『自分らしさに向かって(仮)』#10
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《ミエル・ミネット》の向かいにある建物の2階へ、執事風の男が猫を連れて入っていくのを確認したビリーとルナは、これからの作戦について話し始めた。
「ルナ、あの執事風の男たちが、今回の猫探しに大きく関わっていそうだ」
「ビリー、私にだって、それくらいの勘は働くわよ!」
「なら、話は早いね。あの執事風の男の跡をつけよう。ただし、見つからないように」
「当然でしょ」
「僕の勘だと、馬車で移動する可能性が高い。だから、尾行はルナに頼みたいんだ」
「馬車とか言ってるけど、私に尾行させて、ひとりでまたココプリを食べるんじゃないでしょうね……」
「そんなはずないじゃないか」
「じゃあ、ビリーは、その間何をしてるの?」
「周りの人たちに聴き込みをしてるよ」
「仕方ないか。ビリー、足遅いしね」
「尾行に成功したら、またココプリセットを奢る。それで手を打ってくれる?」
「交渉成立!」
「ちゃんと、見つからないようにね!」
「あっ!ビリーの言う通り、馬車がやってきた!」
「たぶん、あの馬車は男爵家の居城へ向かう。くれぐれも悟られないようにね!」
「わかってるって!ココプリセット、忘れないでよ!」
ルナは、残っていたココプリと紅茶を急いで胃袋に入れ、カフェを後にした。
ビリーは、ルナの後ろ姿を見送りながら、ゆっくりとココプリを食べ続けた。
すると、ひとりの女の子が《ミエル・ミネット》のカフェスペースに隣接したパティスリーのカウンターで、店員と話し始めた。
「あっ!ココさん!今日もココプリ6個でいいですか?」
「ココのココプリ、6個ね」
「かしこまりました!いつもありがとうございます!」
あの子が、店へ入るなり「ココプリ6個!」と言ったと、ルナが話していた女の子なのだろうか。
ビリーは、ココプリを口へ運びながら、ぼんやりと女の子を眺めていた。
「あっ!ルナが戻ってくる前に、ちゃんと聴き込みをしておかないと。またココプリセットを奢らされるかもしれないからな……」
ぶつぶつ言いながら、ビリーは2人分の代金を払い、カフェを後にした。
《ミエル・ミネット》の周辺で執事風の男たちの挙動などについて、聴き込みを行った結果、やはり、フェリス男爵家の執事たちのようだった。そして、カフェの向かいの2階からはフェリス男爵の次女のリリア様が通りの猫を眺めている様子を多くの人が見ていた。
聴き込みを終えようとしたとき、ルナが戻ってきた。
「ルナ、どうだった?気づかれなかった?」
「大丈夫よ!ビリーの言うように、馬車はフェリス男爵家の居城へ入っていったわ。あの猫も、そのまま男爵家の居城へ運ばれていったわ」
「尾行成功!これでココプリセット、次もビリーの奢りね!」
「そうだね……」
「ビリーの方は収穫あった?」
「あったよ。聴き込みの結果、あの男たちは、やはりフェリス男爵家の執事たちで、馬車でここを訪れているのは、フェリス男爵家の次女のリリア様とのことだったよ」
「ビリー、男爵家の中に街から連れて行かれた猫がたくさんいそうだけど、正面から突っ込めないし、どうするの?」
「ルナ、これまでの調査では、朝9時頃になると男爵家の北門付近から猫が出てきているんだ。明日から毎朝9時頃、北門あたりを見回ってくれるかな?」
「いいわよ。ココプリセットもう1個で手を打つよ」
「わかったよ……、ルナ」
「交渉成立!明日10時ごろ、また《ミエル・ミネット》で落ち合いましょう」
「じゃあ、また、明日」

※ featuring シンフォニム「真実を噂として渡す」
「真実、芝居、噂」
※ このオリジナル創作小説の世界観から、Sunoで生成した楽曲です。
それぞれのことばが、
迷いながら創るあなたの、小さな創作のヒントでありますように。
#創作のヒント
#思考のヒント
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Photo: Unsplash
(c) s.f.出版
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