といたしましては、裁量労働制の適用対象業務が現状狭いことが大きいと私どもとしては考えているところでございます。
裁量労働制は働き手の能力の最大発揮と成長意欲の一層の喚起につながる仕組みとして、是非とも裁量労働制の拡充に向けた議論を加速いただきますようお願い申し上げます。
なお、柔軟で自律的な働き方という点に関しましては、フレックスタイム制を活用すれば十分ではないかといった御指摘も頂いているところでございます。
確かにフレックスタイム制は時間配分の柔軟性はあるものでございますけれども、仕事の進め方の裁量を労働者に与えることまで法律が求めている仕組みではございません。
他方、裁量労働制は働く時間の配分が自由であることに加えまして、仕事の進め方の裁量を与 えることが法律で求められております。
また、成果に応じた処遇を徹底することが可能となり、短く働いても成果が上がれば高い評価が得られやすい。
これらの点でフレ ックスタイム制では代替できない点、代替できない効果があると考えております。

労働者のニーズと企業のニーズ

2ページ目をご覧いただきたいと思います。
ここからは、労働者、企業双方のニーズ について御説明申し上げます。

労働者のニーズ
まず、労働者からのニーズについてでございます。
先ほど御紹介したとおり、ホワ イトカラー労働者の33%の方が裁量労働制の適用を希望しているという結果が得られ たわけでございますが、希望する理由といたしましては、右側の棒グラフにありますとおり、メリハリをつけて働きたい、次いで、就業時間が短くても一定額の裁量労働手当などが貰える。
成果に応じた処遇が受けられる可能性があるといった回答が多くなっております。

企業のニーズ
次に、企業のニーズについてでございます。
資料の下段に会員企業からのニーズが 特に多い業務を3つ紹介させていただいております。
一つ目が、一部裁量労働制の対象業務でない業務が混在するケースです。
次に、課題解決型提案業務は、特定の顧客 向けの商品・サービスを企画・立案・調査及び分析した上で、これに基づき開発・提案まで行う業務を指します。
三つ目は、シェアードサービス業務です。それぞれ少し具体的に説明させていただきたいと思います。

プロジェクト型業務
3ページをご覧ください。非対象業務が混在する業務の例といたしましては、プロジェクト型業務がございます。
資料にありますとおり、例えば、企画・立案・調査及び分析の業務の傍ら新しいシステムの導入に向けたプロジェクトに参加し、関係部署への定期的な報告やシステム保守などの業務を行う場合を想定しております。
また、企画業務型の裁量労働制の対象業務に携わりながら、月に1回か数回程度、安全衛生委員会や情報セキュリティー委員会などに参加するような例もあろうかと思います。
いずれのケースも企画・立案・調査及び分析の業務をメインで行っているものの、一部対象外の業務が入るため、現在は裁量労働制が適用できない形になっております。

課題解決型提案業務
次に、4ページをご覧ください。
課題解決型提案業務の主な例を記載しております。
例えば、顧客が抱える課題を調査・分析し、そのソリューションとなる鉄道や信号の システムなど、商品を企画・開発し、提案する業務のイメージでございます。
こうし た業務は非対象業務が一部混在するだけでなく、業務が特定顧客向けの商品開発でありますので、自社の事業ではなく他社の事業の運営に関わる業務であるという点で現行の企画業務型裁量労働制の要件を満たさないということでございます。
なお、課題解決型提案業務は商品やサービスなどを開発するということが必須の要件だと考えておりますので、例えば、既にある自社の商品群の中から顧客のニーズに合った商品を選んでお勧めするといった、いわゆる単なる営業への拡大ということは 私どもは考えておりません。

シェアードサービス
続きまして、5ページ目をご覧いただきたいと思います。
シェアードサービスは、グ ループ会社などで重複をするような間接業務を別会社に集約し、一括してサービスを提供するものでありまして、シェアードサービス会社の中には単に定型的な業務を請け負うだけでなく、グループ会社の人事や経営に関する企画・立案・調査及び分析を 行うところがございます。
現状では他社の事業の運営に関わる業務であるといった理由から裁量労働制の適用が認められておりません。

裁量労働制の濫用防止と対象拡大

最後に、裁量労働制は適切に運用される限り労使双方にとってメリットをもたらすものだと考えておるところでございますが、制度趣旨にそぐわない運用がされている、 健康面・処遇面で問題が生じかねないといった指摘があることも私どもは承知しているところでございます。
そのため、経団連といたしましては、適切な運用を行っている企業の取組を参考に、長時間労働とならず裁量労働制にふさわしい処遇を確保でき るよう制度の濫用防止策とセットで裁量労働制の拡充に向けて議論に臨んでいきたい と考えているところでございまして、委員の先生方のお力添えを是非とも頂きますようお願い申し上げます。
私からは以上でございます。(略)(第8回 働き方・人への投資ワーキング・グループ議事録より抜粋)

日立製作所も裁量労働制の対象拡大を要望

規制改革推進会議(第8回)働き方・人への投資ワーキング・グループでは経団連だけではなく日立製作所も裁量労働制の対象拡大を求めています。日立製作所につきましては次のnote(ノート)の記事をご覧ください。

規制改革推進会議WG議事録(PDF)

経団連(日本経済団体連合会)労働法制本部長以外の方の裁量労働制の対象拡大に関する意見・要望などは「働き方・人への投資ワーキング・グループ(第8回) 議事録」をお読みください。

働き方・人への投資ワーキング・グループ(第8回) 議事録(PDFファイル)

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