『自分らしさに向かって(仮)』#11
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ルナがフェリス男爵家に猫が連れて行かれるのを確認した翌日の朝、ビリーは《ミエル・ミネット》でルナを待っていた。
程なく、ルナが1匹の猫を抱えてやってきた。
「ビリー、おはよう。やっぱり、朝9時頃、初老の執事が北門で猫を放してたよ」
「やっぱりね。で、その執事とは顔を合わせたの?」
「ちょっと離れた木の影から見ていて、猫を放して門の中へ戻り、姿が見えなくなってから、猫を追いかけたから、顔は合わせてないよ」
「そう。まずは、その猫、学院に届けてきてくれるかな?そうしたら、約束のココプリ食べながら、明日以降の作戦について相談しよう」
「ビリーの奢りだよね!」
「約束だからね」
「行ってくるね!」
しばらくして、ルナが学院に猫を届けて戻ってきた。
「ビリー、届けてきたよ!」
「今日は猫も見つかったし、ちょっと豪華にいこうかな?」
「えっ?ココプリの紅茶セットじゃないの???」
「まぁ、猫が見つかったお祝いも兼ねて!新メニューのココプリ・ア・ラ・モードにしようかな?」
「えっ?銀貨3枚だよ!ココプリ紅茶セットの3倍だよ!」
「猫も見つかったし、ねっ!」
「わかったよ……」
ビリーはメニューを見ながら、小さく息を吐いた。
「僕はオレンジジュースを」
「ビリーはココプリ食べないの?」
「お小遣い、そんなにたくさんないから!」
「あっ、そんなことより、明日からの作戦だけど。猫をときどき放してるってことは、自分たちの猫にしようとしてる訳ではないんじゃないかな?」
「そうだね。あの初老の執事も、そんなに悪そうな人には見えなかったし」
「そこで、作戦だけど、朝9時より少し前に北門に行って、執事の人に気づかれるように、猫を探してるフリをしてくれるかな?」
「まだ猫が放されてないのに?」
「そう。僕たちは、男爵家から猫が放されていることには、まだ気づいていないふりをするんだ」
「なんで、そんなことするの?」
「その執事の人に、猫探しの依頼がたくさんきていることを分かってもらうためだよ」
「北門の周りで、探し回っていれば、『何をされているんですか?』って、訊いてくるかもしれないから」
「そうしたら、僕たちが実習で猫探しの依頼をたくさん受けて、猫を探してるということを、それとなく伝えるんだ」
「そうか。猫がいなくなって困ってる人がたくさんいるって分かれば、リリア様にも伝えてくれるかもしれないしね」
「そういうこと」
「うまくいけば、僕たちが男爵家を疑っていることを知られないまま、猫を返してもらえる」
「いい作戦だね!私も演技頑張らなくちゃね!」
「ビリー、大変そうだから、明日は、ココプリの紅茶セットにしておくよ」
「ハッ、ハッ、ハッ……」
「僕の奢りだよね……」
「分かってるじゃん!ビリー!」
「……」

※ featuring シンフォニム「演技が誘う」
「気づき、優しさ、演技」
※ このオリジナル創作小説の世界観から、Sunoで生成した楽曲です。
それぞれのことばが、
迷いながら創るあなたの、小さな創作のヒントでありますように。
#創作のヒント
#思考のヒント
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Photo: Unsplash
(c) s.f.出版
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