【映画】急に具合が悪くなる
下咽頭癌により声を失った夫と生きる、深い呼吸が久しぶりにできている気がする還暦ヨガ講師で介護福祉士です。夏休み、YES!
8/8より夏休みです。以前から行きたいと思いつつ、行けていなかった映画。電車で50分程の都心まで観に行きました。
映画とタイトルにしていますが、感想というよりもほぼ介護についてことなので、ご興味のない方はスルーしてくださいね。
末期癌
介護
認知症
ユマニチュード
自閉症
尊厳
多様性
資本主義
民主主義
今の自分に関わりのあるテーマが散りばめられていて、自分事として一緒に考えながら辿っていくような3時間16分でした。
がん患者である国際的な演出家の真理と、介護施設の運営で悩む働きすぎの管理者マリー・ルーのフランスでの出会いから、最後の大円団までを見届け、流した涙と共に心が浄化されたよう。
ユマニチュード研修の様子が映される。フランスで開発された「人間らしさ」を大切にする介護・看護のケア技法。目線を合わせて、穏やかに話し、やさしく触れる。そして支えながらでも自分で立つということ。
施設で理想の介護方法を推し進めていても、経営陣からは人件費や研修費がかかり過ぎて利益が上がらないと言われている。ユマニチュードのケア技法を学ぶための過渡期で、人手が足りずに皆が疲弊していることを一部の職員が不満に思っていて反発を受けたり、退職者が出てしまい悩むマリー・ルー。職員と言い合いになってしまい、休むように同僚に悟される。
チラシをもらっていた精神病院をテーマにした演劇を観に行き、感銘を受けたマリー•ルーが演出家の真理へ質問をするシーン。
「本当に不可能なことが可能になると思いますか?」
質問に答える真理。
「不可能なものは不可能です。でも、可能になるまでは、です。」
私は50歳を過ぎて、介護の資格を取るために週に一度学校へ通い始めました。講義をしてくださる先生方は介護福祉士やケアマネージャーや看護師の資格を持ち、介護現場のベテランさんでした。
皆さん、口を揃えて言っていらしたのは
「介護が天職です。介護はとても創造的で楽しい仕事」
そして、ラポール。その人らしく生活することへの支援。
ラポールとは、人と人との心が通い合う信頼関係。お互いに安心感を持ち、相手を受け入れている状態。ひとりひとりに人生があり、そのことを尊重した介護。
当時、スポーツクラブで働いていた私は、並行して介護予防の仕事もしていた。知識としての必要性を感じて介護資格を得たいと思ったけれど、実際に介護現場で働くことは、全く考えていなかった。
ですが、講師陣の熱い思いに触れ、講座を修了する頃には働いてみたいなぁと心が揺れたが、20年以上働いていたスポーツクラブでの待遇は捨てがたかった。
転機が訪れたのは、コロナ禍。客船での感染者がスポーツクラブで感染を広げたことがニュースになった頃に、いつ再開するかわからず先の見えない休館が始まった。
外出制限が緩んだ頃に退職を決め、介護施設に転職をした。
当時54歳。全くの新人です。おばちゃんだけど介護未経験。でも介護の仕事に夢と希望を持っていた。
ほとんどの職員さんは、もちろん丁寧な介護をしていて、新人の私に親切になんでも教えてくれた。でも時々目撃したのは、一部の職員さんの利用者さんに対する暴言や乱暴な身体介護。当時の上司に訴えても、人手不足でクビには出来ない様子だった。理想と現実のギャップ。
認知症の方々は対応に時間がかかり、なかなか時間内にケアが終わらない。退勤時間になっても終わらないことがあって私も泣きそうになったこともある。でも、根気強く対応するしかない。
その後も、数名の職員さんが無理な介助をして、何度か問題になった。
無理矢理に入浴させようとして、肩をかまれた。
無理矢理に食卓に座らせようとして、味噌汁をぶっかけられた。
無理矢理に歯磨きをしようとして、腕を引っ搔かれた。
その職員さん達は、利用者さんが悪いと怒っていたけれど、無理強いしたら不穏になることは、新人の私でもわかることだった。だって認知症の方は、毎日不安を感じていて、無理矢理に指示されたら恐怖を感じて反発するし、時には手でも出る。そして更にケアが難しくなる悪循環。
無理な介助をしていた職員さんは皆、間もなく退職しました。彼らのこともケアする必要があったはず。介護の仕事、続けているのかな?
映画の話に戻ります。
真理とマリー・ルーとの触れ合い
利用者と職員の触れ合い
利用者同士の触れ合い
利用者と家族の触れ合い
職員同士の触れ合い
AIの時代がやってきても、人と人との対話には、心の触れ合いが不可欠で、お互いのことを知りたいと思う好奇心や、お互いを思いやる心や、お互いを尊重し受容する心。心に触れるようにやさしく体に触れることの大切さを、この映画は教えてくれます。
与えるだけではない。与えてもらう。お互いに。それは介護の現場でも。
3時間16分、まったく長さは感じませんでした。
おじいちゃん、おばあちゃんの足を触り合うシーン、かわいかった。
一旦、退職した介護現場へ、今月から復帰します。このタイミングで観るべき映画だった。また理想と現実のギャップに苦しむことになるかもしれません。でも、今はワクワクが勝っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
不可能なものは不可能です。でも、可能になるまでは、です。
以前の介護について記事も、お読みくださると嬉しい!
